絶対評価への挑戦1
一時間一目標の国語科授業を創る
指導と評価の一体化をめざして

絶対評価への挑戦1一時間一目標の国語科授業を創る指導と評価の一体化をめざして

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基礎・基本を確かに身に付けさせるための授業法

一時間一目標に絞って授業を展開するという着想は国語学力の基礎・基本を確かに身に付けさせたいという著者の強い願いに基づく。絶対評価時代の国語科授業改革論の第一歩。


復刊時予価: 2,926円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-905613-8
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 212頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
序章 国語科授業の今日的な課題
― 一人ひとりを生かす指導と評価 ―
第T章 指導と評価の一体化をめざした一時間一目標の国語学習
一 指導と評価の一体化がなぜ必要なのか
1 学ぶ意欲を喚起し、持続させる指導と評価を
2 国語学習の改善を図る指導と評価を
二 指導と評価の一体化をどのように図るのか
1 常に学習目標に対応した指導と評価を
2 評価規準に焦点化した指導と評価を
3 学習活動に対応した指導と評価を
4 学習の成果を生かした指導と評価を
5 自己評価と相互評価とを生かした指導と評価を
第U章 国語科授業における評価の考え方と評価規準の作成
一 国語科の評価の考え方と観点別学習状況の評価規準
1 評価の考え方とその方法
2 観点別学習状況の記入までの手順と方法
3 評定の方法
4 評価規準を生かした学習指導を
二 国語科の絶対評価の規準作成の原則
1 教科目標に準拠して作成する――〈原則1〉
2 学年目標に準拠して作成する――〈原則2〉
3 単元等の目標に準拠して作成する――〈原則3〉
4 学習活動に即して作成する――〈原則4〉
第V章 「話すこと・聞くこと」の絶対評価規準と評価事例
一 「話すこと・聞くこと」の絶対評価の規準
1 教科目標に準拠した絶対評価の規準
2 学年目標に準拠した絶対評価の規準
3 内容(指導事項)に準拠した絶対評価の規準
二 「話すこと・聞くこと」の絶対評価の事例
1 第一学年の事例―スピーチ―
2 第二学年の事例―ディベート―
3 第三学年の事例―パネルディスカッション―
4 学習指導案と生徒用ワークシートの実際
第W章 一時間一目標のための絶対評価問題づくり
一 絶対評価の問題づくりがなぜ必要なのか
1 指導と評価の一体化をめざした問題づくりの方向
2 これまでの問題づくりの傾向
3 これからの問題づくりの方向
二 絶対評価の問題をどのようにつくるのか
1 観点別評価を考えた問題づくり
2 問題づくりの手順とその活用法
第X章 新世紀の国語科授業の改革をめざして
一 ことばとこころと伝え合う力を育てる
1 評価意識をもって書く
2 ことばとこころとは切り離せない
3 生きたことばのはたらきを考えさせる
4 伝え合う力をどう高めていくか
二 ことばで伝え合う力は生きる力を育てる
1 最後の授業に挑戦する
2 なぜ抽象語句の定義か
3 学習の目標・計画・方法をどう考えたか
4 どんな語句が選ばれたか
5 語句をどのように定義したか
6 この授業をどう評価するか
三 話し合う力はともに生きる力を育てる
1 人はなぜ話し合うのか
2 ディベカッションに挑戦する中学生
四 書くことは考える力を育てる
1 人はなぜ書くか、という語りかけを
2 書くことで知識・認識の変革を
3 課題を発見し解決を図る学習活動を
五 比べて読むことは感性と知性とを育てる
1 無心に読みひたることは楽しいことだ
2 「恋の詩百年」を比較して読む
六 「元気がでることば」で対話能力を育てる
1 共感し、支持し合うことばを
2 「元気がでることば」の授業
3 授業の考察と対話能力
七 「伝え合う力」を評価するために
1 教師の努力が報われる評価システムを
2 伝わらないという体験から「国語」を学ぶ
3 絶対評価と観点別評価の問題の所在
八 「話すこと・聞くこと」の評価規準づくりのために
1 評価に関する問題意識の格差
2 評価規準、評価方法等の研究開発(最終報告)の確認
3 「討論ゲーム」の評価規準と評価方法の設定手順
九 「討論ゲーム」の評価規準づくりの手順と実際
1 ことばは生きる宝だ
2 「討論ゲーム」の評価規準と評価方法の設定手順
一○ 絶対評価の問題づくりはどこまで可能か
1 ペーパーテストの限界と可能性
2 問題づくりの五原則
3 問題作成の意図や出題のねらいの明確化
4 観点別学習状況の評価の観点と規準の明確化
5 評価の観点と規準に照らした評価規準の明確化
6 資質や能力を多面的に把握できる問題の工夫化
7 結果と評価に対する責任の明確化
一一 「指導と評価の一体化」をめざした授業をつくるために
1 平成一四年夏の研修の成果と課題は何か
2 学ぶ意欲を喚起し持続させる指導と評価を
3 国語学習の改善を図る指導と評価を
4 常に学習目標に対応した指導と評価を
5 評価規準に焦点化した指導と評価を
6 学習活動に対応した指導と評価を
7 学習成果を生かした指導と評価を
8 自己評価と相互評価とを生かした指導と評価を
一二 現場教師よ、求道すでに道である、自覚的授業を
1 現場教師よ、一人で悩むな、仲間と語れ
2 現場教師よ、常に未知の授業に挑戦しよう
3 現場教師よ、求道すでに道である、自覚的授業を
あとがきにかえて
一 「指導と評価」の結果の根拠を説明できるか
1 絶対評価の規準を生徒にも示して授業を
2 評価の観点と基準(尺度)を示して問題づくりを
二 今、現場教師に求められる国語力とは何か
1 国語科教師はことばの教師である
2 近未来を語るには歴史から学ぶことだ
3 的確にことばで伝え合う力を高めることだ
4 ことばによる相互交流能力を深めることだ――よりよい話し手・聞き手となろう
5 書くことは考える力を深めることだ――よりよい書き手となろう
6 読むことは認識力を深めることだ――よりよい読み手となろう

