- はじめに
- 第1部 関数
- 第1章 関数と関数的な考え
- §1 算数科における関数と関数の考え
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- §2 関数の意味
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 変数の意味
- 2) 関係の意味
- §3 関数的な考えの意味とその指導の教育的価値
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 関数的な考えの意味
- 2) 関数的な考えの指導の教育的価値
- 第2章 「関数」の領域と指導内容の変遷
- §1 領域「関数」の誕生
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §2 昭和33年の学習指導要領
- §3 昭和43年の学習指導要領
- §4 昭和52年と平成元年の学習指導要領
- 第3章 依存関係
- §1 依存関係の意味と意義
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3詳しい考察
- §2 解決の過程で,依存関係に着目する場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 3 指導の留意点
- §3 解決の結果を見直すことによって,依存関係を明らかにする場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 3 指導の留意点
- §4 問題を解決するために,まず依存関係を決める場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 3 指導の留意点
- §5 依存関係を考えること自身が,問題である場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 3 指導の留意点
- §6 依存関係に着目することによって,新しい問題を見つける場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 第4章 関数関係
- §1 関数関係の発見の仕方の指導
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- §2 データを得てから,対応のルールを見つける場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §3 幾つかのデータから,対応のルールを見つける場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §4 1組のデータから関数関係を見つけたり,演繹的に見つける場合
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 第5章 表現
- §1 関数関係の表現
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §2 表について
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 表があって関係が見つけやすい場合
- 2) 表を作って関係を見つける場合
- 3) 見つけた関係を表に表して分かりやすくするという場合
- §3 式
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 作ってある式をみて,関数関係やその特徴を明らかにする場合
- 2) 関数関係を明らかにするために,それを表す式を作る揚合
- 3) 得られた関係やその特徴を分かりやすくするために,式に表しておく場合(公式)
- §4 グラフと図
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- 第6章 比例・反比例とその基礎的経験
- §1 比と百分率
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 比と比の値
- 2) 百分率と歩合
- 4 指導の留意点
- 1) 比について
- 2) 百分率について
- §2 比例・反比例の位置
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 「比例」の学習以前の関数の学習
- §3 比例の導入
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 4 指導の留意点
- §4 比例学習の内容
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 比例の意味(定義)
- 2) 性質1 式表現
- 3) 性質2 グラフ表示
- 4) 性質3
- 5) 性質4
- 6) 性質5
- 7) 性質6
- 4 指導の留意点
- 1) 既習を生かす
- 2) グラフの変域について
- §5 反比例とその指導
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 反比例の意味(定義)
- 2) 性質1
- 3) 性質2 式表現
- 4) 性質3 グラフ表示
- 5) 性質4
- 4 指導の留意点
- 5 発展的考察
- §6 比例・反比例の活用
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 第7章 興味ある問題
- はじめに
- §1 輪飾りを作る
- 1 指導の時期
- 2 目標
- 3 準備
- 4 展開
- 5 発展的考察
- §2 道の行き方
- 1 指導の時期
- 2 目標
- 3 準備
- 4 展開
- 第2部 統計
- 第1章 統計的活動と指導の重点
- §1 統計的活動
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- §2 統計的活動の指導
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 第2章 「統計」の領域と指導内容の変遷
