向山型国語教え方教室 2007年8月号
“この教材”で「分析批評の基本スキル」を指導する

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向山型国語教え方教室 2007年7・8月号“この教材”で「分析批評の基本スキル」を指導する

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ジャンル:
国語
刊行:
2007年6月19日
対象:
小・中
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 “この教材”で「分析批評の基本スキル」を指導する
なぜ,いま再び「分析批評」なのか
千葉 幹雄
これが「分析批評の基本スキル」だ
伴 一孝
「分析批評の基本スキル」の学年別指導計画
椿原 正和
「分析批評の基本スキル」を身につけた子どもが示した事実
石黒 修
分析批評のスキルを評論文執筆につなげるステップ
竹岡 正和
実録・評論文プロットの指導
冨山 一美
市販テスト読解問題に役立つ分析批評のスキル
望月 健
高校入試読解問題に役立つ分析批評のスキル
中野 智子
学年別・新教材を「分析批評」で授業する[7・8月]
1年
「おおきなかぶ」天秤を使って検証する
江口 儀彦
「たぬきの糸車」は「一字」読解+「中心発問」で授業を組み立てる
宍戸 威之
2年
「きつねのおきゃくさま」有効な発問で討論を仕組む
鈴木 恭子
「スーホの白い馬」主役・対役を見つける
楢原 八恵美
3年
「わたしと小鳥とすずと」で,どこのクラスでも盛り上がる45分の授業
小松 裕明
「わすれられないおくりもの」あなぐまが残したものを検討する
上木 信弘
4年
「白いぼうし」で,特別支援を要する子どもも活躍できた
伊藤 隆之
「ぼく」(光村図書4年上)を「対比」で解釈する
田口 忠博
5年
「雪わたり」はクライマックスを骨格として組み立てる
桑原 泰樹
「わらぐつの中の神様」ことばマップで考えを深める
山本 純
6年
「きつねの窓」題材・モチーフから主題に迫る
藤原 典英
「生きる」は,「リフレイン」で分析する!
小田原 誠一
中学校
「走れメロス」多読・討論・評論文で達成感を
渡辺 大祐
高校
「故郷」〜翻訳小説は複数の訳にあたって確認せよ〜
鈴木 良治
向国TOSSランドレシピ
八和田 広子
ノート指導の裏技
山下 正範
向山型国語キーワード
学力テスト
伴 一孝
満員御礼!「向山型国語教え方教室」
「8つの国語力」を向山型で授業する
椿原 正和
巻頭コラム
知的で子どもが熱中する分析批評の授業
向山 洋一
巻頭論文
今,分析批評の第一歩
長谷川 博之
向山型国語に挑戦/論文審査 (第37回)
国語の授業を知的に
向山 洋一
逆転現象を生む授業の組み立て方
「美」で解けば“逆転”する
伴 一孝
向山型で教科書教材を授業する
「わたしと小鳥とすずと」をPISA型「読解力」に対応させて授業する
椿原 正和
五色百人一首のユースウェア
「お手つき」指導の理念
小宮 孝之
学級崩壊を立て直した五色百人一首のドラマ
知的で楽しい五色百人一首を学級の文化にする
東田 昌樹
向山推薦!この2人の発問づくり競演
「静夜思」(李白)
漢字で答えさせる発問を述べる
松本 隆行
3・4年でも漢詩の授業はできる 分析の観点は、「時」と「文章構成」だ
新川 莊六
新分析批評入門
さあ,始めよう分析批評の授業を
大森 修
特別支援の子どもが熱中した参観日のこの授業
低学年/うんこのケーキはおいしいよ
濱崎 督之
高学年/「漢字文化の授業」で子どもも保護者も熱狂の渦へ!
小嶋 悠紀
誌上授業技量検定観戦記
まだまだ研究が足りない,問題提起には,基礎体力不足
甲本 卓司
インターネットで変わる漢字文化の授業
漢字文化の授業を動画で引き付ける
神谷 祐子
授業参観にピッタリ!誰でも安心してできる授業コンテンツ
森川 敦子
画期的提案!江副文法をTOSS教師が授業する
中学校の助詞学習導入,情報+助詞+述部を教える
山本 雅博
向山実践を読み解く
「冬景色」の授業E
向山 洋一松藤 司甲本 卓司
〜第2時(3) わからない言葉や文を調べる〜
向山型国語サークル情報
オール国語の模擬授業
星 由紀枝
名将復活!千葉向山型国語研究会
吉原 尚寛
8つの国語力を向山型国語でこう授業する
紹介〜向山型指導システムで「紹介」を指導する〜
松本 俊樹
授業で生徒を変えた中学教師の向国実践記
低学力の子を巻き込む
長谷川 博之
「仁和寺にある法師」〜兼好法師の批評を読み取る〜
伊藤 和子
腹の底からの実感! 向山型国語を知る前と後
Kさんを変えた五色百人一首
塩谷 直大
「先生,ありがとうございます」向山型国語が生んだAさん親子の笑顔
斉藤 維人
教科書を読むようになった
仙石 理世
「変化のある繰り返し」で音読を楽しく
鈴木 正和
寝た子も起こす!指名なし音読
松本 久美子
<生徒が変わる>は本当だった!
渡邉 紀子
女教師がチャレンジする向山型討論への道
引用の技はこうして育てる
太田 聡美
テーマ別 向山型国語QA
建設的な批判力を高める向山型国語A
星野 裕二
読者のページ
「一点突破」による教師修業を「継続」することで「論文審査」の読み方が変わってくる!
編集後記
椿原 正和伴 一孝長谷川 博之
向山型国語最新情報
椿原 正和
向山型国語に挑戦/指定教材 (第39回)
若の浦に…(山部赤人)
近藤 光弘

