- まえがき
- T 入門期に基幹学力が育つために
- 1 入門期について
- 2 入門期の子どもたち
- 3 入門期に基幹学力を育てるために 学級開き
- 4 「入門期に基幹学力が育つ」指導者が読んでおきたい書籍
- 5 「喜び」は基幹学力の原動力・推進力
- (1) 学習に参加できる喜び
- (2) 学習で認められる喜び
- 6 国語の入門期第一教材について
- (1) 教材について
- (2) 指導について
- ◆入門期の子どもたちに獲得させたい話型
- U 入門期に基幹学力が育つ日々の取り組み
- 1 読み聞かせ
- ◆読み聞かせで培われる主な基幹学力
- 2 読 書
- ◆読書で培われる主な基幹学力
- 3 音 読
- (1) 音読形態の選択
- (2) 家庭での取り組み
- (3) 実際の音読指導〜二瓶弘行先生の模範授業から 夢の学級集団づくりの記録〜
- ◆音読で培われる主な基幹学力
- 4 暗 唱
- (1) 暗唱の取り組み方
- (2) 100へのチャレンジ
- ◆詩や名文の暗唱で培われる主な基幹学力
- 5 言語事項
- (1) 「言語事項」について
- (2) 「言語事項」の指導のあり方
- ◆6歳の俳句,川柳,短歌
- ◆「言語事項」の指導で培われる主な基幹学力
- 6 視写・聴写
- (1) 視写の指導
- ◆視写と「言語事項」
- ◆視写で培われる主な基幹学力
- (2) 聴写の指導
- ◆聴写で培われる主な基幹学力
- V 基幹学力が育つ入門期の授業
- 1 読解力の向上を目指して
- 2 入門期の授業(読むこと)
- (1) 学習指導要領より
- (2) 授業を構想するときの3つのキーワード
- (3) 学習材の組み合わせ
- 3 説明文の授業から
- ◆学習指導案
- 「どうぶつのはな」東京書籍 1年生上巻
- 「いろいろなくちばし」光村図書 1年生上巻
- ◆学習指導案
- 「じどう車くらべ」光村図書 1年生上巻
- 「はたらくじどう車」教育出版 1年生下巻
- 4 物語の授業から
- ◆学習指導案
- 「おおきなかぶ」教育出版 1年生上巻
- 「大きなかぶ」光村図書 1年生上巻
- 5 詩の授業から
- ◆学習指導案
- 「のはらうた」
- W 基幹学力が育つ入門期の単元
- 1 単元という発想で日々の授業をつくる
- 2 単元づくりのポイント
- 3 単元「アサガオいっぱいになあれ」(2001年秋)
- (1) 単元の全体構想
- (2) 単元の様子
- (3) 学習指導案
- (4) 単元を語る
- 4 単元「わっはっは〜落語にチャレンジ〜」(2003年秋)
- (1) 単元の全体構想
- (2) 単元の様子
- (3) 学習指導案
- (4) 単元を語る
- あとがき
まえがき
「基幹学力」の具体的な内容を明確にするために,「基幹学力」シリーズは続々と発刊の予定である.シリーズの企画会議では,各巻のテーマを検討した.基幹学力が育つためには,授業技術もさることながら学級経営や家庭学習の工夫まで,実にさまざまな指導が必要であることが確認された.
「基幹学力が育つ授業技術の急所」「基幹学力が育つコミュニケーションの指導」「基幹学力が育つノート指導の工夫」「基幹学力が育つ家庭学習の工夫」「基幹学力が育つ教科書活用の工夫」「基幹学力が育つ“読む・聞く・書く”の指導」などが単著タイトルとしてあげられた.
私の単著のタイトルも決定した.「基幹学力を育てる入門期の国語・全メニュー」である.入学間もない子どもたち,喜びや不安がまだ残る入門期こそ,基幹学力が育つには最高の時だと考える.また,個人差はあるものの,ひらがなの読み書きや計算ができないことが前提となり,国語と算数の授業のあり方を探るためにはかっこうの期間である.こうしたことから,入門期はまさに「基幹学力が育つ黄金期」といっても過言ではない.
私は10年間の教員生活の中で,1年生の担任を3度,経験した.実に幸せなことであり,かけがえのない日々であった.子どもらしい活力にあふれた子が多く,元気いっぱいであった.登校できる喜び,仲間と遊べる喜び,学習できる喜びなど「喜び」がいっぱいだった.
われわれ教師は,「喜び」に満ちた子どもたちに,「基幹学力」を保障しなければならない.保障の術は,授業実践である.
現在,私は,北海道南西部に位置する,氷都苫小牧で勤務している.この北の大地で育った子どもたちとの実践を交えながら,「基幹学力」について具体的に考えていきたいと思う.
2005.9.17 /小林 圭
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- 明治図書