教育ニュース
文科省の報道発表から研究会参加ルポまで、知っておきたい色々なジャンルの教育情報&ニュースが読めます。
受講者も講習内容を評価―教員免許更新講習
kyoikujin
2007/8/17 掲載
  • 教育ニュース
  • 教職課程・教員研修

 12日の朝日新聞の記事によると、文部科学省は教員免許更新講習について、受講した教員らも大学の講習内容を評価し、その結果を公表するいわゆる「双方向評価」とする方針を固めたとのこと。9、10日東京で、大学や都道府県教育委員会の担当者を対象に説明会を開き、この方針を説明したようだ。

 文部科学省は、2009年4月から義務づけられることになった更新講習の具体的な制度作りを急いでいる。この更新講習については、教員免許法の国会審議の段階から、講習を受けるだけでは資質の保持・能力の向上は期待できないなど、その効果に懸念を抱く声が多くあった。
 今回の方針は、このような声に応え、講習の透明性を高め、質を確保することを狙いとしているようだ。
 
 一方、更新講習については、講習の主な担い手となる教職課程認定大学も課題を抱えている。大学改革が進む中、財政難・人材難にあえぐ大学が少なくないのが現状で、更新講習の開設が新たな負担になるとして難色を示す大学も多いという。
 今回の説明会は、このような大学に更新講習のもつ社会的意義、また大学に与える効果について理解を得る狙いもあった。 

 更新講習のカリキュラムは中央教育審議会で検討されることになるが、実際の運用は大学側が行うことになる。受講者の事後評価を公表し、講習を行う大学間で透明な競争が促進されることは質の確保に有効であろう。一方で、講習を行う大学側が効果的な講習を持続的に運営できるよう、文部科学省がどのようなフォローを行っていくか、今後の課題が改めて浮き彫りになったようだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。