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4月16日の日本経済新聞付属紙に、「体動かす音楽授業」という記事が出ていた。筑波大学附属小学校の音楽の授業で、手拍子をしながらロシア民謡「カリンカ」のリズムを体感する活動が紹介されている。
♪音楽が先?動きが先?♪
音楽の授業で「体を動かす」というのは、この4月から全面実施となった新学習指導要領に記載されている内容だ。
「音楽との一体感を味わい、想像力を働かせて音楽とかかわることができるよう、指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れること。」
一口に「体を動かす」といわれても、なんとなく分かるようで、授業に結びつけるのはなかなか難しい。体を動かしながら音楽に乗ればいいの? 音楽に合わせて踊ればいいの? などをイメージするだろうか。しかし記事には、「ダンスとは違い、踊ることが目的ではない」とある。つまり、体を動かす活動のBGMとして音楽を流すのではなく、音楽を理解するための一つの手段として「体を動かす」活動が用いられるのだ。
♪リトミックへの注目度がアップ♪
そこで近頃注目されているのが「リトミック」を取り入れた活動。国立音楽大学の井上恵理先生は、この記事の中で「リトミックのセミナーに参加する先生の数が最近とても増えてきている」と言っている。
実は「体を動かす音楽授業」の具体的なアイデアとして、リトミックと音楽授業をコラボした授業モデル集を目下企画中。ちょうど先日、井上先生の授業を見てきたので、その一つを一足先にご紹介しよう。
活動はいたって簡単。音楽を聴きながら、強拍と感じるところでボールをつくのだ。行進曲など2拍子なら「強弱 強弱……」と交互に、ワルツのような3拍子なら「強弱弱 強弱弱……」と3つおきにボールをつく。たったこれだけのことだが、子どもたちは強拍を見つけようと全身で音楽を感じるようになる。
単に楽譜を見ながら音楽を聴いて、耳と頭だけで強弱を理解するのではなく、ボールをつくという体を動かす行為に結びつけるだけで、体全身で音楽を感じるようになる。
具体的な活動をきくと、「体を動かす音楽授業」のイメージが、グーンと鮮明になってきたかもしれない。他にも、魅力的な活動がたくさんあるので、ぜひ今後、みなさんに紹介したいと考えている。