- 特集 「教えて考えさせる」授業の提案
- 提言・「教えて考えさせる」授業を見直す
- 「探究」から「習得」「活用」へ
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- 学習者の側からの授業を創出し、生きて働く力を育てる第一次のデザイン
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- 「教えて考えさせる」授業の活性化を促す三つの提案
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- 教えて考えさせて引き出す授業を
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- 教えないから考え始める
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- 教科書を活用し「教えて考えさせる」授業
- 考えさせるために教える内容
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- 教科書を最良の「お手本」として活用する
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- 問題点を明確にして「教えること」を精選する
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- 「教えて考えさせる」低学年展開のコツ
- ことばの広がりを教え作って楽しむ学習
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- 筆者の説明を具体的にイメージ化する
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- 気づかない、ことに気づかせる
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- 「教えて考えさせる」中学年展開のコツ
- 論理的な書き方を教えて書かせる
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- 「ミニ評論文」は、教師の指導の反映である
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- 「教える」と「考えさせる」はツーウェイである
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- 「教えて考えさせる」高学年展開のコツ
- 盛り上がる! 登場人物の定義を教える→討論させる
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- 基本的なことを確認してから考えさせる
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- 褒めること・個別評定することが教えることにつながる
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- 「教えて考えさせる」中学生展開のコツ
- コツを教え、習熟させ、表現させる
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- 批判的思考を視覚化し獲得させる
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- 楽しみながら訓読を学ぶ
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- 授業の中に、学習者が考えてみたくなるようなしかけを作る
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- 「教えて考えさせる」習得の評価
- 漢字を示して読み方を考えさせる
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- 熊本県海浦小の必達目標が習得基準のめざすべき姿である
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第85回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第85回)
- 学校・保護者・地域で取り組む「読み聞かせ」の環境の充実
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- 書評
- 『習得型指導力 全員をできるようにさせる五つの指導力』(水野正司編著)
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- 『子どもの意欲を刺激する河田流国語の真髄』(TOSS/Advance・信藤明秀編著)
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- 国語教育人物誌 (第228回)
- 宮崎県
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- 鹿児島県
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- 熊本県
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- 沖縄県
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- 国語教育時評
- 「生きる力をつける国語科教育」という〈決め台詞〉の無意味
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第145回)
- 音読は子どもを変える 学校を変える そして、学力を向上させる
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- 楽しい国語授業を創る (第1回)
- 楽しい国語授業を創るポイント10
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- 論理的思考力・表現力の鍛え方 (第1回)
- 論理性と国語科授業、何がどう問題なのか
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- 読書活動の日常化への取り組み (第1回)
- 出口戦略が見えない 読書活動推進の戦術
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- 「伝統と文化」の授業での扱い方 (第1回)
- 5/95が国語の授業を変える
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- 教師の言語能力を高める (第1回)
- 身近な事象に「こだわり」の眼を向ける
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- 編集後記
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編集後記
○…新しい学習指導要領が公表されて以来、「教えて考えさせる」論議が高まっています。特に「教師力の低下」を問題とした梶田叡一氏(兵庫教育大学学長)は、「ゆとり教育の時代には、授業をしないで支援に徹しようというスローガンを旧文部省の教科調査官や教育委員会の指導主事が声高に言って廻ったり、また観念的な教育学者の一部もその尻馬に乗るような講演をして廻ったり、そうした原稿を各種雑誌に書いたりもしていた」と皮肉っていました。(『現代教育科学』二〇〇八年度連載から)
○…確かに「ゆとり教育」が推進された一九九〇年代の小学校では、教える、指導、知識などの言葉がタブー視されていたようです。市川伸一氏(東京大学)が指摘されているように、当時、優勢となったフレーズは、「新しい学力観」「指導より支援」「子ども主体」「問題解決学習」「自力解決」というものでした。
○…市川伸一氏は「習得の授業は、教えて考えさせる、を基調にすべきだ」と主張されています。基礎的な知識・技能の「習得」の学習では、「教えて考えさせる」という順序性を原則とした方がわかりやすくてよい、と言うわけです。二〇〇六年七月の中央教育審議会の答申でも次のように述べられています。「教職は人間の心身の発達にかかわる専門的職業であり、その活動は、子どもたちの人格形成に大きな影響を与えるものである。近年、子どもたちの学ぶ意欲の低下や規範意識・自律心の低下、社会性の不足、いじめや不登校等の深刻な状況など、学校教育における課題は、一層複雑・多様化するとともに、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)や高機能自閉症等の子どもへの適切な支援といった新たな課題も生じてきている。このような状況の中で、学校教育に対する国民の期待に応え、信頼される学校づくりを進めていくためには、何よりも教員自身が自信と誇りを持って教育活動に当たることが重要である。」と。
○…本号では、四月の新学期にあたり、改めて「教える」ことの復権とその意義を実践的に考えてみたいと特集を組みました。
(江部 満)
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- 明治図書