- 特集 “この教材”で「分析批評の基本スキル」を指導する
- なぜ,いま再び「分析批評」なのか
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- これが「分析批評の基本スキル」だ
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- 「分析批評の基本スキル」の学年別指導計画
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- 「分析批評の基本スキル」を身につけた子どもが示した事実
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- 分析批評のスキルを評論文執筆につなげるステップ
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- 実録・評論文プロットの指導
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- 市販テスト読解問題に役立つ分析批評のスキル
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- 高校入試読解問題に役立つ分析批評のスキル
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- 学年別・新教材を「分析批評」で授業する[7・8月]
- 1年
- 「おおきなかぶ」天秤を使って検証する
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- 「たぬきの糸車」は「一字」読解+「中心発問」で授業を組み立てる
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- 2年
- 「きつねのおきゃくさま」有効な発問で討論を仕組む
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- 「スーホの白い馬」主役・対役を見つける
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- 3年
- 「わたしと小鳥とすずと」で,どこのクラスでも盛り上がる45分の授業
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- 「わすれられないおくりもの」あなぐまが残したものを検討する
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- 4年
- 「白いぼうし」で,特別支援を要する子どもも活躍できた
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- 「ぼく」(光村図書4年上)を「対比」で解釈する
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- 5年
- 「雪わたり」はクライマックスを骨格として組み立てる
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- 「わらぐつの中の神様」ことばマップで考えを深める
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- 6年
- 「きつねの窓」題材・モチーフから主題に迫る
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- 「生きる」は,「リフレイン」で分析する!
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- 中学校
- 「走れメロス」多読・討論・評論文で達成感を
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- 高校
- 「故郷」〜翻訳小説は複数の訳にあたって確認せよ〜
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- 向国TOSSランドレシピ
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- ノート指導の裏技
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- 向山型国語キーワード
- 学力テスト
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- 満員御礼!「向山型国語教え方教室」
- 「8つの国語力」を向山型で授業する
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- 巻頭コラム
- 知的で子どもが熱中する分析批評の授業
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- 巻頭論文
- 今,分析批評の第一歩
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- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第37回)
- 国語の授業を知的に
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- 逆転現象を生む授業の組み立て方
- 「美」で解けば“逆転”する
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- 向山型で教科書教材を授業する
- 「わたしと小鳥とすずと」をPISA型「読解力」に対応させて授業する
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- 五色百人一首のユースウェア
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- 読者のページ
- 「一点突破」による教師修業を「継続」することで「論文審査」の読み方が変わってくる!
- 編集後記
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第39回)
- 若の浦に…(山部赤人)
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巻頭コラム
知的で子どもが熱中する分析批評の授業
●本誌編集長 向山洋一
分析批評による国語の授業は,多くの教師の心をとらえる。
授業が知的であり,子どもを熱中させるからである。
国語の授業は,教材(テキスト)を読むことが基本である。
正しく読む。深く読む。
それはいかなる意味なのか,その意味はいかなる範囲なのかを,教材(テキスト)を使って考えさせるのである。
私は,簡単に「その意味はいかなる範囲なのか」と書いた。
このことを授業している実践例は,極めて少ない。
ごく簡単な例を示そう。1年生の授業である。教材文 春になると花が咲く。
問1 花が咲くのは,いつですか。
問2 春になると何が咲きますか。
これは,「いかなる意味か」を問う発問である。
向山の発問は,これだけではない。次のようにも発問する。
問3 そうか。夏になると花が咲くんだね。(子ども――「ちがう」の大音声)
問4 分かった。春は花が散っちゃうんだよね。
※問4は難しい。両方あるからだ
テキストをきちんと読ませる。「意味」だけではなく,「範囲」も問う。
このような授業でこそ,真の国語の読解力はついていく。
ろくに教材を読まないで,紙芝居づくりなどの「活動」に授業を費やしていては,読む力はつかないのだ。
国語の授業では,もう一つコミュニケーション能力の育成が大切だ。それは,「情報の伝達」ということなのである。
「意味」「範囲」を深くとらえられるからこそ「情報の伝達」の能力もあがり,「討論」もできるのである。
向山学級の「やまなし」の「評論文」「討論の授業テープ」は,そのことを証明している。
文科省が実施した全国学力調査。
A問題では,「知識」「意味」が問われた。
B問題では,「範囲」「情報の伝達」が問われた。
これまで全国で見られた単元学習などの国語授業では,手も足も出なかったと思える。
B問題こそ,PISA型読解力と言われる国際社会が求める学力なのである。
今号では,分析批評入門の基本スキルを特集した。
多くの人が「知的な国語授業」へ足を踏み入れることを期待したい。
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- 明治図書