国語教育 2020年6月号
「しかけ」で子供を動かすペア・グループ学習

B846

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国語教育 2020年6月号「しかけ」で子供を動かすペア・グループ学習

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ジャンル:
国語
刊行:
2020年5月7日
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 130頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「しかけ」で子供を動かすペア・グループ学習
子供を動かす「しかけ」とは
教師のための「仕掛学」入門
「させる」から「したくなる」へ
松村 真宏
対話的な話合いにする国語授業の「しかけ」
3つの原則と5つの「しかけ」を使いこなそう
水戸部 修治
子供が学び合う教室環境づくり・授業デザイン
「こと」「もの」「ひと」の視点で学び合いを活性化させよう
細川 太輔
小学校 この「しかけ」が効く!領域別ペア・グループ学習
低学年/【話すこと・聞くこと】話をつなぎながらよりよく話し合う力を育てる
加納 奈々
低学年/【書くこと】楽しみながら思い出すためのしかけ
西村 恭美
低学年/【読むこと(説明文)】子どもたちを主体的にする3つのしかけ+α
川上 健治
低学年/【読むこと(文学)】「必然性」を鍵に,交流を組織する
三浦 剛
中学年/【話すこと・聞くこと】どの子も主体的に話し合いに参加したくなる指導の工夫
大村 幸子
中学年/【書くこと】「塵も積もれば山となる学び」を目指す
福山 憲市
中学年/【読むこと(説明文)】説明文を書きたく&読みたくなるしかけと言語活動
樋口 綾香
中学年/【読むこと(文学)】一人読みノートで価値ある問いをみつけ,比べ読みで主題読みを深める
志賀 都子
高学年/【話すこと・聞くこと】育てたい力と言語活動の明確化
皆川 美弥子
高学年/【書くこと】しかけないという「しかけ」
原之園 翔吾
高学年/【読むこと(説明文)】目的や必要性を感じさせる交流の工夫
土岐 康峰
高学年/【読むこと(文学)】目指すべき子供の姿を具体化しよう!
橋 誠人
中学校 この「しかけ」が効く!領域別ペア・グループ学習
【話すこと・聞くこと】話合いスキルを高めるための評価基準
熊井 直子
【書くこと】アンケートからチャットまでICTを活用したしかけ
井 太郎
【読むこと(説明文)】筆者のつもりで話し合うことで読みを深める
安江 亮佑
【読むこと(文学)】一人も見捨てない!グループ学習がうまくいく「しかけ」とその工夫
大谷 卓治
【伝統的な言語文化】プチポスターセッションを通して学び合う古典の読み
大橋 里
AIに負けない「読解力」を考える (第3回)
「教科書が読めない」に踊らされる大人たち
渡辺 貴裕
問い×交流が生み出す読みの学習デザイン (第3回)
「おおきなかぶ」(小学1年・東京書籍)
橋本 祐樹
論理的に「考える国語」の授業づくり (第3回)
「思考のズレ」を生む単元を見通した「課題」づくり
白石 範孝
小学1年/登場人物は,何人なのでしょう
藤平 剛士
〜[教材]文学/「おおきなかぶ」(光村図書)〜
小学2年/文しょうのちがいを考えよう
駒形 みゆき
〜[教材]説明文/「サツマイモのそだて方」(東京書籍)〜
小学3年/非現実世界の出入り口は,どこか?
関口 佳美
〜[教材]文学/「まいごのかぎ」(光村図書)〜
小学4年/図や表を使って相手の立場を考える
田島 亮一
〜[教材]説明文/「思いやりのデザイン」〜
小学5年/事例と筆者の考えのつながりから,文章構成をとらえる
横山 健悟
〜[教材]説明文/「言葉の意味が分かること」(光村図書)〜
小学6年/「時間」と時間って,どう違うの?
野中 太一
〜[教材]説明文/「時計の時間と心の時間」(光村図書)〜
主体的・対話的で深い学びを実現する学習課題&発問モデル (第3回)
学び(読み)の過程に即した学習課題・発問の設定
吉川 芳則
中学1年/キキの幸福観から解釈を広げる
前川 裕美
〜6月/読むこと 【教材】「空中ブランコ乗りのキキ」(三省堂)〜
中学2年/「努力は報われるのか」討論しよう
内藤 三和子
〜6月/読むこと,話すこと・聞くこと 【教材】「卒業ホームラン」(東京書籍)〜
中学3年/動作が表す意味にこだわって読む
大西 小百合
〜6月/読むこと 【教材】「百科事典少女」(東京書籍)〜
クラス全員が達成感を味わう! DOI流 国語教室づくり (第3回)
説明文
土居 正博
〜「積み上げ」と「気付き」の説明文指導(前編) 「積み上げ」の指導〜
野口芳宏の国語授業四方山ばなし (第3回)
「二重形象」理論 対 「真直読む」
野口 芳宏
〜民間研修ならではの魅力と楽しみ〜
国語教育の実践情報 (第51回)
小学校/第三〇回東京都小学校国語教育研究大会を開催
菊池 英慈
中学校/「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」の公表
杉本 直美
わが県の国語ソムリエ (第98回)
新潟県
古閑 晶子
編集後記
木山 麻衣子
今月号 掲載教材一覧