まえがき

 二○○二(平成一四)年四月から、新学習指導要領による教育実践が全国の小学校・中学校で展開されている。そして、次のような問題が教育界内外で論争として繰り返されている。

 ・学校完全週五日制による土曜日の児童生徒の動向と学校や地域社会の支援のあり方に関する問題

 ・教育内容の三割削減による学力低下に関する問題

 ・総合的な学習の時間や体験学習などに関する問題

 ・基礎・基本の学習や発展的学習などに関する問題

 ・指導要録の改訂に伴う観点別学習状況の評価や絶対評価による評定に関する問題 等々

 右に挙げた問題はほんの一例に過ぎない。学校選択制の導入による問題や国公立と私立の学校格差の問題、私立高校推薦入学のための共通テスト導入の問題、不登校や暴力事件などの生徒指導に関する問題等々、新世紀始まりのわが国の教育界には問題が山積している。

 このような時代の風潮を受けながらも、「国語科授業」は毎日毎時間行われている。児童生徒一人ひとりの国語学力を身につけようと担当の国語教師は真剣に、誠実に授業に取り組み、汗を流している。「この一時間の授業をどうするか」。これが多くの現場教師の問題意識の中心をなしていることを私は承知している。一方、「国語科授業」のあり方についても教育界内外から批判の声が後を断たない。「文学的文章の読解指導に偏るな」「素読や暗唱や声に出す読み方を復活させよ」「漢字を繰り返し覚えさせよ」等々である。また、「言語技術をしっかり身につけさせよ」「あまりにも実学的なことばかり教えるな」「もっと考える力を養え」「論理的に表現する力が欠けている」「もっと国語の授業時間数を増やせ」等々である。

 右のような意見や批判は教育現場としても謙虚に耳を傾ける度量は必要である。だが、問題は、「では、いったい国語科授業を具体的にどうすればよいのか」、という一点にある。多くの国語教師は、その一点で苦悩し、苦心し、一喜一憂しているのである。私も、かつてそうであったし、現在でも「国語科授業」のあり方について、試行錯誤を繰り返している。

 基礎・基本の国語学力をどのようにして身につけるのか、観点別学習状況を基本とした絶対評価と指導とをどのように一体化していけばよいのか、そして、生徒自身が「国語はおもしろい、楽しい、やる気がでる」と喜ぶような授業をどのように仕組んでいけばよいのか、「国語科授業」の難しさは、昔も今も変わらない。国語教師にとっては、難しいから楽しいということもできる。難しいから挑戦したいという意欲もでてくる。これは、不思議なことともいえる。

 一時間一目標に絞って授業を展開する、という着想に至ったのは、こうした時代の状況の下、もっと明確にして国語学力の基礎・基本を身につけたい、生徒も教師も目標やねらいを明らかにして学び合い、言語活動を活発にしたい、そうした「国語科授業」を創りたいと願ったからである。同時に、時代の要請でもある「指導と評価の一体化」を図った授業を工夫改善したいと願ったからである。書名を『一時間一目標の国語科授業を創る―指導と評価の一体化をめざして―』としたのは、そうした私の思いからである。

 本書の第T章は、書き下ろしである。序章を含め他の章は、この数年、雑誌に連載したり、単行本に書いたり、研究会等で話したりした内容を、本書のために一部加筆修正して再構成したものである。内容の重複も一部見られるが、発表当時の私の考えを生かすために、また、本書でも強調したいためにあえて削除しなかった。

 絶対評価時代を迎え「国語科授業」もその発想の転換が求められている。基礎・基本の国語学力を確実に身につけさせる授業、目標と評価規準の明確化や指導と評価の一体化を図った授業、学習意欲の喚起と持続の方法、絶対評価を考えたテスト問題づくり等々である。本書が、そのような課題の解決に少しでもお役に立てれば嬉しいことである。また、本書をお読みいただいた読者のあなたの批判とともに絶対評価時代の「国語科授業」を「共創」することができれば私は幸せである。

 本書が成るに当たっては、明治図書の江部満編集長にお世話になった。執筆の依頼を受けて二年余が過ぎたにもかかわらず、寛容の心で待ち続けていただいた。また、偶然とはいえ私のお茶の水時代の教育実習生であった鈴木徳子氏が本書の編集と校正を担当してくれた。不思議なご縁をお二人に感謝しつつ……。


  二○○三(平成一五)年一月一日

   新春の陽光を浴びる朝に 著者 /花田 修一

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      明治図書
    •  花田先生の『絶対評価への挑戦  1 一時間一目標の国語』では,大きく次の2つを学ぶことができました。1つ目は「言語活動と評価規準」の関係です。2つ目は「指導と評価」の関係です。
       いずれも現行の国語科に即して分かりやすく書かれていました。国語科を考える必読の書だと思います。
       目標を絞り,そこへ到達させるというお考えに賛同します。貴重な御教示に感謝します。
      2003/7/25柳谷直明

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