向山型国語教え方教室 2015年2月号
国語の発達障がい―症例に即した指導ポイント

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向山型国語教え方教室 2015年1・2月号国語の発達障がい―症例に即した指導ポイント

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ジャンル:
国語
刊行:
2014年12月24日
対象:
小・中
仕様:
B5判 96頁
状態:
絶版
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目次

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特集 国語の発達障がい―症例に即した指導ポイント
「ワーキングメモリ」が苦手な子の暗唱指導
成功体験があり、挑戦できる暗唱の授業システムを導入する〜ワーキングメモリ特性を理解し、向山型を応用する〜
小嶋 悠紀
「ワーキングメモリ」が苦手な子の漢字指導
できない原因を推定し、指導方法を選択する
長谷川 博之
「継次処理」が苦手な子の漢字指導
低学年から漢字の仕組みとおもしろさを教える
岡 惠子
「継次処理」が苦手な子の作文指導
優れた授業システムこそが必要
間嶋 祐樹
「視覚優位」な子の話す・聞く指導
言葉だけではなく、映像などを用いた同時処理的な教育が必要である
五十嵐 勝義
「視覚優位」な子の日記指導
視覚優位な子の「書くこと」の指導には視写が一番
石田 寛明
「聴覚優位」な子の文法指導
「聴覚的手がかり」「段階的な教え方」「順序性の重視」を意識して指導すれば聴覚優位な子が敬語を正しく使えるようになる
小塚 祐爾
「聴覚優位」な子の評価テスト指導
テストの時間も大切な学びの時間である。教師は、問題文を読み上げたり、問題の解き方をしっかりと教えたりして、個別に支援をしていくべきである
近江 利江
「心の理論」に課題がある子の読解指導
心の理論とは何かを理解し、向山型国語の指導で教える
大関 貴之
「心の理論」に課題がある子の感想文指導
『型』を与えることで、学級の子どもたち全員が書くことができた!
阿部 梢
「微細運動」に課題がある子の漢字指導
漢字が覚えられない 書き順を「体で覚える」「分ける」「くり返す」で、エピソード記憶にして覚える
鈴木 恭子
「微細運動」に課題がある子の視写指導
微細運動に課題のある子のストレスを軽減する指導ポイント
手塚 美和
「コミュニケーション」が苦手な子の日記指導
全体で個別評定することが、子どものコミュニケーション力を高める
島村 雄次郎
「コミュニケーション」が苦手な子の討論指導
討論前の指導と討論中の指導にポイントがある
小野 隆行
ミニ特集 向山型国語で子どもが変化したエビデンス学年別
一年生→『話す・聞くスキル』からスモールステップでの指名なし討論指導
師尾 勇生
二年生→今、求められている「生きてはたらく力」を育てる向山型作文指導
八巻 修
三年生→論理的思考力を育てる向山型要約指導のエビデンス
大松 幹生
四年生→漢字が苦手な子も百点が取れる漢字指導
徳本 孝士
五年生→「運動会」の行事作文は書き出しを工夫させる
服部 賢一
六年生→平均九十五点を保証する向山型漢字指導システム
石坂 陽
中学生→生徒の文章力を向上させるために行ったこと
金子 英利
高校生→習得率九割に迫る「TOSS高校古典文法スキル」
鈴木 良幸
向国ライブあの体験で教室の実践が変わった
ライブで要約指導の我流に気づいた
新井 亮
文章そのものを科学的に読むことをより意識するようになった!
赤木 雅美
私のクラスでウケた保護者参観授業 (第18回)
子どもが楽しく、集中して勉強しているところを見せる
三島 麻美
グラビア
東北盛岡の地で150名超え、大盛況満員御礼 第61回向山型国語教え方教室IN盛岡
泉田 剛志
〜毎時間、基本的に同じようなパターンで流していく授業〜教科書教材:文学作品の場合〜〜
巻頭コラム
教師は授業の永続革命の中に生きる
向山 洋一
巻頭論文
発達障がいの子どもたちはなぜそれが苦手なのか。原因を推定し、それに応じた方略で指導を試みることが大切である
谷 和樹
ちょこっと分析批評―“このパーツ”で国語をカジュアル化 (第6回)
三十年前の詩の授業に対する向山氏の代案
谷 和樹
〜「春」坂本遼〜
中学発 テスト問題を授業に組み込む―あら不思議? 学力UP (第6回)
「文章は読めるが意味の理解ができない」問題を考える
長谷川 博之
伴一孝の授業道場―土足でハートに侵入の実況放送 (第6回)
「ゴルゴ13」さいとう・たかを&滅茶苦茶なコンテンツからの出発
末光 秀昭
意見が「真っ二つ」に分かれるこの発問 (第6回)
「うさぎは、今、どこにいますか」青年教師を揺さぶったこの発問
木村 重夫
教室熱狂―「学級通信=アチャラの授業」再現スポット (第6回)
学級通信「アチャラ」追試ポイントE分析批評の授業B象徴
河田 孝文
向山型国語に挑戦/論文審査 (第82回)
慶應附属中学の入試問題を見て〈調布大塚小での向山実践〉
向山 洋一
“学び合い実践のキケン部分”を予測する (第6回)
研究公開で「学び合い」を選択する理由
根本 直樹
国語で発達障がい児の指導―最前線 (第6回)
発達障がいの理解があると、指導法が変わっていく
小嶋 悠紀
〜フラッシュカードに発達障がいの子どもが熱中するのはなぜか〜
石坂実践から学ぶ指書きのスピードを上げる指導
小野 隆行
非連続型テキストの読解力―向上への指導ポイントは“ここ” (第6回)
「非連続型テキスト」の読解力をのばす教材を使う
許 鍾萬
A論文を生み出した実践 (第6回)
「小学生版読解スキル」の提案
中野 幸恵
オジン世代発→若い世代の“向山実践の咀嚼率” (第6回)
班で協力するから、たくさんの漢字を作ることができる授業。口に二画をつけ加えて、漢字を何個作ることができるのか、十五個以上への挑戦
桑野 有加子
指示と発問だけを学んでも向山実践には手が届かない。オジン世代の私は桑野実践の「評価」に注目した。
門間 政博
〜正確な追試の難しさを実感した桑野実践〜
向国高段者のバックヤード 学級のワクワク授業風景 (第6回)
聴写のすすめ 地味な学習活動だが、効果は絶大である
甲本 卓司
向国高段者のバックヤード 松崎力の国語教室 (第6回)
向山型国語が私にもたらしてくれたもの
松崎 力
この授業で“向山実践が蘇った瞬間” (第6回)
「太郎はおもしろい」「太郎がおもしろい」の違いにやんちゃーず、大興奮!!
笠井 美香
華の女子三人組 学級経営と国語授業―連動スポットは“ここ” (第6回)
促音の指導 授業記録
赤木 雅美
愛しまれてきた日本の子どもたち
神谷 祐子
国語の指名無し音読が積極的な子を育てる
井戸 砂織
編集室の公論・異論 私の周辺・気になる“この話題” (第2回)
テーマ:次期指導要領への要望
形式的な指導に堕落した現場〜次期指導要領では形式を押し付けない配慮を〜
谷 和樹
単元を貫く言語活動という言葉が生み出す、言葉から遊離した活動をなくすことで国語力は高まる
雨宮 久
ローマ字を複数学年で指導できるように配当すべし
根本 直樹
「目標達成重視」を望む
長谷川 博之
足が震えた模擬授業体験談 (第6回)
緊張場面を体験することで授業の技量は向上する
徳本 孝士
授業力をつけていくために「質」を上げていく
鈴木 翔太
読者のページ
雨宮 久
編集後記
谷 和樹雨宮 久根本 直樹長谷川 博之
向山型国語最新情報
雨宮 久
向山実践の実物 (第1回)
竹岡 正和