編集後記

 皆さんは「しかけ」という言葉を聞いて,どのような印象を持たれるでしょうか。「学びのしかけ」「判断のしかけ」など,これまでも学級や授業づくりの書籍には「しかけ」という言葉が度々登場しています。

 改めて「しかけ(仕掛け・仕懸け)」という言葉の意味を調べてみますと,

・相手にしかけること

・目的のために巧みに工夫されたもの

・物事をし始めて中途であること


などが挙げられています。学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業づくりの側面から「しかけ」を考えると,児童や生徒が資質・能力を身につけるために,先生方が授業で行っている様々な手立ては,その目的のために巧みに工夫された「しかけ」と言えるのではないかと思います。また授業の中でも学習者主体の活動や学習になるほど,教師サイドからのより質の高い(まさに巧みな)「しかけ」が必要になってくるのではないかと考えます。

 国語授業の中で,そのような教師の「しかけ」が活躍する場面は多々ありますが,今回は,「しかけ」によって成否がはっきりとわかるペアやグループでの学習にスポットを当ててみました。ペアやグループ学習での「しかけ」には,学習過程や言語活動といった単元全体のデザインに関することから,発問や板書などの毎時間の授業での働きかけ,また言語活動のツールとも言えるワークシート,さらには教室環境づくりまで,さまざまな側面からのものが考えられます。

 「『交流』で授業を変える!1学期教材のペア&グループ学習」という特集を組んだ,『実践国語研究』の2018年4・5月号のまえがきでは,編者の水戸部修治先生が以下のように述べていらっしゃいます。

 優れた授業に共通にみられる特徴の一つに,子供たちが充実した交流を展開しているという点が挙げられます。とりわけ,何のために,どこに向かって交流するのか,すなわち交流の目的や必要性をはっきりと自覚したやりとりが行われているという共通点が挙げられます。これは裏返せば,子供たちがそうしたことを自覚し,交流を実際に行うための手立てが,教師によって緻密に構築されているからこそ優れた授業が実現していくということをも意味しているでしょう。(略)


 ペアやグループ学習による交流によって共有の資質・能力を身につける,まさに子供の頭も心も動かす「しかけ」について,理論や学年・領域別の事例をご紹介いただければと思い,特集を企画いたしました。


   /木山 麻衣子

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • まだ全て読んでいないため、感想を書くことはできない。ペア・グループ学習についてどのような「しかけ」をしているのか、読むのが楽しみだ。
      2021/4/8未記入
    • 領域別に書かれていたので分かりやすかった。このコロナ禍のなかで、思い通りできない活動も多い。その制限された中でも、このような具体的実践をしれてよかった。
      2020/8/1030代・教諭
    • 仕掛けに対する見方が非常に前向きになり、また実践してみたくなりました。コロナ休校明けの子ども達はなかなか自分からこれをしてもいいのかといった迷いや不安があり、その雰囲気を壊し明るい雰囲気や前向きな学級をつくる手立てとなるものがたくさんでした。
      2020/6/1930代 小学校

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