特別支援教育サポートBOOKS
知的障害特別支援学校 「各教科」の授業改善
学習指導案実例&授業改善に向けた提言

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新刊

わくわく、わいわい、そういうことか!と思える学びをつくろう

重度障害のある子に「読解」をどのように指導するか?物語を読んで「想像力」を育てるには?「遊び」を「学び」に発展させるには?…特別支援教育における各教科の授業をよりよいものにしていくためにどのような視点で授業を考えたらよいか実践を踏まえ解説しました。


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ISBN:
978-4-18-516738-3
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
B5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2022年8月16日
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Contents

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 主体的・対話的で深い学びを実現する教科学習のポイント
1 「資質・能力」を育むための教科学習
2 主体的・対話的で深い学びを引き出す教師の指導技術
3 主体的・対話的で深く学ぶための教材開発
4 「文化」を通して学ぶ教科学習
第2章 主体的・対話的で深い学びにつながる「教科」の授業づくりのプロセス
1 実態把握と指導目標・内容の設定
2 主体的・対話的で深い学びにつながる教材選定
3 「深い学び」を実現する学習指導案づくり
4 学習をダイナミックに計画し,評価する
第3章 教科学習の学習指導案づくりと授業改善の実際
小学部2年 国語 小学部1段階 聞くこと・話すこと 1 「さかながはねて」の「ぴょん」をやってみよう
授業改善に向けて 重度障害のある子に「読解」をどのように指導するか?
小学部3年 国語 小学部2段階 聞くこと・話すこと 2 げきあそびをしよう
授業改善に向けて ドラマのように授業をつくるとどうなるか?
小学部1年 国語 小学部1段階 読むこと 3 ぼく・わたしのなまえで 「だるまさんの」ごっこできるかな?
授業改善に向けて 身体を通じて絵本を読んでみよう
中学部2年 国語 小学部3段階・中学部1段階 読むこと 4 『給食番長』の登場人物の気持ちを読み取ろう
授業改善に向けて 物語を読んで「想像力」を育てるには?
小学部1年 算数 小学部1段階 測定 5 バスに「のーせーて!」
授業改善に向けて 「遊び」を「学び」に発展させるには?
高等部2年 数学 中学部1段階 測定 6 重さと量
授業改善に向けて 生徒の思考が深まる「問い」を考えてみよう
小学部6年 算数 小学部2段階 図形 7 かたちけいさつ
授業改善に向けて 「食べ物」を「図形」として見るにはどうしたらよいか?
高等部3年 美術 高等部1段階 鑑賞・表現 8 創立10周年記念オリジナルキャラクターを作ろう
授業改善に向けて 美術の授業を通して想像力と創造性を引き出すには?
高等部1〜3年 保健体育 高等部1段階 球技 9 チームの目標を立ててフットサルを楽しもう
授業改善に向けて 「話し合い」を超えた体育の「対話的な学び」とは?
高等部1年 職業・家庭(家庭分野) 中学部2段階 消費生活 10 目指せ!買い物名人
授業改善に向けて 生活を創り出す「消費者」を育てるには?
Column
主体的・対話的で深い学びの「評価」はどうしたらよいですか?

はじめに

 特別支援学校学習指導要領において,知的障害児の教育が「教科学習」に重点を置く内容になったことを受けて,現在,多くの学校で実践開発が進められています。そこでは,予測困難な社会が到来しても生き抜くことができる「資質・能力」を身に付けるために,主体的・対話的で深い学びを展開することが求められていて,従来の「生活に必要なスキルの獲得」こそが特別支援教育(知的障害児教育)であるという発想から抜け出そうとする取り組みが多く見られるようになってきました。

 しかし,そうした各地の取り組みの中で,常に壁となって立ちはだかるのが,「知的障害児の深い学びとは,どのような学びなのか?」という点です。これまで,知的障害児の教育においても,国語や算数・数学をはじめとする教科学習は行われてきました。しかし,その内容は,国語であれば「名前くらいは書けるようにしたい」とか,算数・数学であれば「買い物に出かけた時に,代金の計算ができるとよい」などといった,いわば生活の中で活用できる力を見つけることに主眼が置かれてきましたので,教科学習を通して「深く学ぶ」ということを十分に検討してきませんでした。

 こうした中で,現行の学習指導要領が完全実施の時期を迎えて,いよいよ本格的に教科学習を展開しなければならなくなった時,知的障害児の深い学びを実現する授業づくりの方法が各校の研修テーマとなっているのだと考えます。本書は,こうした実践課題に果敢に挑戦し,試行錯誤を繰り返しながら,学習指導案を立案し,研究授業を重ねてきた石川県立明和特別支援学校と石川県立いしかわ特別支援学校の実践研究の成果を紹介するものです。

 この両校は地理的に近いこともあり,教員が相互に異動することも多いことから,ほとんど共通した学習指導案の書式を用いて授業づくりを進めてきました。本書の編著者である新井は,両校の研究授業の助言をする立場で数年にわたって関与し,知的障害児の深い学びについて一緒に検討し,さらに深く学ぶための授業改善の視点を見つけ出そうとしてきました。本書は,こうした実践現場で必死になって考え抜いた学習指導案を掲載するとともに,その研究授業に対して研究者がどのような意義を見出し,どのような改善点を指摘したのかについて,できるだけ詳細に紹介しようとまとめたものです。

 こうした実践研究を進める過程では,授業者や研究推進部の先生方から,とても多くの疑問や不安が出されました。それは,新しい実践を開発する過程で必ず生じることですが,授業づくりを進める現場の教員の思いに対し,その場に立ち会った研究者が応答し続けた結果,本書のような実践が生まれたということです。

 以上のように,本書は現場の教師が自分の教えている子供たちに「わくわく」しながら,みんなで「わいわい」と教科を学ぶ中で,どうしたら「深く学べるか(そういうことか!と実感できるか)」を追究した過程を丹念に記載したものです。そして,こうした現場の強い思いから開発された実践は,随所に新しい視点や方法が含まれています。

 例えば,本書には,はからずも,ICTの活用について言及されている実践が多く掲載されています。これは,教科学習を深く考え,実践しようとしたら,サイバー空間に子どもたちを誘い込み,そこで自由に想像したり,表現する実践へと発展していくということを示唆するものです。何も21世紀だからICTを活用しなければならないのではなく,今の時代に新しい教科学習のかたちを模索すると,自然とICTを活用した実践が創出されたと考えるべきでしょう。このように,世の中の変化をキャッチしつつ,子供たちの学びを更によいものにしようと考える教師たちのもとで,その時代に真に必要な,豊かな学びが生まれるのだと考えます。

 もちろん,この本の刊行をもって,全ての実践課題が解決するわけではありません。おそらく,次に両校を訪ねたら,また新しい疑問や不安が生じていて,その問いに向き合わなければならないでしょう。こうした日々の奮闘の中で,知的障害児の教科学習の新しいかたちが見えてきて,子供たちの真の「学び」へと少しずつ近付いていくのだと考えます。本書がそうした奮闘を続ける全国の先生方の一助となれば幸いです。


  2022年5月   編著者 /新井 英靖

著者紹介

新井 英靖(あらい ひでやす)著書を検索»

茨城大学教育学部教授

東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程を修了後,東京都立久留米養護学校教諭を経て,2000年より茨城大学教育学部講師となる。2011年に博士(教育学)の学位を取得し,現在,同学部教授。

石川県立明和特別支援学校(いしかわけんりつめいわとくべつしえんがっこう)著書を検索»


石川県立いしかわ特別支援学校(いしかわけんりついしかわとくべつしえんがっこう)著書を検索»


※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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