- はじめに 編者 /伯ヶ部 喜久男
- 第一部 拾遺・心の断章
- 〈はじめに〉
- 1 学校運営
- 2 保護者への対応
- 3 教師論
- 4 文章修業
- 5 授業論
- 6 出合い
- 7 師の名言
- 8 読書論
- 9 教師道
- 10 教育の現場
- 11 心の教育
- 〈随感禿筆〉
- 〈編集後記〉
- 第二部 教師修業のヒント
- 〈はじめに〉
- 1 教師の品性
- 2 教師の向上心
- 3 硬派の教育
- 4 教師の変容
- 5 人生観の教育
- 6 校長として
- 7 伸びる教師
- 8 教育の風景
- 9 教育のロマン
- 10 野口校長との思い出抄23編
- (1) 実践埋没型教師 /(2) 自己を語る /(3) 学校を空ける /(4) 信念 /(5) 徒然草 /(6) 初体験 /(7) 読書 /(8) 校長の式辞 /(9) 文章修業 /(10) 家族 /(11) 季節の言 /(12) 骨組み /(13) 正直 /(14) 受け皿 /(15) 人生は有限 /(16) 予定表 /(17) 逆境 /(18) モットー /(19) 人生観 /(20) 挑戦 /(21) 時間 /(22) 学校訪問 /(23) 捜し物
- 〈随感禿筆・出合いの妙味〉
- 〈編集後記〉
- 第三部 教師人生パラダイス
- 〈はじめに〉
- 1 私の人生論
- 2 私の授業論
- 3 子どもを鍛える
- 4 教師の出番
- 5 学級担任の心得
- 6 日常の充実
- 7 野口校長の言動考11編
- (1) 写真の効果 /(2) 心の小窓 /(3) 葉書の効力 /(4) 初夏の候 /(5) 盛夏の候 /(6) 分身 /(7) 文章修業 /(8) 人生観を鍛える /(9) うれしい便り /(10) 硬派の教育 /(11) 学級担任の心構え
- 〈随感禿筆・これからが益々楽しみ〉
- 〈編集後記〉
- あとがき 著者 /野口 芳宏
はじめに
「やあ、はじめまして、野口です。よろしく」とにこやかに手を差し伸べてくれた野口芳宏先生。
平成六年四月、千葉県木更津市立岩根小学校で野口芳宏校長先生(当時)との運命的な出合いがありました。
私は教頭職三年目、学校は二校目、仕える校長先生も三人目でした。出合う前は今度の校長先生とはうまくやっていけるだろうかという不安もありました。
野口先生のことは国語指導では定評があり、名前は存じていましたが実際どのような方なのかは全くわかりませんでした。先生は着任当初から形にとらわれない自由な発想で校長としての学校経営をされました。
我々部下職員の方が年齢も若いのにもかかわらず、今までの慣習に縛られ前年度のままを踏襲をするような傾向にありました。初めの頃は先生の自由な考え方にずいぶん戸惑いを感じました。私は納得ができないことについては何時間もかけて先生と話し合いをしました。今思い起こせば私の方が頭が固かったのかも知れません。
そのうち少しずつ先生が教師人生をどのように歩まれてきたかが理解できるようになってきたのです。今までに出版された先生の著書を紹介して頂き熱心に読むようにもなりました。
中でも印象に強い本が『国語教師・名人への道』(改題『国語教師・新名人への道』明治図書)でした。ここには先生が歩んで来られた教師人生が色濃く出ています。すごいなあ、と思いました。人生の師、教育の師との運命的な出合いの中で多くを先生が学んだことや、授業の名人を目指してひたむきに努力されたことなどが印象に残りました。私自身このような本に出合ったことがなく、著者ご自身が直属の上司であることもあり大変興味深く読みました。そのようなことから先生の人柄や教育観が徐々に理解できるようになりました。
先生の語録を作ろうと思ったきっかけは、偉大なる日本の教育者である森信三先生の語録「生を教育に求めて」を先生から見せて頂いた時でした。「よし、野口先生の語録を作るぞ」と決心すると、不思議なエネルギーが湧いてきました。
それからというもの、教育雑誌の先生の書かれた部分は全てコピーをし、何度も読み返し、心に響く部分を抜粋してワープロに打ち込みました。この作業はほとんど早朝三時頃から行いました。
第一集『野口先生語録―拾遺・心の断章』の初版を作成した時は、学校の印刷機で印刷し、製本も手作りで限定百部、同僚や知人に配布しただけでした。その後、第二集、第三集と発行し、全国のたくさんの先生方に読んでいただきました。
あれから、早くも十年の月日が流れようとしています。私は平成十六年二月現在、千葉県君津市立周南小学校に校長として校務に従事しております。この周南小学校は、偶然にも野口先生が小学生時代に二年生、三年生のニ年間を過ごされた学校です。これも何かのご縁だと感慨深いものがあります。
また、私の自宅からの通勤途上に野口先生のお宅があり、折りに触れては先生のお宅に伺い、いろいろなお話をするのが何よりの楽しみです。
今、校長として職務の貴重さを自覚しながら職場の教師や子どもたち・保護者に接する時、「野口先生語録」を読み返し、ある時は励まされ、ある時は勇気づけられています。
結びにあたり児童虐待、不登校、学級崩壊、学力低下など子どもを取り巻く状況が厳しい昨今、この本が日々教師修業に励まれている全国の先生方に「明日への指針」として役立ってくれることを念じています。
また、本書は新たに「鍛える国語教室シリーズ」の第十一巻として公刊されることになりました。その機会を与え、導いて下さった明治図書出版の江部満氏に深甚なる感謝を捧げます。
平成十六年二月二十五日 編者 /伯ヶ部 喜久男
<注> 本書は三部から成るが、元は一冊ずつ三冊の単行本であり、それぞれにはじめに、編集後記などがついていた。
今回合本するに当たり、原形を温存するため、そっくりそのままを収録することにし、時制や職位などもあえて当時のままとした。
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- 明治図書