巻頭コラム 教師は授業の永続革命の中に生きる

本誌編集長/向山 洋一


 あるべき授業の姿を示したのは、斎藤喜博であった。その斎藤喜博は、授業について、次のように書いている。

 それは授業展開は、いまのような日本の現実では、どこでもだれでも同じ方向や方法でやれるものではなく、学級とか、子どもとか、教材とか、教師とか、地域とかによって、それぞれちがったものになっていかなければならないからである。それぞれの現実に即して展開の方向なり方法なりをつくり出していかなければならないからである。

 もちろん教育科学の原則とか法則とかは必要である。すぐれた教育実践をするためには、やはり原則、法則が基本になるからである。しかしいまは、そういうものが確立していないし、また、かりに確立していたとしても、それだけでは授業展開はできない段階にある。

 (向山)授業は、あらかじめ「板書計画」ができるようなものではないのである。

 授業は、変化の中に存在するからである。

 子ども、教師育成などの組み合わせによって違った面が生れてくるからである。

 さまざまな道を通りながら、その中で、授業内容を身につけていくのである。

 学級という集団をみても同じものは一つもない。みなちがった個性とか欠陥とか学習歴とかを持っている。同じ三年生でも、学校によって、また同じ学校でも一年生、二年生のときの学習の仕方とか質とかによって同じものにはなっていないはずである。

 小熊秀雄の「やかれたさかな」という作品を、同じ年度に六年生の二つの学級が学習したことがある。一方の学級は力を持っており、読みとか、文字語句の一般的な意味とかは十分にわかっていたし、作品に対するある感銘も持っていたので、知覚的なものから授業展開をはじめることができた。だが一方の学級は、読むこととか、内容のだいたいのことがらを知る仕事からやっていかなければならなかった。したがって二つの学級は、最初の一時間の展開の方法もちがったものになったのだった。

 (向山)いくつかのクラスで授業をすれば、必ず違う面が生れてくる。

 教師の力量、これまでのつみ重ねによって、授業の流れに違いが生れてくるからである。もちろん同じような場面もあるだろう。しかし、生きた授業をしていれば、違う面も出てくるのである。

 このように、学級の現実によって展開の方法は変えていかなければならないし、また変わっていくものである。したがって、学級とか子どもとかに即して授業展開の方向なり方法なりをつくり出していかない限り、展開は成立しないのである。

『授業の展開』

 (向山)授業は「いきもの」なのである。

 それは、変化の中に存在する。よりよい変化を創り出すために、教師は勉強し、研究し、工夫をするのである。

 授業者は、授業の永続革命の中に生きていくのである。

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