- §1 領域「統計」の誕生
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §2 昭和23年の学習指導要領
- §3 昭和26年の学習指導要領
- §4 昭和33年の学習指導要領
- §5 昭和43年の学習指導要領
- §6 昭和52年と平成元年の学習指導要領
- 第3章 資料の収集
- §1 資料の収集の指導
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 指導内容
- 2) 資料の収集の学習の揚面
- §2 起こりうる場合の指導
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 4 指導の留意点
- 第4章 資料の整理
- はじめに
- §1 表
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 事例を列挙する代わりに度数だけをかく
- 2) データの各項目を表の項目として整理する
- 3) データの幾つかの項目をまとめて整理する
- 4) 表の項目を決めてから,データを検討する
- 5) 度数分布表
- 6) 分類の考え
- §2 百分率
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- §3 グラフ
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) グラフの基礎的経験
- 2) 棒グラフ
- 3) 折れ線グラフ
- 4) 内訳グラフ:円グラフ,帯グラフ
- 5) 度数分布図表
- 6) ねらいに応じたグラフの工夫
- 4 発展的考察
- 1) 累積度数分布表と累積度数分布グラフ
- 2) ステムリーフグラフ
- §4 平均
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 4 指導の留意点
- 5 発展的考察
- 1) 平均の求め方
- 2) 代表値
- §5 ちらばり
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 4 発展的考察
- 1) 四分位偏差
- 2) 平均偏差
- 3) 標準偏差
- 第5章 資料の解釈と資料からの推測
- §1 解釈と推測の指導内容
- 1 問題の所在
- 2 詳しい考察
- §2 表やグラフの解釈と推測の具体的考察
- 1 問題の所在
- 2 解説
- 3 詳しい考察
- 1) 棒グラフ
- 2) 折れ線グラフ
- 3) 内訳グラフ
- 4) 度数分布図表
- 第6章 興味ある問題
- §1 White Paperのアイデア(1) 中学年の場合
- はじめに
- 1) イギリスの子の場合〔例1〕 誕生月のグラフ
- 2) イギリスの子の場合〔例2〕 一日の生活
- 3) 水の温まり方〔例3〕
- §2 White Paperのアイデア(2) 高学年の場合
- §3 新聞の折り込み広告の調査
- はじめに
- 1 指導学年
- 2 目標
- 3 問題
- 4 展開の計画
はじめに
算数教育に限らず,きちんと筋道立てて数学教育の研究をしようという者から,「どの本をまず読んだらよいか」ということをきかれたとき,すすめられるものが全くありません。また,算数教育を研究している人や,ベテランの教師から,これまでの自分の研究を振り返り,自分の算数教育,数学教育に対する考えを整理し,より確実なものにしていきたいが,どの書物を頼りにしたらよいだろうときかれても,紹介できる適当なものがありません。
指導事例集とか,算数教育のあるテーマについて深い研究を著した書物,啓蒙的な書物はいろいろでています。しかし,これらはいずれも算数教育の一部を取り上げたものであって,算数教育全体の中での位置づけが明確なものではありません。算数教育の講座もありますが,これとても,内容を詳しく体系的に説いてはいません。これが算数教育界で現在最も欠けている点であります。
算数教育で,確実な足場の上に立って学問的な研究をしていきたいというときには,この分野全体について,体系的にしかも詳しく示した書物が必要なのです。
さらに,系統的に各内容を深く掘り下げた研究をしていきたいというときには,確実な体系の上に立った,各内容やその扱い方の深め方を示した書物が頼りになるはずなのです。
そこで,算数教育の目標,内容,指導と評価の留意点,数学的な考え方・態度をのばす興味ある問題について体系的に詳細に考察した,この
『算数教育の新しい体系と課題 全10巻』
を著すことにしたのです。
算数教育の全内容を覆う,体系的なものにし,これからの人にとっても,ベテランの人にとっても,研究者にとっても,必ずこれを通らなくてはならないというものを著そうと努めました。
しかしこれまでに,このような書物は全く著されていないために,参考にするものがありませんでした。だからこの講座は,もっぱら,何十年かにわたって著者の頭の中に蓄えてきたものを,文字に著すということで書き上げたものです。
したがって,著者の考え,主張が強く現れているところもあります。
この講座の各巻を書き上げるに当たって,長谷川雅枝さんに大変協力していただきました。長谷川さんは,はじめは算数教育を勉強し直したいという動機から,この原稿を見始めたのですが,結局,この各巻をすべて読み,長年の算数指導の経験をふまえて,実際的なものにするための改善の意見を詳しく寄せて下さいました。これによって,一層指導の実際に応えるものになったと思います。ご自分のための時間のほとんどをこれに使われたのではないかと思います。改めてお礼を申し上げます。
また,本宮テイさんにも検討していただき,貴重な意見を多数いただきました。本当にありがたいことと考えています。
最後になりましたが,この講座を出版するに当たって,明治図書の間瀬季夫氏・石塚嘉典氏をはじめ,編集部の方には,算数教育のためということで無理なお願いを受け入れてもらい,この企画から編集まで非常な苦労をかけてしまいました。ご苦労に対して,心から感謝いたします。
1995年8月 /片桐 重男
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- 明治図書