向山型国語教え方教室 2014年12月号
全員100点体験!“テストの答え方”教える授業

D082

«前号へ

次号へ»

向山型国語教え方教室 2014年11・12月号全員100点体験!“テストの答え方”教える授業

紙版価格: 947円(税込)

送料無料

電子版価格: 851円(税込)

Off: ¥96-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
国語
刊行:
2014年10月22日
対象:
小・中
仕様:
B5判 96頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 全員100点体験!“テストの答え方”教える授業
テストで子どもを落ち込ませない―私の取り組み
全員に百点をとらせること。実際に力をつける方法を身につけた教師だけが子どもたちを笑顔にできる
谷 和樹
「書きぬきなさい」に答えるポイント
「読解スキル」を活用するのが最善である
長谷川 博之
要約して答えるポイント
手掛かりになる言葉の見つけ方を教える
松藤 司
「なぜ」に答えるポイント
授業とテストをフル活用し、文末表現「から」を繰り返しインプットする
堀田 和秀
「どんな」に答えるポイント
一字読解で「答え方の形」を身に付けさせ、「ぐるぐるの○」で文末に注目させる
小貫 義智
「どのように」に答えるポイント
答えは述語(動詞)の前にある
遠藤 真理子
動詞で答える場合のポイント
内容も文末も、問題文に正対するように答える
中野 幸恵
名詞で答える場合のポイント
テスト中に、テストを使って、答え方を授業する
溝端 達也
文章構成を答えるポイント
全国学力テストに対応した文章構成に関する問題パターン
大関 貴之
指示語の問題に答えるポイント
手順(一)から(三)をふまえることで、答えを正確に導き出す
阿部 梢
接続詞で答えるポイント
教科書一冊分をまとめてトレーニングする
村野 聡
書き直し・間違い直しに答えるポイント
基本パターンを確定した上で問題をつくる
田代 勝巳
文に関する問題に答えるポイント
テストの答え方を毎時間の積み重ねで身につけさせる
小田 哲也
言葉の意味を答えるポイント
言葉の列挙・分類を経験させる
夏井 圭太郎
ミニ特集 知的雰囲気の「授業のまとめ言葉」
一年生→短く簡単に分かりやすく
地川 雅望
二年生→授業そのものを整理されたものにする
守田 のぞみ
三年生→学校へ来て良かった、みんなと学べる幸せを感じられるまとめ言葉
近江 利江
四年生→まとめの言葉を意識したことがない。強いて挙げると「どんな活動を入れるか」であろう。要はそれまでの授業である
川原 雅樹
五年生→討論におけるまとめの仕掛け
石坂 陽
六年生→自分で判断し行動できる子どもを育てる終末の仕掛け
中川 貴如
中学生→教師の解は発問・指示で組み立てる
和田 由幸
高校生→授業の振り返り、次の授業への橋渡し
黒杭 暁子
向国ライブあの体験で教室の実践が変わった
我流を見つけることで変わった漢字指導
大木島 研
伴氏の実践が念願の全員百点を生んだ
小林 仁
私のクラスでウケた保護者参観授業 (第17回)
親子で活躍する場面を設ける
矢吹 睦子
グラビア
8月開催の向国教え方教室夏の陣 第60回向山型国語教え方教室IN東京
久保 宏行
〜毎時間、基本的に同じようなパターンで流していく授業〜教科書教材:説明文の場合〜〜
巻頭コラム
字が読めなかった子が「このカルタだったら読めるよ!」
向山 洋一
巻頭論文
テストには明確な答え方がある このことを知ると見える世界が変わる。毎回違う問題が出ていると思っていた。だが、実はいくつかのパターンがあることを知る。それが分かれば簡単に答えを探せるようになる
根本 直樹
ちょこっと分析批評―“このパーツ”で国語をカジュアル化 (第5回)
豆太は勇気のある子どもか「話者と視点」から考える授業展開の例
谷 和樹
中学発 テスト問題を授業に組み込む―あら不思議? 学力UP (第5回)
「先生問題」で「あれども見えず」を可視化する
長谷川 博之
伴一孝の授業道場―土足でハートに侵入の実況放送 (第5回)
「無意識のうちに脳が繋がっているA」突然それはやってくる
末光 秀昭
意見が「真っ二つ」に分かれるこの発問 (第5回)
国語で逆転現象を生む楽しい問題
木村 重夫
〜すき間時間に出題して、子どもが集中するおもしろ問題。「国語が苦手な子」ができて、「得意な子」が間違える逆転現象が起きる!〜
教室熱狂―「学級通信=アチャラの授業」再現スポット (第5回)
学級通信「アチャラ」追試ポイントD 分析批評の授業A色
河田 孝文
向山型国語に挑戦/論文審査 (第81回)
発問のポイントを意識して
向山 洋一
“学び合い実践のキケン部分”を予測する (第5回)
研修会で講師が話す「イメージ」に惑わされてはいけない
根本 直樹
国語で発達障がい児の指導―最前線 (第5回)
特別支援学級における「国語の微細支援ポイント」
小嶋 悠紀
〜個別支援ができる立場だからこそ、実現可能なアイディア〜
発達を知れば指導は大きく変化する
小野 隆行
非連続型テキストの読解力―向上への指導ポイントは“ここ” (第5回)
定石の発問を追試してイラスト資料を読み取る
許 鍾萬
〜非連続型テキストを読解する授業の実際B〜
A論文を生み出した実践 (第5回)
向山実践「だから わるい」を調べつくす
宮崎 道久
オジン世代発→若い世代の“向山実践の咀嚼率” (第5回)
なぜ、こんなにも子どもが熱中するのか? 向山実践のもつ力に感動! 「口に二画」の授業を追試する
植木 和樹
オジン世代は植木実践のたった一つの指示の出し方に注目した! 何個書けた子に黒板に書かせますか? 向山氏が「この部分は、全く違う」と指摘していることを植木実践も門間実践も行っていた!
門間 政博
向国高段者のバックヤード 学級のワクワク授業風景 (第5回)
向山型分析批評の授業は、国語科での蓄積を可能とする。「りんご畑の九月」(後藤竜二作)で、問題作りに挑戦
甲本 卓司
向国高段者のバックヤード 松崎力の国語教室 (第5回)
国語の指導力を高めるために、若いころ行った教師修業
松崎 力
この授業で“向山実践が蘇った瞬間” (第5回)
雨。雨!飴?
笠井 美香
〜意味を考え、表現する〜
華の女子三人組 学級経営と国語授業―連動スポットは“ここ” (第5回)
「のばす音」の指導はお話にして扱う
赤木 雅美
逆転現象がおきる漢字文化の授業
神谷 祐子
やって良かった! 名句百選かるたのおかげで子どもの笑顔を見ることができた
井戸 砂織
編集室の公論・異論 私の周辺・気になる“この話題” (第1回)
テーマ:学力テスト
学力テストの練習は反則なのか〜静岡県躍進! 秋田県連続一位の秘密〜
谷 和樹
「家庭教育力」と「型」の習得がキーワードである
雨宮 久
システマチックに対応している県(学級)だけが点数がいい
根本 直樹
県を挙げた取り組みの成果か
長谷川 博之
足が震えた模擬授業体験談 (第5回)
指摘されたことを頭で理解してはいても、すぐにできない。サークルでの指摘を、学校の授業で意識して改善する
鈴木 崇之
夢を持って挑戦し続けよう
甲地 潮吏
読者のページ
雨宮 久
編集後記
谷 和樹雨宮 久根本 直樹長谷川 博之
向山型国語最新情報
雨宮 久
向山型国語に挑戦/指定教材 (第83回)
根本 直樹

