現代教育科学 2006年12月号
「学校再生」当面する課題を読み解く

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現代教育科学 2006年12月号「学校再生」当面する課題を読み解く

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2006年11月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「学校再生」当面する課題を読み解く
提言・「公教育」が担う役割は何か
すべての子どもを最低限「ある状態」にする
岡本 薫
教育改革は文部科学省には任せられない
八木 秀次
学校の自律性と公共性
高橋 勝
競い合う教育で学校再生は図れない
天野 正輝
心身ともに健康な「国民」の育成
野口 芳宏
「地方分権化」で学校は再生するか
「教育の地方分権」は手段であって目的ではない
勝方 信一
結局は、校長の腕次第
吉川 廣二
格差のない教育現場を!
山田 一
「教育委員会」制度が当面している課題とは
左右される「意思決定」
長南 博昭
教育委員会競争化時代に対応するために
横田 経一郎
「地域の教育力」は機能しているか
「教育コミュニティ」の追求が鍵
長尾 彰夫
悪石島には古きよき日本の集落の文化(地域の教育力)が機能している
坂元 弘平
子どもTOSSデーが「地域の教育力」をアップさせる
勇 眞
「構造改革特区」は学校を変えるか
誤解された「公設民営学校」構想
加藤 幸次
心して取り組めば、改革の可能性は極めて高い
甲本 卓司
株式会社・NPOによる学校経営の問題点
営利本位の経営とならないか
菱村 幸彦
教育の質はどう維持されるか
北 俊夫
開かれた学校と安全管理の問題点
学校のウチは開かれているか
葉養 正明
「相反する二つのこと」を同時に成し遂げる
戸田 正敏
内申書や指導要録の開示問題
教育評価論からみた開示問題
田中 耕治
「評価」の形骸化を防ぐために
駒井 隆治
「学校再生」に向け校長は訴える
特性を生かす
秋田 健一
「学校再生」は「家庭再生」
庭野 三省
教師力が学校再生のカギ
舘野 健三
「学校再生」に向け教師は訴える
教育委員会の責任は重大だ!
椿原 正和
「人材」に尽きる
長野 藤夫
資質を伸ばそうとする教師を妨げる存在
高橋 正和
戦後の授業研究の歴史 (第9回)
液状化した教師と子どもとの非対称関係
山下 政俊
親と教師の信頼関係づくり (第9回)
「連携」という美名から「連携」の実像へ
大森 修
理科は感動だ! (第9回)
教師の理科離れ?
小森 栄治
法人化国立大学の苦悩―学部長奮戦記 (第9回)
全国初の教育委員会と大学の合同授業研究会
明石 要一
TOSS授業技量検定の成果 (第9回)
授業をテープにとり、記録し、要らない言葉を削除する
向山 洋一
教育課程の見直しに参加して―中教審委員の一人として (第9回)
教育課程部会における事務方の役割
安彦 忠彦
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

◯…中教審の答申「新しい時代の義務教育を創造する」(平成十七年十月二十六日)が波紋を投げています。答申は新しい時代の義務教育の姿として次のように提言しています。「子どもたちがよく学びよく遊び、心身ともに健やかに育つことを目指し、高い資質能力を備えた教師が自信を持って指導に当たり、そして、保護者や地域も加わって、学校が生き生きと活力ある活動を展開する」ような学校とし、そのような学校を創造するには、学校の教育力、すなわち「学校力」と「教師力」を強化し、それを通じて「人間力」を豊かに育てることが改革の目標、としています。

◯…そこで問題になるのは、「学校力」や「教師力」とは具体的に何を意味しているのか、ということです。答申では「指導力不足などの問題のある教師が教壇に立つことがないようにし、優れた教師を称え、信頼され尊敬される教師が指導に当たる学校にならなければならない」と述べており、さらに「これからの学校は、保護者や地域住民の意向を十分反映する、信頼される学校にならなければならない」と強調しています。

◯…現在の教育改革は「教育の市場化」をめざしており、歴史的にみて第一の明治の教育改革、第二の占領下の教育改革と比べてわかりづらいという分析があります。例えば公立学校の株式会社等への民間委託や民営化、あるいは構造改革特区化など。さらに文科省のいう「ゆとり教育」にみられる教育ロマン主義への批判。例えば「学力低下論争」は「生きる力」という新しい学力論(思考力、創造力、意欲・関心・態度)に対し、「確かな学力」(知識、理解、技能)を掲げ、いわば「古い学力」への復帰を求めた論争であったとする意見もあります。本号は「学校再生」をめぐる当面の問題点を解明したいとする特集です。

〈江部 満〉

◯…「救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)」の幹部たちは、経済制裁の全面実施だけでなく、北朝鮮の金正日体制そのものの打倒が必要だとまで主張している。そのためには、北朝鮮の核開発の動きに対抗して日本の自衛隊の核武装が必要と、「救う会」佐藤会長は主張した。同会副会長島田洋一氏は、「正義を実現できるだけの力を持った国家の確立を目指す日本の保守革命」のためと説明している。ここでいう「正義」とは核武装による周辺諸国の威圧に他ならない。

引用は、高嶋教科書訴訟(05年最高裁で高嶋教授の全面敗訴が確定)で有名な琉球大の高嶋伸欣教授が、歴教協の機関誌に書かれたものです。どっちの国のことよ…もさることながら、同論文にはこんなくだりも。

「日本からの援助があれば体力低下もなく病死しないですんだはずの乳児や妊産婦の総計は、何千人、何万人あるいはそれ以上かも知れないと想像するだけで、日本人ながら気が重くなる。」

ノドンで日本の子どもが死ぬよりも恐ろしいという感じですが、それはともかく、日本からの援助がないと自国民を死なせるような為政者だと書きたてている結果には笑ってしまいました。

〈樋口雅子〉

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