きょういくじん会議
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学校の資金調達にホームページ活用の試み(米国)
kyoikujin
2009/4/3 掲載
新学習指導要領に対応した学校予算のつくり方

 新年度を迎え、新しく決まった予算で、今年は何を調達しようか…と悩んでいる先生方も多いのではないでしょうか。
 理想の教育環境の実現に近づくためにも、限られた予算を少しでも補足しようと、米国の学校では、資金調達のための催しや募金キャンペーンが活発に行われていますが、その調達方法も時代とともに変化しているようです。

 学校などで行われる資金調達のためのイベントとして定番なのは、手づくりクッキーの販売です。親子で一緒につくったクッキーを、スーパーの前などで売っている姿を見かけることも。しかし、最近では保護者への負担などから、少しずつ協力の手が薄くなってきていることもあり、調達方法に工夫が求められているようです。

 3月13日のThe Washington Postによると、バージニア州にある高校のホームページには、ある銀行の小さなロゴマークが掲載されており、その銀行のアカウントをもっていれば学校の財政状況を見ることができるというサービスを始めました。実は、この銀行のロゴの掲載には広告費が発生。それが学校資金の財源の一部になる、というものです。昨年の10月からいくつかの企業の広告を掲載し、その収入は5万ドル(約500万円)にもなっているそうです。

 これまでにも米国では、資金調達のため、スクールバスにコマーシャルばかりのラジオ番組を流す学校や、削減された教材・教具費用を補うためにテストの余白を広告スペースとして売りに出してしまう教師など、保護者や同僚からの反対を受けてしまうような奮闘劇がたびたび登場し、話題となっていました。

 厳しい経済状況の中、最近日本でも、スタジアムなどとならび、渋谷の公衆トイレにまで企業の名前をつける権利を売るという試みが話題を呼びましたよね。同じようにバージニア州では、学校の校舎や施設の建物にスポンサー企業の名前をつける特権を売る試みなどもされましたが、まだ買い手は挙がっていないようです。

 上記のような方法にくらべると、格段に効果的と思われる学校ホームページへの広告掲載。このように商業的な要素を含む資金の入手方法に対しては、理想の学習環境の実現に結びつくのならと歓迎する声もある一方、学校としてふさわしいのはどんなことまでかという判断基準がはっきりしておらず、不安の声があり躊躇される傾向にあるようです。今後、新たな学校ホームページの活用方法として、広がってゆくのでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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