巻頭コラム 字が読めなかった子が「このカルタだったら読めるよ!」

本誌編集長/向山 洋一


 今月の論文審査は「俳句の授業」であった。俳句のすぐれた教材といえば「五色名句百選」である。

 全国の俳句同人の本を出している角川学芸出版の青木社長とTOSSとの協力で作り出したのである。それを使った実践報告。

 五年前の四月二十一日。

 五色名句百選はじめる。子どもたちに五色名句百選をやらせた。

 一年生なので机を合わせるのも初めてである。

 「こうやって十枚十枚に分けます」

 「五枚二段に並べます」

 とやってみせた。

 「お願いします」と握手。

 「赤い椿 白い椿と おちにけり おちにけり おちにけり」

 一年生なのでけっこうお手つきもあったが、一つ一つルールを教えながらやっていった。

 「手は体のどこかにつけます」と言うと、頭に両手をのっけている姿もかわいらしかった。

 一試合やると

 「先生、もう一回やろう!」

 「たのしい!」と言われた。

 それから五日後、四月二十六日。

 自分の名前しか読めなかったKちゃん。

 教科書の文を指で追えるようになってきた。

 たっぷり練習させてテストすると、忘れてしまう時もあるが、一部の文字は読めるようになった。

 そんな中、五色名句百選を続けている。

 五色名句百選は毎日続けているにもかかわらず

 「先生、今日もやろう!」

 と子どもからラブコールが起こる教材である。

 さて、Kちゃんの話。

 初めて五色名句百選を教えた時は一枚も取れなかった。

 悔しそうな顔をしていた。

 二回目は二枚取れた。

 ちょっとほっとしたような顔をした。

 三回目も二枚。

 四回目は七枚取った。

 勝ち気な顔に変わった。

 そして昨日、とうとう自力で勝った。

 五色名句百選の後、Kちゃんが言いに来た。

 「先生、他だったら読めないときがあるけどねえ、このカルタだったら、読めるよ!」

 嬉しくてぞくぞくした。

 「Kちゃん、いっぱい取れるようになったもんだなあ!」

 と褒めた。

 五色名句百選は取り札に五文字のひらがなと鮮やかな絵が描かれてある。

 だから、Kちゃんも「読めるよ!」と言ったのだ。

 五色名句百選だからKちゃんは「読める」と言ったのだ。

 一年生を担任したこのタイミングで五色名句百選を導入できたことに感謝する。

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