「知」と「学び」の授業エンジン―子どものやる気をぐんぐん引き出す12の技

「知」と「学び」の授業エンジン―子どものやる気をぐんぐん引き出す12の技

『AさせたいならBと言え』の著者が贈る!良い授業の基幹の技

使えば使うほど授業力がアップし教師として成長できる、教師に必要な技「授業エンジン」。さまざまな知見に学びながら、その授業エンジンの内容と獲得法、そして駆動法を易しく解説する。良い授業者になるためには何が必要か、何を意識して鍛えたらよいかがわかる1冊。


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ISBN:
978-4-18-422524-4
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 208頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月25日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
序章 教師に必要な授業エンジン
子どもの知と意を劇的に伸ばす基幹の技
1 授業エンジンとは
2 子どもの知と意を劇的に高める授業エンジン12
第1章 スタートエンジン
子どもは早く学びたい
1 十秒でエンジン全開
2 強烈な最初の十秒
3 一調二機三声
4 授業スタートのシステム
5 いきなり教材with一調二機三声
第2章 指さしエンジン
子どもは適切な指さしを求めている
1 「指さし」のない授業はない
2 「指さし」行為としての発問・指示
3 発問・指示の組み立て方
4 指示で授業が成立
5 深い学びの成立に向けて―発問内容10&発問方法5&指示10―
第3章 かくしエンジン
子どもはかくされたところを知りたい
1 「かくし」で生まれる知と意と喜
2 「かくし」エンジンの駆動
3 「かくせないもの」をかくす
4 一問一答的展開も「かくし」で面白くなる
5 「かくれ」たものを知る喜び
第4章 制約&型エンジン
子どもは制約を使って自由を手に入れる
1 制約というヒント?
2 制約を逆手にとる
3 制約から生まれた自学エンジン
4 作文が書けるようになるための制約と型
第5章 音読エンジン
子どもは表現したがっている
1 子どもは表現したがり屋
2 いつでも音読
3 言葉の「声だし」法―言葉を粒立てる―
4 読点一拍休みはなぜだめ?
5 「意味句読み」でエンジンが動く
6 話し方のエンジンにも
第6章 数エンジン
子どもは数に敏感である
1 数でエンジンが駆動
2 数を駆使する
3 Bの言葉のチャンピオン
4 困ったときは数を出せ
第7章 対比エンジン
子どもは比べて考える
1 こまったら対比エンジン
2 言葉を対比せよ
3 場面と場面を対比する
4 作品を貫く対比を探す
5 作品と作品を対比する
6 詩歌の授業は「仲間はずれ」を探す
7 作文も対比で筆記エンジンが駆動する
8 思考・知覚のための根源的エンジン
第8章 映像喚起エンジン
子どもの頭に浮かんだ映像は一生残る
1 読解に必要な映像喚起エンジン
2 物語に画像は要注意
3 劇化・音読も要注意
4 すぐれた表現の映像喚起力
5 発問で映像喚起
6 俳句の対比で映像喚起
7 作中人物同士の手紙筆記で映像喚起
第9章 まなざしエンジン
子どもはまなざしをかたむけてほしい
1 まなざしの共有
2 一人の子をまなざす
3 しゃがんでまなざす
4 四分六でまなざす
5 最後にまなざす
第10章 律動エンジン
子どもはリズムを求めている
1 リズムとテンポはどうちがうか
2 最初の十秒で律動
3 発問・指示で律動
4 一問一答的な発問・指示で律動
5 音読で律動
6 指名と反応で律動
7 最後の「しめ」で律動
8 指導とフォローで律動
9 不思議と発見の連続で律動を
第11章 居方エンジン
子どもは動くものが気になる
1 居方エンジン
2 四分六の構え
3 巡視エンジン
4 居方エンジンの発動
5 居方エンジンを鍛える
第12章 フォローエンジン
子どもは認められたい
1 「フォロー」という授業エンジン
2 言葉でフォローする
3 聴いてフォローする
4 まなざし・居方でフォローする
5 子どもたち全員のフォロワー
おわりに

はじめに

 明日の授業を何とかしたい。常々思うことである。

 良い授業ができる教師になりたい。一生をかけての夢である。

 良い授業者になるために何が必要か。何を意識して鍛えたらよいか。

 それを本書で明らかにしたい。

 授業を構成するさまざまな技の中で、確実に力を持つものがある。

 使えば使うほど、授業力がアップし、教師として成長できる技である。

 そのような教師に必要な基幹の技を「授業エンジン」と呼ぶことにする。

 そのエンジンは、次の三つの条件を満たす必要がある。


 1 子ども達全員の心が動き知と意と喜を喚起する

 2 知の交流が生まれ、深い学びのある授業が生まれる

 3 エンジンを使う教師自身に知が喚起し、教える喜びが生まれる


 1の「子ども達全員の心が動き知と意と喜を喚起する」授業は、私が常に指標にしてきたものだ。向山洋一氏の「全員の知的空白禁止の原則」につながるものだ。「授業の前はゼロの状態だったのに、一時間の授業で、知と意と喜が大量に発生した!」こんな瞬間があるから、教師の仕事は止められないということになる。

 2の条件も欠かせない。すぐれた授業エンジンは、子ども達の主体を浮上させ、対話が必要となる。今流に言えば、「主体的で対話的な深い学びが発生する」授業を成立させる。

 3の条件は、教師にも、知と意と喜が生まれるエンジンであるということである。授業エンジンは、人間を高めるエンジンとしても機能して欲しい。エンジンの使用で、人としての可能性が閉ざされるのでは困る。

 AIの時代、これから必要なのは、人間的な知と意と喜あふれるエンジンを持った子である。そのためには、まず、教師こそが授業エンジンを持たねばならない。

 さまざまな知見に学びながら、エンジンの内容と、エンジン獲得法、そしてエンジン駆動法について、精一杯言語化していきたい。


  二〇二〇年三月   /岩下 修

著者紹介

岩下 修(いわした おさむ)著書を検索»

名古屋市公立小学校教諭,立命館小学校教諭,立命館大学非常勤講師を経て,現在,名進研小学校国語顧問教諭。日本言語技術教育学会理事。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 授業をする上で意識するとうまくいくことがたくさんあり、とても役だった
      2020/8/520代・中学校教員
    • 教師生活四十年の岩下先生が、子どもたちにとって、知的で発見の多い授業をするために、今もなお作戦を立てられていること。また、先生ご自身がさらに日々進化される姿に、大きな刺激を頂きました。岩下先生の授業エンジンを、明日の授業の中で、一つでも、早速マネをさせて頂きたいと思います。数エンジン、かくしエンジンから、押させて頂きます。
      2020/7/20京都T子
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