楽しい理科授業 2005年12月号
子供らしい“誤認識”授業でどう崩すか

F472

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楽しい理科授業 2005年12月号子供らしい“誤認識”授業でどう崩すか

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ジャンル:
理科
刊行:
2005年11月8日
対象:
小・中
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子供らしい“誤認識”授業でどう崩すか
えー,そんな風に考えるの―子供の思考びっくり例
理科は自然の事象を対象に考えること
堀 哲夫
「え!」と「え?」と感じたこと
中田 晋介
水の気体は見えるもの?
村田 耕一
三日月って,どれ?
築地 京子
著名理科人の告白?記 私もこんな風に考えていた!“子供時代の面白例”
ラジオの中には小人が入っている
上原 春男
磁石で永久機関を!―間違った考えはより深い理解のために―
高橋 浩
宇宙人はきっといる!
千葉 和義
“誤認識”を発見する発問と崩す証明・説明のポイント
日常生活経験と結びついている時
西井 孝利
先入観での解釈から抜け出せない時
溝邊 和成
理屈でなく感覚が受け付けない時
千葉 雄二
実験がかえって誤認識を強化する時
米澤 雅史
子供の“誤認識”が多い単元と授業での対応ヒント
3年の単元で多い誤認識と授業での対応ヒント
江畑 善博
4年の単元で多い誤認識と授業での対応ヒント
中野 慎也
5年の単元で多い誤認識と授業での対応ヒント
渡辺 良平
6年の単元で多い誤認識と授業での対応ヒント
松尾 英樹
中1分野で多い誤認識と授業での対応ヒント
岩崎 和弘
中2分野で多い誤認識と授業での対応ヒント
小林 俊行
科学史から見た“誤認識”の面白例
ちがって見える世界でも同じ法則がなりたっている―ミクロ世界の大発見―
永田 英治
本当に地球は太陽のまわりを回るのか
磯部 e三
燃焼とは『フロギストン』が放出される現象だ
澤田 富雄
小特集 冬休みの読み聞かせ ―雪に関する研究エピソード―
冬の寒さを夏に利用する?〜雪の保存活用〜
山田 淳
一歩一歩の積み重ねが成果につながる
松岡 義智
雪のふしぎを調べよう
藤井 総一郎
教室で使える写真集 (第9回)
木は上に生える?
善能寺 正美
<往復書簡>科学概念の基本をどう教えるか (第9回)
往信 概念の「ことば」と理論の「ことば」
佐々木 昭弘
復信 科学的思考力の育成
遠西 昭寿
理科カリキュラム改革への提言 (第9回)
理数の関連をしっかりとれ
本間 明信
子どもに教える!新教科書の使い方・基本スキル (第9回)
5年「ものの溶け方」を自由試行と応用編で組み立てる
迫田 一弘
<すぐに使える科学読み物>科学史における日本の貢献―人物中心に― (第9回)
鉄鋼の父と言われた日本人科学者
永山 祐
理科好きにする実験観察のヒント (第9回)
「炭の科学」身近なものを使った炭つくりや,炭の性質を調べよう!
横須賀 篤
<コピーしてすぐ使える>エピソード記憶でしっかり定着の“この重要概念”
3年/ホウセンカの「実」と「つぼみ」の区別をどう教えるか?
大堀 真
4年/「対流」の概念を定着させる実験の組み合わせ
戸井 和彦
5年/てんびんの不思議な世界
北村 善重
6年/からだのつくりとはたらき
芹沢 晴信
中学1分野/電気の時代の基盤を築いた―マイケル・ファラデー―電磁誘導―
佐々木 清
中学2分野/地球の歴史は生き物年代で考えよう
横山 光
編集後記
樋口 雅子
プロ級の理科工作―カタログ&製作ヒント― (第9回)
ストローで紙鉄砲・発泡材で浮沈子を作ろう
服部 陽一

編集後記

○…「刀傷の治療のためには,傷にではなく傷を負わせた刀のほうに塗ればよいという薬であり,それによりたとえ20マイル離れていたとし

ても傷ついた兵士は癒される」という,「武器軟膏」なるものが,17世紀前半まじめに論争されたといいます.

 当時,武器軟膏の作用が遠隔性ゆえに認められないのであれば,太陽が地球に及ぼす重力も,地球が月に及ぼす重力も同断ではないか.ということで,ガリレイが潮汐に対する月の影響という古来から経験的に知られていた事実をかたくなに認めようとしなかったのも,同じ理由からだ―そうです.

 山本義隆著『磁力と重力の発見』のなかの,このくだりを読んだとき,著名な科学者もこういう歴史の中にあるのだと思うと,子供がおかしな?理屈をつけて,自然の現象・事象を説明する姿と重なり,とても興味深く思いました.

 日本理科教育学会の機関誌「理科の教育」7月号に,愛知教育大の遠西先生が,「子どもが冷水を入れたコップの側面に生じる水滴が,コップからしみ出していると考え,それを証明しようとして,コップを傾け,今まではなかったところに水滴が出来るのは,しみ出しているからだと主張した」と紹介されています.

 ジュースで実験して,水滴がジュースの色でないことを目の前に出されると,コップによって濾過されたから色がないのだとも説明したのだそうです.

 この“しみ出した”という主張を読むと,子どももなんてしつこく?自説に拘泥するのだろうということと,自分を納得させる立論をそれなりに練り上げるものだということで,妙に感心させられました.

 本号は,こんな子どもの誤認識の実態を紹介していただくと同時に,どう授業をもっていくことで,説得?することが可能となるのか,ご紹介いただきました.

(樋口雅子)

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