巻頭コラム

知的で子どもが熱中する分析批評の授業

●本誌編集長 向山洋一


 分析批評による国語の授業は,多くの教師の心をとらえる。

 授業が知的であり,子どもを熱中させるからである。

 国語の授業は,教材(テキスト)を読むことが基本である。

 正しく読む。深く読む。

 それはいかなる意味なのか,その意味はいかなる範囲なのかを,教材(テキスト)を使って考えさせるのである。

 私は,簡単に「その意味はいかなる範囲なのか」と書いた。

 このことを授業している実践例は,極めて少ない。

 ごく簡単な例を示そう。1年生の授業である。教材文 春になると花が咲く。

 問1 花が咲くのは,いつですか。

 問2 春になると何が咲きますか。

 これは,「いかなる意味か」を問う発問である。

 向山の発問は,これだけではない。次のようにも発問する。

 問3  そうか。夏になると花が咲くんだね。(子ども――「ちがう」の大音声)

 問4  分かった。春は花が散っちゃうんだよね。

 ※問4は難しい。両方あるからだ

 テキストをきちんと読ませる。「意味」だけではなく,「範囲」も問う。

 このような授業でこそ,真の国語の読解力はついていく。

 ろくに教材を読まないで,紙芝居づくりなどの「活動」に授業を費やしていては,読む力はつかないのだ。

 国語の授業では,もう一つコミュニケーション能力の育成が大切だ。それは,「情報の伝達」ということなのである。

 「意味」「範囲」を深くとらえられるからこそ「情報の伝達」の能力もあがり,「討論」もできるのである。

 向山学級の「やまなし」の「評論文」「討論の授業テープ」は,そのことを証明している。

 文科省が実施した全国学力調査。

 A問題では,「知識」「意味」が問われた。

 B問題では,「範囲」「情報の伝達」が問われた。

 これまで全国で見られた単元学習などの国語授業では,手も足も出なかったと思える。

 B問題こそ,PISA型読解力と言われる国際社会が求める学力なのである。

 今号では,分析批評入門の基本スキルを特集した。

 多くの人が「知的な国語授業」へ足を踏み入れることを期待したい。

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