新授業づくり選書5
中学校国語科の新絶対評価問題

新授業づくり選書5中学校国語科の新絶対評価問題

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絶対評価への転換は評価基準に基づく評価問題の作成を求めている。本書は中学校国語科での評価問題づくりの方法と問題例を網羅した今目を通しておきたい喫緊の一冊。


復刊時予価: 2,211円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-627001-5
ジャンル:
国語
刊行:
3刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1章 絶対評価の問題づくりの必要性
§1 絶対評価の問題づくりがなぜ必要か
1 これまでの問題づくりの傾向
2 これからの問題づくりの方向
§2 絶対評価の問題をどうつくるか
1 観点別評価を考えた問題づくり
2 問題づくりの手順とその活用法
2章 「話すこと・聞くこと」の絶対評価問題
§1 スピーチ系列の絶対評価問題
1 自己紹介の絶対評価問題(第1学年)
2 意見発表の絶対評価問題(第2学年)
3 学校案内の絶対評価問題(第3学年)
§2 話し合い系列の絶対評価問題
1 インタビュー(対話)の絶対評価問題(第1学年)
2 ディベート(討論)の絶対評価問題(第2学年)
3 パネルディスカッション(討論)の絶対評価問題(第3学年)
3章 「書くこと」の絶対評価問題
§1 情報伝達系列の絶対評価問題
1 家までの道順(説明)の絶対評価問題(第1学年)
2 文化祭への招待状(手紙)の絶対評価問題(第2学年)
3 わが町の伝統文化(レポート)の絶対評価問題(第3学年)
§2 感想意見系列の絶対評価問題
1 わたしの学級改造(感想)の絶対評価問題(第1学年)
2 生徒会を活発に(提案)の絶対評価問題(第2学年)
3 より住みやすい環境を(意見)の絶対評価問題(第3学年)
4章 「読むこと」の絶対評価問題
§1 随想・随筆系列の絶対評価問題
1 「雪やこんこ,あられやこんこ」の絶対評価問題(第1学年)
2 「想う」の絶対評価問題(第2学年)
3 「ことばが輝くとき」の絶対評価問題(第3学年)
§2 詩歌系列の絶対評価問題
1 「明日」の絶対評価問題(第1学年)
2 「短歌・俳句」の絶対評価問題(第2学年)
3 「初恋」の絶対評価問題(第3学年)
§3 物語・小説系列の絶対評価問題
1 「トロッコ」の絶対評価問題(第1学年)
2 「走れメロス」の絶対評価問題(第2学年)
3 「故郷」の絶対評価問題(第3学年)
§4 説明・論説系列の絶対評価問題
1 「動物の睡眠と暮らし」の絶対評価問題(第1学年)
2 「ホタルの里づくり」の絶対評価問題(第2学年)
3 「宇宙を見渡す目」の絶対評価問題(第3学年)
§5 古典系列の絶対評価問題
1 「竹取物語」の絶対評価問題(第1学年)
2 「徒然草」の絶対評価問題(第2学年)
3 「奥の細道」の絶対評価問題(第3学年)
4 「故事成語」の絶対評価問題(第1学年)
5 「漢詩・漢文」の絶対評価問題(第2学年)
6 「古典和歌」(万葉・古今・新古今)の絶対評価問題(第3学年)

まえがき

 平成14年4月から,新教育課程による実践が全国的に全面実施されている。中学校国語科においても,「伝え合う力」を高めるというキーワードを中心に,「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域と「言語事項」の新しい学習が展開され始めたところである。価値ある言語活動を経験させることによって言語能力を確実に身に付けるという国語科の基本的な考え方は不変の原理である。言語の教育を重視するという考え方は,生徒一人一人に生きて働くことばの力を確実に身に付けるという学習を展開することにほかならない。

 ところで,新教育課程の全面実施に伴い,生徒指導要録も改訂され,各教科の評価も絶対評価を中心に新しくなったことはご承知のとおりである。参考までに,今回の評価に関するキーワードを整理すると次のようになる。


○ 観点別学習状況の評価方法

○ 個人内評価(生徒のよい点や可能性,進歩の状況などの評価)の工夫

○ 指導と評価の一体化

○ 生徒や保護者に対する学習評価の説明責任と共有

○ 分析的な評価や記述的な評価の工夫

○ 信頼性や客観性のある評価規準や評価基準の作成と評価方法

○ 絶対評価(目標に準処した評価)の重視

○ 形成的評価(学習指導の過程における評価)の工夫

○ 学習や指導の改善に生かす評価のあり方

○ 相対評価(集団に準拠した評価)の目的に応じた生かし方

○ 自己評価や相互評価などの生かし方

○ 観点別学習状況の評価(分析的評価)から評定(総括的評価)への活用法 等々


 上記の課題は,学校ごとに創意工夫を凝らして実践していくことが期待されている。中学校国語科においても,学校の方針や校内外の研究や研修,国語科内での話し合いなどによってより確かな評価のあり方を検討し,実践し,反省し,創造していかなければならない。

 本書は,上記の課題意識の下,次のような趣旨で作成し,編集したものである。


1 日常の学習における観察,ノート,ワークシート,質疑応答における発言,発表,作品などの評価の総合を50パーセントと考える。

2 単元テスト,中間テスト,期末テストなどの評価の総合を50パーセントと考える。

3 したがって,上記「1」と「2」とを合わせて100パーセントと考え,学期や学年の評定とする。


 この趣旨に沿って,本書は,上記「2」の「単元テスト,中間テスト,期末テストなど」の問題づくりの参考となるような「新絶対評価問題」のモデル案を掲載している。実際の問題づくりに当たっては,次のような手順や構成で作成するように各執筆者に対して編者から依頼した。

(1) 問題作成の意図(なぜ,このような問題を作成したのか)

(2) 観点別評価問題のねらい

1.「国語への関心・意欲・態度」を評価するための問題とねらい

2.「話す・聞く能力」「書く能力」「読む能力」(各領域ごとの能力)を評価するための問題とねらい

3.「言語についての知識・理解・技能」を評価するための問題とねらい

(3) 評価問題の実際

((2)の1,2,3を考えた問題を具体的に作成する。その際,問題にねらいを明示する。)(4) 評価問題の解答例と活用の仕方

1.(3)の評価問題の解答例を示す。

2. 解答例に即して,次のように評価する。

A─十分満足できると判断されるもの

B─おおむね満足できると判断されるもの

C─努力を要すると判断されるもの

3. 評価から評定へ活用する際の留意点を書く。

○ (3)の評価問題の実際を100点満点で作成した場合の割合の例

・ (2)の1が10点  ・ (2)の2が80点  ・ (2)の3が10点

○ (2)の1と3の10点満点の評価の例

・ A─8点以上  ・ B─6点と7点  ・ C─5点以下

○ (2)の2が80点満点の評価の例

・ A─70点以上  ・ B─69〜49点  ・ C─48点以下

○ 本稿の評価問題の結果を,A,B,Cとしてそのまま補助簿に記入しておくか点数化しておくかは,各執筆者の自由裁量による。評価の方法や評定への活用の仕方については各執筆者の判断によるが,その理由や根拠が責任をもって説明できるように記述する。

 最後に,新絶対評価問題に快く挑戦いただいた各執筆者と明治図書編集部の安藤征宏,田村志織の両氏に厚くお礼を申し上げます。本書が一人でも多くの読者のお役に立つことを願いつつ……。


  2002年8月1日   編者 /花田 修一

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      明治図書

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