国語教育 2011年1月号
体系的な漢字指導がなぜ必要か

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国語教育 2011年1月号体系的な漢字指導がなぜ必要か

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ジャンル:
国語
刊行:
2010年12月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
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目次

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特集 体系的な漢字指導がなぜ必要か
提言・体系的な漢字指導がなぜ必要か
漢字は日本語の背骨―音読指導・書写指導で鍛える―
市毛 勝雄
漢字の字種を分類整理―日本語の語彙を正しく豊かにする―
小林 一仁
漢字の学びは、体系的で、身近な体験を通して
吉田 裕久
機会主義的単一的漢字指導からの脱却のために
大西 道雄
論理的思考力をはぐくんでいくために
光野 公司郎
「漢字解禁」が必要だ
長野 藤夫
漢字の基本指導―音読の試み
名文を繰り返し読むことが漢字力向上につながる
神谷 祐子
音読み、訓読みの特長を生かした漢字指導
松崎 力
文章を音読することの意義
岩ア 淳
漢字の基本指導―漢字練習の試み
習得から活用までを段階的に
松木 尚美
漢字のまちがいを教材化する
小川 智勢子
一年生書写教材「びわの実」を通して
河隅 道子
漢字の基本指導―読めているかの検証
学校で練習させ音読させて検証する
深谷 幸恵
コミュニケーションの手段として漢字が読めているか
長谷川 みどり
毎日の繰り返しで「読み」の定着を図る
水谷 美穂子
実践提案―こうして漢字力を育てた―小学校
漢字の見方(字形と部分)をつかむレシピとたくさん正しく書く習慣が身につくレシピ
田中 元康
日常の授業時間で漢字力を保証する
石田 寛明
楽しみながら漢字力を高める―特別支援学級の指導―
岡田 清
漢字は思考と表現で身に付ける
木本 豊子
「つなげる・比べる」楽しい漢字指導
立石 泰之
実践提案―こうして漢字力を育てた―中学校
「日本文化」としての漢字指導
石田 浩一
生きて働く漢字の力を伸ばすために
三藤 敏樹
教室で最も漢字の苦手な生徒に満点を取らせる
長谷川 博之
「漢字嫌い」をなくす指導原理
山田 高広
「誤字」が、教えてくれたこと
山本 純人
「伝え合う力」を育てる教室づくり (第94回)
田上 大輔
「読書に親しむ」授業づくり (第94回)
声に出して読む・友だちや身近な人に伝える
奥 清二郎
書評
『日本語の力を鍛える「古典」の授業』(加藤郁夫著)
阿部 昇
『読解力が飛躍的に向上するブッククラブの実践入門』(有元秀文著)
相澤 秀夫
国語教育人物誌 (第237回)
大阪府
住田 勝
兵庫県
堀江 祐爾
奈良県
植西 浩一
京都府
植山 俊宏
国語教育時評
尊敬、謙譲、丁寧という三分類法による考え方の崩壊
渋谷 孝
楽しい国語授業を創る (第10回)
小学校・中学年の授業づくり
吉永 幸司
論理的思考力・表現力の鍛え方 (第10回)
学校全体で「言語活動の充実」―教科の枠を超える視点―
佐藤 洋一
読書活動の日常化への取り組み (第10回)
「国民読書年」が泣いている
大森 修
「伝統と文化」の授業での扱い方 (第10回)
「伝統的な言語文化に関する事項」の評価の具体化
水戸部 修治
教師の言語能力を高める (第10回)
「攻め」と「受け」と「返し」の言語技術
野口 芳宏
編集後記
江部 満

編集後記

○…本誌臨刊特集「戦後教育観からの脱皮―国語科をどう変えるか」(〇九年五月号)の提言・戦後教育観、国語科授業観の何が課題かの項で、市毛勝雄氏は次のように述べています。「漢字指導・小論文の書き方指導を推進する」と題し「漢字軽視教育」を次のように批判しています。「一九四五(昭和二〇)年八月に日本が太平洋戦争に敗北し、アメリカ等連合国軍が日本を占領した時から、日本語を読みやすくするために漢字を減らし、ひらがな、ローマ字に近づけるという方針がとられた。当用(常用)漢字表・教育漢字表の制定、ローマ字教育等の漢字を減らす活動は世論の支持を受けた。小学校教師が漢字の学習を軽視して『宿題』に任せる『悪習』はこの時代にできあがった」と批判しています。

○…つづいて「戦後教育観」を乗り越える国語教育の「新教育観」としての次の三つを上げています。第一は体系的な漢字指導、第二は小論文を書く指導、第三は小論文の添削・評価。

○…〇九年一月に文化審議会漢字小委員会は「新常用漢字表」の試案を発表し、一九一字増えて二一三一字としました。市毛氏は「戦後教育で『漢字』を邪魔者扱いしたのは誤りであることが、今や明白になった」と評価しています。さらに市毛氏は、国語の文字表現は「漢字かなまじり文」を洗練させることが使命であるとし、音読指導と書写指導の二つを上げています。音読指導は学校教育のどの段階でも最上の指導方法であると強調し、漢字のような複雑な文字を一字一字覚えるのは、小学生時代の書写学習が決め手になると強調しています。本号は、漢字指導の促進を図るための特集を組みました。

(江部 満)

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