国語教育 2008年1月号
全員参加をめざす授業の工夫

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国語教育 2008年1月号全員参加をめざす授業の工夫

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ジャンル:
国語
刊行:
2007年12月5日
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
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目次

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特集 全員参加をめざす授業の工夫
提言・全員参加をめざす授業の工夫
授業は教師が組織する
野口 芳宏
「学力」像の転換から「全員参加」を問い直す
深澤 広明
全員参加の職員室にて
難波 博孝
「全員・参加」を考えているか
大森 修
理想を求めつつ現実を見つめつつ
岩崎 淳
全員参加をめざす授業の問題点
「語す・聞く」授業で工夫したいこと
吉永 幸司
「読む」授業で工夫したいこと
鶴田 清司
「書く」授業で工夫したいこと
大西 道雄
全員参加をめざす「読む」授業づくりの工夫
小学校/「発信型の授業」で全員参加をめざす
石田 寛明
小学校/全員参加の授業のための五つの方略
松野 孝雄
小学校/全員を授業に巻き込む技を身につけよう
平松 孝治郎
中学校/「少年の日の思い出」(ヘッセ)を読む
笠井 正信
中学校/自分の考えや経験と比較して読む
植田 恭子
中学校/生徒の疑問を核に発問を組み立てる
伊藤 和子
全員参加をめざす「語す・聞く」授業づくりの工夫
小学校/「グループインタビュー」で学級全員が参加する授業をつくる
中村 和弘
小学校/インタビューで委員会の情報を集めよう
小山 惠美子
小学校/全員に出番があればがんばれる
井関 和代
中学校/全員が意見文を分析し、発表する
村上 正子
中学校/全員が「語す・聞く」技能を習熟する授業
佐藤 佐敏
中学校/教材開発と評価の工夫で全員が主体的に参加する授業を
田川 学
「集団のカ」を育て全員参加をめざす
国語の学力を保障する「集団の力」と「全員参加」
阿部 昇
先頭集団の事実を周りに広げていく
小野 隆行
四十人全員が自己表現に躊躇しない集団を
二瓶 弘行
集団学習の魅力を体感させる
西田 拓郎
「伝え合う力」を育てる教室づくり (第58回)
片山 君枝
「読書に親しむ」授業づくり (第58回)
自ら本に手を伸ばす子どもを育てる
榎並 茂
書評
『一年生のやる気を引き出すプロの技4 集団になじめない子』(山田一編)
山下 政俊
『授業で「集団を動かす」技術の開発中学校』(長野藤夫ほか著)
齋藤 勉
国語教育人物誌 (第202回)
福岡県
陣川 桂三
佐賀県
浮田 真弓
長崎県
鈴木 慶子
大分県
堀 泰樹
国語教育時評
往生際の悪い「文節」教材の末路
渋谷 孝
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第118回)
基礎・基本を徹底し指導力を高める校内研究の確立
瀬川 榮志
検定外・日本言語技術教科書の実践と考察 (第22回)
「わたしの家族」で論説を書く
市毛 勝雄
読解力向上のための実践提案 (第10回)
心情を検討させる技法
岩下 修
読書意欲を高める多読のすすめ (第10回)
主体的に表現しようとする心が創意工夫を促す
増田 信一
国際的なコミュニケーションをどう取り入れるか (第10回)
どうしたら自分の意見が言える子どもを育てられるか?
有元 秀文
これからの国語科教育 (第10回)
「国語力の育成」重視―中教審の検討の推移8―
田中 孝一
編集後記
江部 満

編集後記

〇…03年7月号で「全員参加を保障する授業技術の開発」を特集したことがあります。共同的な学びを実現する上では、全員参加ということが大きな意味を持ってくると主張されている鶴田清司氏(都留文科大)は、この特集論文の中で「全員参加の原則四カ条」を上げています。

(1)さまざまな反応をとらえる。(一部の子どもの反応だけで授業を進めない)

(2)空白の時間を作らない。(作業の早い子どもには別の課題を与える)

(3)待つ。(沈黙の時間を重視する)

(4)教室全体を見る。(机間巡視を生かす)

〇…現場から岩ア淳氏(学習院中等科)もいわれるように、全員が授業に参加していることは、あたりまえのことのようですが実際にはなかなか難しく授業の工夫が求められています。

〇…ひとつには「よい授業というイメージ」が質の高い内容を習得するということに置き換えられることが多い、という吉永幸司氏(京都女子大)の指摘があります。一例として「読むことの授業では、授業の主導権を教師が握っている。問いと答えが交互に行われ、教師の思惑通りに進行する授業がよいと評価されてきた。」として、その前提になるのは「教師がよいと判断したものは子どももそう思っているという考え方がある」と批判されていました。

〇…「よい考え」というのは、教師がコメントとして添えるのではなく、子ども一人一人が自らの考えと比べて判断することだと、手厳しい指摘もしています。さらに「普通の考えが大切にされる教室でなければ全員参加の授業との距離は離れていくばかりだ」とも付け加えていました。

〇…教材研究や発問だけでは、全員参加を保障する授業をすることは不可能だ、子どもにどのような活動をさせ、その作業をどう確認するか、という「授業を制御する力」を身につけたいとする松野孝雄氏(小・教師)の提言も無視できないようです。

(江部 満)

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