- まえがき
- 一 これからの「書くこと」の具体的指導
- 1 本書の願い
- 2 「書けない子」「書かない子」に本当に寄り添うとは
- 二 《つまずき》に寄り添った具体的指導
- [1] 「箇条書きの鬼」で書けない子、書かない子が書いた!〈書き出せない子〉
- [2] 「セリフ」だから書き出せる!〈書き出せない子〉
- [3] どの子も書き出せる「書き出し」指導〈書き出せない子〉
- [4] スタートは、選んで書いて交流を〈書き出せない子〉
- [5] 「3ヒント自己紹介クイズ」から、書くことが好きになる〈書き出せない子〉
- [6] 「特別なことがなくても書ける」という視点を築く〈書き出せない子〉
- [7] 十分で全員が楽しく短作文を書くための学習展開〈書き出せない子〉
- [8] 俳句・短歌・四コマ漫画。作者に同化して散文化しよう〈書き出せない子〉
- [9] 見本となる完成作品で、子どもも教師も具体的イメージを〈活動イメージがつかめない子〉
- [10] オリジナルできらっと光る表現を学級に広げる〈少ししか書けない子〉
- [11] 「先生観察作文」で表現と意欲を引き出す〈少ししか書けない子〉
- [12] 「その瞬間作文」で書きたいことを明確に!〈まとまらない子〉
- [13] 行事作文の「書かされ感」を、「伝える意識」へシフトする〈まとまらない子〉
- [14] 「仲間分け」と「段落メモ」で段落が出現!〈段落分けができない子〉
- [15] 「文章構成イメージマップ」でみるみるまとまりのある文章に!〈段落分けができない子〉
- [16] 新聞を書くことを通して、段落に分ける意識をもたせる〈段落分けができない子〉
- [17] 実験道具をもとに流れを整理して書く!〈方法を書き表せない子「理科」〉
- 三 《ジャンル》に合わせた具体的指導
- [18] 3LS(スリーラインシステム)で学びの「習得」「活用」「メタ認知」を 〜「2(冊)ノート」「1(枚)日録」で学びをつくる〜〈ノートの使い方〉
- [19] 単元終了後に見開き2ページでまとめる!〈ノートの使い方・まとめ作成「社会」〉
- [20] 表をアレンジ★弱点発見! 表現パワーアップシート〈ワークシート〉
- [21] 「もっと書きたい」コールが起こる「連絡帳三行作文」〈書き慣れ〉
- [22] 聞き書きで脳内工場フル稼働!〈聴写〉
- [23] 「こんなこと、できるようになったよ」「こんなこと、学習したよ」学習したことをふりかえって書いてみよう!〈ふりかえり〉
- [24] 「青色メタ認知」と「赤色ほめほめタイム」で、視覚からも伸びを実感!〈ふりかえり〉
- [25] 天気予報の番組を作るために書く!〈情報を活用して書く「理科」〉
- [26] 様々な目的で学習効果バツグン! 「言葉のマンダラ」〈言語の感覚を磨く・ビッシリ感の獲得〉
- [27] 「マイ言葉辞典」作成〜意味を書くことで言葉の吟味を〜〈言語の感覚を磨く〉
- [28] 「お話のように詳しく」で進化する日記〈日記・生活文〉
- [29] 本の内容を紹介していろいろと質問してもらおう!〈読書感想文〉
- [30] 相手を想定して本の紹介文を書かせよう!〈紹介文〉
- [31] 物語の創作入門編〈物語文〉
- [32] 「物語の続き話」で誰もが楽しく書いた!〈物語文〉
- [33] まず結末を先に!「だらだら作文」防止策〈物語文〉
- [34] 文学の「美」を一文字に書く!〈物語文〉
- [35] 分析文で言葉にこだわる〈分析文〉
- [36] 低学年で、まねっこ詩を書く!〈詩〉
- [37] 詩作りで、私だけの「こだわり」を表現〈詩〉
- [38] 初めてでも全員が書ける! 詩の創作の「スモールステップ」にチャレンジ!〈詩〉
- [39] クイズを使ってらくらく俳句を作ろう!〈俳句〉
- [40] 辞書を使って言葉を選び取る〈俳句〉
- [41] ビッシリ感で濃厚新聞!〈新聞〉
- [42] 「モジュール型」学級新聞〈新聞〉
- [43] 「学校ガイドブック」で書かない子が書いた!〈ガイドブック〉
- [44] 「地域ガイドブック」で書かない子が書いた!〈ガイドブック〉
- [45] 「漢字作文」で新出漢字の活用!〈漢字学習〉
- [46] イメージ漢字クイズで楽しく学習!〈漢字学習〉
- [47] さまざまな評価〈評価〉
- [48] 「書ける=@環境」作り!〈環境〉
- [49] 書かせることを厭わない教師である十のコツ〈教師―「書くこと」の仕事術〉
- [50] 子どもたちをのせる教師のちょっとした行為=q教師―「書く」意欲を高める〉
- あとがき
まえがき
「全ての子どもたちに書く楽しさを」
「書くこと」は「知的な遊び」、そのように考えている。子どもたちが成長し、各々の人生の道を歩くとき、「書くこと」は、「書けること」は、きっとその子の人生を知的でステキなものにしてくれるに違いない。
クラス全員が書けるようになること。
そのことを学校の教師が言わずして、誰が言おう。「一人残らずできるようにさせたい」という切実なる願いと、あくなき挑戦心なしには、輝く学級集団は生まれない。
子どもたちは書けなくて悩んでいる。「書けない」「書かない」と言う。しかし、どの子も「書けるようになりたい」と切実に願っているのである。そんな時、「書けなくてもいいんだよ。」などと気安く言うことはできるだろうか。できるはずもない。そんなことを、毎年担任する子どもたちから教えられている。そして、どうしたらこの子たちが「書きたくてたまらない」と思ってくれるだろうか、書くことの楽しさを実感してくれるだろうか、という思いで試行錯誤している。日々授業後は後悔の連続だが、先の思いだけは毎日毎日持っていきたいと思う。
本書では、そんな学校現場の子どもたち一人ひとりの悩みに応えるには、我々教師はまさに 今=@何をしたらいいのかということを、具体的に模索したものである。授業は待ってくれない。明日にも子どもたちが学校へ、そして自分の教室にやってきて一生懸命に学ぼうとする。その子たちにできる 具体的な手だて=@とは何なのか、そのことをひたすらに追い求めたものである。
「書くこと」は大きな「基幹学力」である。教科を越えて、様々な学習で繰り返し行われる。その中で、予想される子どもたちの「つまずき」に合わせた指導法と、書く文章の「ジャンル」ごとの指導法を提案する。
全国から熱のある教師たちが原稿を寄せてくれた。今まさに、学校現場で、子どもたちと共に一緒に歩き、悩み、試行錯誤を繰り返している「仲間」である。模索し続ける毎日が続くが、「全ての子どもたちに」を夢に、子どもたちに真摯に学び、研究を進めていきたいと思う。
本書が少しでも、「夢」を同じくする全国の先生方のお役に立つことができれば幸いである。
/森川 正樹
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- 明治図書