きょういくじん会議
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入学前に、しっかり準備を―小1プロブレムへの取り組み
kyoikujin
2009/4/5 掲載
QP共和国 ピカピカの1年生キューピー ストラップ(みよちゃん)キューピー

 4月に入り、もうすぐ約110万人の新1年生が小学校に入学します。期待の半面、ちゃんと学校生活に馴染めるのか不安に思っている保護者の方も多いのではないでしょうか?
 3月26日の読売新聞の記事によると、東京都品川区教育委員会では、増加する小1プロブレムに対応するため、幼稚園・保育園と小学校1年生の一貫教育のカリキュラムをつくることが決定したそうです。

深刻化する小1プロブレム

 小1プロブレムは、小学校に入学した子どもたちがうまく学校生活に適応できず、「席にじっと座っていることができない」、「落ち着いて話を聞けない」、「授業中でも勝手な行動をとる」などで授業が成り立たない、という現象です。従来は1か月程度で収まるとされてきましたが、近年この状況が継続するようになり、就学前の幼児教育が注目され始めています。
 小1プロブレムが増加してきた原因としては、少子化による集団で学ぶ機会の減少、経済の悪化による保護者の共働きの増加とそれに伴うしつけ不足などが指摘されています。また、以前からあまり変化のない小学校教育に比べて、幼稚園などで行われる就学前教育が「自由遊びを通じて幼児期に必要な総合的な指導を行う」ように大きく変化してきたことも要因の一つだと考えられています。

全国に広がる取り組み

 このような状況を受けて、いま全国で幼稚園・保育園と小学校との交流が盛んに行われています。先生同士の情報交換会や授業参観だけでなく、園児と児童の交流会、お互いの運動会への参加など、地域や学校によって特色のある活動が行われているところもあるようです。
 実際に小学生と交流する中で小学校のことを知り、以前より緊張せずに入学する子どもが増えてきた、という成果もみられるようです。小学校の先生にとっても、幼稚園の様子をみることによって小学校との生活の違いを感じることができ、よりスムーズな学校生活への適応を心がけることができるのかもしれませんね。
 子どもがなるべく早く小学校の生活に慣れ、いきいきと活動できるような取り組みがこれからも増えていくことを期待したいと思います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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