基幹学力シリーズ11
“考える算数”のノート指導
ドリルの「数学的な考え方」に算数的活動をプラスする

基幹学力シリーズ11“考える算数”のノート指導ドリルの「数学的な考え方」に算数的活動をプラスする

好評8刷

算数で「書く力」「表現力」を鍛える指導、授業を公開!

学テB問題への対応で、解き方を言葉で説明させれば「算数的考えや表現力」が高まるか?熱心な教師は、ここまではやっているのだ。「数学的考えや表現力」を高めるには、教師の明確な目的意識にあわせた具体的な表現活動指導のステップが必要。著者が本書で詳述する。


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ISBN:
978-4-18-624111-2
ジャンル:
算数・数学
刊行:
8刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月26日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T 考え方を表現できない子どもたち
1.考えを書けない子どもたち
(1) 形式だけが一人歩きする
(2) 答えは書けても,解決の過程を書けない子ども
(3) 公式は知っているけれど……
2.なぜ,子どもは書けないのか?
(1) 書けない原因は何か?
(2) ドリル中心の算数授業では,子どもは書けない
(3) 小学校6年間で広がる学力の二極化
(4) 育てるべき「数学的な考え方」を意識する
(5) 授業のどこを変えればいいのか?
3.学習作文のあり方を問い直す
(1) 算数の「学習作文」「学習感想」,何が問題か
(2) 何のために書かせるのか? 書く目的を明確に
U 書く力を鍛える指導ステップ
〜問題との出会いで書く〜
1.授業の「書く」場面を分析する
2.書く力は,こうして鍛える 〜問題との出会い〜
(1) 問題との出会いで書く
(2) ノート選びで1年間が決まる
(3) ノートの基本的書き方を鍛える
(4) 先輩の算数ノートから学ぶ
(5) ノートの視写速度を上げる
(6) 1文の長さを意識させる
V 書く力は,こうして鍛える
〜考えを整理する場面〜
1.子どもが自分の思いを書きたくなる授業を構成する
2.「問い」のある授業で算数的活動を構成しよう
(1) 「問い」のある授業で,書きたい思いを膨らませる
(2) 「問い」を引き出す教材開発
(3) 「問い」を引き出す課題提示の工夫
(4) 「問い」を引き出す発問の工夫
3.「問い」のある授業実践(5年「偶数と奇数」)
4.考えを整理するための必要アイテム(図)の鍛え方
(1) 図や式を読む
(2) 図を子どもが描いていく
(3) 「割合」単元も対応数直線で楽々クリア
5.絵・図・表を使いたくなる授業を創ろう!
(1) 子どもが絵・図・表を使いたくなるのは?
(2) 場面を整理するために表を使う授業(4年「資料の整理」)
(3) 漠然としていたことを明確にさせる授業(4年「概数」)
(4) 整理された考えを伝えるために,絵・図・表を使う授業(4年「折れ線グラフ」)
W 学習作文が書ける力の鍛え方
〜キーワード作文編〜
1.書く力を鍛える3つのステップ
2.「キーワード作文」で200文字以上の学習作文を全員が書ける
(1) 「キーワード作文」とは何か?
(2) 書き方がわからない
(3) 何を書けばいいのかがわからない
(4) どれくらい書けばいいのかがわからない
(5) 学習作文を書きたくなる授業なのか?
(6) キーワード作文で,どんな力を伸ばすのか?
(7) 類題や○○さんの考えでキーワード作文を書かせる
3.キーワード作文の具体例 〜4年「小数」〜
(1) 小数ブロックゲットゲームPART1(第4時間目)
(2) 小数ブロックゲットゲームPART2(第5時間目)
X 学習作文が書ける力の鍛え方
〜決まり発見作文・研究レポート編〜
1.「帰納的な考え方」「類推的な考え方」を鍛えるために書く
2.「決まり発見作文」とは?
3.「研究レポート」で,単元の考え方の定着を図ろう
(1) 目指せ田中博史学級! 研究レポートを書いてみよう!
(2) 田中学級の研究レポートを分析する
(3) 類題でレポート作り
4.「決まり発見作文」「研究レポート」への授業実践例(4年「ともなって変わる量」)
(1) 白のピラミッドの数の秘密を探ろう(1時間目)
(2) 黒のピラミッドの数の秘密を探ろう(2時間目)
(3) 階段の周りの長さの秘密を探ろう(3時間目)
(4) 時計の針の秘密を探ろう(4時間目)
(5) つなげたテープの長さの秘密を探ろう(5時間目)
(6) 研究レポートを作ろう(6時間目)
5.決まり発見作文・研究レポートを支えるもの
コラム1 これって偶然?
コラム2 曖昧な課題で勝手に思い込み
あとがき

はじめに

 文部科学省が実施する全国学力調査が始まった。中でも話題になっているのが,B問題である。なぜ,話題になっているのであろうか?

 それは,これまでの「知識・理解」「表現・処理」を問うだけのテストとは全く形式が異なるテストだったからである。B問題は,これまで測定が難しいと考えられていた「数学的な考え方」や「表現力」を問う問題だからである。

 このB問題を実施した結果,学校間格差・教師間格差があることが見えてきた。A問題は解けたのに,B問題はほとんど白紙状態だったという学校・学級がかなりあった。一方,全国平均点と比べても,かなり高い平均点を記録した学校もある。その学校は,普段の授業から,解き方を言葉や文章で表現させる授業を進めているのである。また,1時間の学びを言葉で再現させる「学習作文」を取り入れているのである。

 では,解き方を言葉や文章で再現させる活動を行えば,子どもの「数学的な考え方」や「表現力」は高まるのであろうか? 言葉や文章で再現させる活動は,少し指導熱心な先生なら通常行っている手立てである。しかし,それをしているからといって,子どもの「数学的な考え方」や「表現力」は必ずしも高まらないのである。かつての私もそうであった。何となく解き方を説明させたり,解き方をノートに書かせたりしていた。しかし,このような活動を何回繰り返しても,先の子どもの力は高まることはなかったのである。

 子どもの「数学的な考え方」や「表現力」を高めるためには,教師の明確な目的意識が必要なのである。また,目的意識に合わせた具体的な表現指導ステップも必要である。

 本書では,子どもの「数学的な考え方」や「表現力」を高めるための指導ステップを提案していく。


   /尾ア 正彦

著者紹介

尾ア 正彦(おざき まさひこ)著書を検索»

1964年 新潟県佐渡郡佐和田町(現・佐渡市)生まれ

1987年 新潟大学教育学部卒業

現在 新潟市立浜浦小学校教諭

第41回小学館「わたしの教育記録」特選

第9回新算数教育研究会「教育研究賞」奨励賞

全国算数授業研究会幹事

基幹学力研究会理事

新潟市教育委員会認定・第1期マイスター教師(算数)

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • ノート指導をここまで言語化している書籍は初めて読みました。
      2022/3/1420代・中学校教員
    • 思考力を高める板書とノートの関わりについて実際例を盛り込み、分かりやすく書かれています。
      2021/1/2860代・管理職
    • 授業で子どもの書く力を高めることについては、
      ずっと大切と思っていました。
      どのようなところに気をつけて指導すればよいのか、
      ステップを踏んでわかりやすく説明されています。
      授業実践を通してまとめられているので、
      子どもたちの姿や教師のかかわりが目に浮かんできました。
      授業づくりで大切にしたいポイントもよくわかります。
      よかったです。

      2008/12/9算数大好き
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