基幹学力シリーズ4
「力のあることば」で鍛える数学的思考力

基幹学力シリーズ4「力のあることば」で鍛える数学的思考力

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子どもの「ことば」へのこだわりが、数学的思考力を育成する。

算数でことばの指導?と思われそうだが、算数授業では、考える力を育てることが一番大事という筆者は、「だからこそことばの指導を重視した実践」を推進している。その具体的な場面を文章題指導や、コミュニケーション指導の力点など実践例を詳述しながらポイント紹介。


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ISBN:
4-18-605407-X
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 「ことば」と「考えること」
(1) 数学的思考と「ことば」
(2) 子どものことばのたどたどしさ
(3) たどたどしさを大切にする
(4) 言い直しで変化することば
(5) ことばを組み立てることは考えを組み立てること
(6) ことばは考えを整理するための道具
(7) 子どものことばが磨かれる場
(8) 人類の進化の過程にことばと思考力のかかわりをみる
U 算数用語で鍛える数学的概念
(1) 算数用語を辞典で調べる
(2) いろいろな算数用語について考える
(3) 子どもたちが創る算数用語
V 文章題で鍛える「ことばの力」「考える力」
(1) 子どもは文章題から何を読み取ろうとしているか
(2) 文章題の提示を工夫する
(3) 図をかいたり(半)具体物を使うこと
(4) 逆思考の問題にこだわる
(5) 映像からたくさんの情報を読み取る
W 共有化で鍛えるコミュニケーション能力
(1) 子どものことばをつないでいく 〜「単位量あたり」の授業にみる共有化
(2) 「わからない」ということばを大切にする 〜「異分母分数の大きさ比べ」の授業にみる共有化
(3) 「わからない会議」を開く 〜「分数÷分数」の授業にみる共有化
X 活動名を意識する
(1) 1年生「たしざん」の学習 〜おはじきいっきなげゲーム
(2) 2年生「たし算のひっ算」の学習 〜おはじきいっきなげゲーム2
(3) 1年生「20をこえるかず」の学習 〜かずのでんごんゲーム
(4) 2年生「三角形と四角形」の学習 〜どうぶつかこみゲーム
あとがき

まえがき

 今ではすっかり大きくなった2人の子ども.でも,10年ぐらい前は,本当に小さな赤ちゃんだった.もちろん,ことばは話せない.だが,にこにこした笑顔と向き合いながら様々な会話を楽しんで交わしたことを覚えている.例え相手が,「アウアウ」や「ブウ」といった,いわゆる喃語しか話せなくても,そこには立派なコミュニケーションが成立していたのである.こういったコミュニケーションの繰り返しが小さな子どもたちの会話能力を高めていくことについては,いろいろな書物で触れられている.視点を教室に向けてみたい.

 教師は大人であり,目の前の子どもたちはまだ幼い存在である.だから,どうしても「よい話し方」「正しい話し方」を指導しようとしがちになる.しかし,赤ちゃんと向き合う大人は,決して話し方を教えようとしているのではない.(もちろん,よいことばを使おうという意識はあるだろうが)とにかく話すのが楽しいのである.こちらの呼びかけに対し,決してそっぽを向かず目をくりくりさせながら反応を示してくれるのがうれしいのである.

 教室で,教師と子ども,あるいは子どもたち同士が会話を交わすときには,そこに共通の楽しさがなければならないだろう.それは,「学ぶ楽しさ」であったり「互いに高まっていく楽しさ」であると思う.そういった強いエネルギーから派生したことばには力がある.毎日の授業の中に,力のあることばが行き交う白熱した話し合いが生まれていれば,自然に子どもたちの言語能力は成長し,強いては思考力も高まっていくと信じている.

 この本に載っている実践例のほとんどは前任校でのものだ.周りを田畑に囲まれた国道沿いに建つ1学年1クラスの小規模校だ.クラスの仲間が10人ちょっとの子どもたちが,くったくのない笑顔で自分たちの思いを元気よく話してくれた.そういった生の声を中心にしながらこの本を書き上げてみた.

 わたしのような者にこのような貴重な機会を与えてくださった,明治図書出版株式会社,並びに,編集長の樋口雅子氏に,心からお礼の言葉を申し述べたい.


   /工藤 克己

著者紹介

工藤 克己(くどう かつみ)著書を検索»

1962年,弘前市に生まれる。

八戸市立図南小学校,黒石市立大川原小学校,黒石市立東英小学校,弘前大学附属小学校,青森市立大栄小学校を経て,現在,青森市立横内小学校教諭

全国算数授業研究会理事

算数授業ITC研究会理事

基幹学力研究会幹事

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 算数では、数学的な考え方を高めることが大切です。また、
      「ことば」を通して、子どもたちは算数を学んでいます。
      こんな当たり前のことですが、意識して授業するのと意識しないで授業するのでは、子どもの育ちに大きな違いがあらわれます。
      「力のあることば」から、数学的な考え方を高めていくという筆者の主張に賛成です。授業づくりのコツもわかりました。
      2009/8/17がんばれ、基幹学力研究会

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