- 第1章 授業づくりの基礎・基本のQ&A
- Q1 授業の流し方が,よくわかりません…
- Q2 見通しと振り返りは,どのように行えばよいのですか?
- Q3 教材研究でやるべきことが,よくわかりません…
- Q4 よい発問は,どうすればつくれますか?
- Q5 指導書を頼りに授業をしてもよいのですか?
- Q6 言語活動には毎時間必ず取り組まなければならないのですか?
- Q7 言語活動のお手本は,どのように示せばよいのですか?
- Q8 「情報の扱い方」の授業は,どのように取り組めばよいのですか?
- Q9 「伝統的な言語文化」の授業が,音読だけで終わってしまいます…
- 第2章 基本的な指導技術のQ&A
- Q1 机間巡視で何をすればよいのですか?
- Q2 話し合いでいろいろな意見が出過ぎ,収拾がつきません…
- Q3 一部の子どもにしか,発言させられません…
- Q4 授業に参加できない子どもには,どんな手立てを取ればよいのですか?
- Q5 説明や指示がきちんと子どもに伝わっているか不安です…
- Q6 どんなノート指導が,学力向上につながるのですか?
- Q7 板書がワンパターンになってしまいます…
- 第3章 漢字,語彙指導のQ&A
- Q1 新出漢字の指導法に,もっと有効な方法はありませんか?
- Q2 漢字がなかなか書けるようにならない子には,どのように指導すればよいですか?
- Q3 まじめに漢字練習に取り組まない子には,どのように指導すればよいですか?
- Q4 語彙をたくさん身につけさせるには,どのように指導すればよいですか?
- Q5 どうすれば,子どもたちが辞書を日常的に活用するようになりますか?
- 第4章 話すこと・聞くことの指導のQ&A
- Q1 発表の声が小さい子や発言が長い子にはどんな指導が必要ですか?
- Q2 「聞くこと」は,具体的にどんな指導をすればよいのですか?
- Q3 どうすれば,子どもによい発表の仕方を身につけさせることができますか?
- Q4 もっといろいろな子どもに発表させるよい方法はありませんか?
- Q5 ペア対話から学級全体の話し合いには,どうつなげていけばよいですか?
- Q6 話し合いが深まっていきません…
- 第5章 書くことの指導のQ&A
- Q1 作文嫌いな子どもがたくさんいます…
- Q2 作文で「書くことがない」と言う子にはどんな指導が有効ですか?
- Q3 作文が得意ですぐに書き終えてしまう子には,どんな指導をすればよいですか?
- Q4 モデル文を書く際,どんなことに気をつけたらよいですか?
- Q5 作文の添削を短時間で終わらせるには,どうすればよいですか?
- 第6章 読むことの指導のQ&A
- Q1 音読の読み方がたどたどしい子には,どのような指導をすればよいですか?
- Q2 すらすらと音読できるようになったら,他にどんな指導が必要ですか?
- Q3 文学的文章の授業で,何を教えればよいのかわかりません…
- Q4 文学的文章の授業で答えが曖昧になってしまいますが,それでよいのですか?
- Q5 読書単元後にも読書を継続させるには,どのように指導すればよいですか?
- Q6 説明的文章の授業で,何を教えればよいのかわかりません…
- Q7 説明的文章の「要約」は,どのように指導したらよいですか?
- Q8 指導書の単元計画通りに進めると,学習が間延びしてしまいます…
- Q9 「読むこと」のテスト直しは,どのようにしたらよいですか?
- Q10 話し合いをすると,授業が45分間で終わりません…
はじめに
若いころ,「だれでもスラスラ音読をさせられるようになる技術」というような「HOW TO」に非常にひきつけられました。本に書いてあるように実践すると,本当に子どもたちの音読がみるみる上達していったのです。そこで,私は様々な技術を求め,多くの本を読んだりセミナーに参加したりするようになりました。
そんなあるとき,野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)から,「根本・本質・原点」の大切さを教わりました。技術というのは表面的なものである。その技術が生まれた根本は何かということを押さえてこそ,その技術が真に役立つものとなる。野口先生の話を聞いて,私はそう解釈しました。
それからは,「授業とは何のために行うのか。なぜスラスラ音読させる必要があるのか」といったことを一つひとつ考えるようになりました。そして,そのことで自分の実践が広がり,より確かなものになっていくことを実感しました。
プロとして多くの指導技術を身につけておくことは,非常に重要なことです。
ですが,何のためにその技術が必要なのか,その技術を使って何を目指すのか。そうした「根本・本質・原点」をセットで身につけてこそ,真に深い技術となっていくはずです。また,そうした技術であれば,地域や子どもたちの実態に応じて柔軟に変化させていくこともできます。
こうした考えから,本書を次のような構成で執筆しました。
Q(質問や悩み)
これまで若手の先生方から尋ねられたことがある,国語授業に関する典型的な悩みを質問として取り上げました。
A/WHY(わかる!)
なぜそうした悩みが起きるのか,どのように考えて解決すればよいのか,「根本・本質・原点」にかかわる考えを述べました。
A/HOW(できる!)
悩みを解決するために,どのように指導すべきかの具体策を述べました。
このように,単に指導技術だけを身につけるのではなく,その根底となる考えもわかるようにしています。ぜひとも本書で,「何のための指導なのか」を考えながら技術を身につけ,よりよい実践にアレンジしてくださることを願っています。
2020年11月 /瀧澤 真
基本の指導について,丁寧な説明がなされていた。