- はじめに
- 第1章 教師力が高まる3つの時短・働き方のポイント
- 「時短」「働き方改革」を通して成長する
- 教師力を高める仕事ルールがある
- 時短・働き方改革をするための3つの考え方がある
- 第2章 教師力が高まる「ちょこっとスキル」60
- 「学級づくり」の時短・働き方スキル
- 01 登校と下校を把握する「靴箱チェック」
- 02 教室のきれいを保つ「ごみ箱は前」
- 03 自分たちで解決する「画鋲の集合場所」
- 04 教師の放課後時間を生み出す「子ども主体の整理整頓」
- 05 大掃除を最小限にする「小ぼうき活用」
- 06 作業中断を防ぐ「教師用机の開放」
- 07 気づかせ合って注意を減らせる「流行語 すわるんだ!」
- 08 子どもにやってもらう「順番提出」
- 09 枠づくりがいらない「白紙アンケート」
- 10 学力定着にもつながる「丸付けは子どもが自分で」
- 11 教師の指導を減らせる「学習(宿題)の取り組み方確認」
- 12 後で落ち着いて書くのをなくす「隙間時間に掲示物」
- 13 教室が落ち着く「少し早めの学級入り」
- 「授業づくり」の時短・働き方スキル
- 14 手早くポイントをおさえる「キーワード学習指導要領」
- 15 手早くポイントをおさえる「キーワード教材研究」
- 16 臨機応変に書ける「白紙ワークシート」
- 17 ICTで視覚的に確認できる「教科書のここですよ」
- 18 即フィードバックができる「その場でノートチェック」
- 19 教師がいらない「ノートチェック」
- 20 サッと見やすい板書が書ける「黒板の枠に目印シール」
- 21 授業スピードを高める「半数できたら進みます」
- 22 振り返る余裕も生まれる「書いた人から学習終了」
- 23 子どもと一緒に見る「指導書」
- 24 実態を見ながら書く「隙間時間に週案」
- 「職員室・事務」の時短・働き方スキル
- 25 スッキリを保つ「アルコールスプレー」
- 26 必要な情報がすぐに取り出せる「机の上の整理整頓」
- 27 作業スペースを広げる「物を捨てる」
- 28 時間を生み出す最終兵器「教室に向かうのは8時過ぎ」
- 29 具体的にイメージができる「教室で事務仕事」
- 30 新鮮なうちに答える「すぐ書く反省用紙」
- 31 必要な情報がすぐにわかる「バインダーで仕事管理」
- 32 誰でも手の届くところにある「裏書き電話メモ」
- 33 一発で確認してもらえる「立てて貼る付箋」
- 34 集中して作業ができる「時間を決める」
- 35 立ち話で深く話せる「廊下で会話」
- 36 マルチタスクを可能にする「やりながらで…」
- 37 元気と団結を呼ぶ「おすそ分け栄養ドリンク」
- 38 自然に気持ちよく帰れる「さようなら」
- 39 応援してもらうために「管理職と話す」
- 「成績処理」の時短・働き方スキル
- 40 早めに始められる「まず通知表データを開く」
- 41 子どもの考えを把握できる「生活評価アンケート」
- 42 総合所見に生かせる「子どもの記述」
- 43 子どもの様子がわかる「今学期成長したことアンケート」
- 44 子どもの変容を書ける「道徳の所見は振り返りから」
- 45 不整合を避ける「学習の所見は全て揃ってから」
- 46 手直し付箋が減る「教務の提案をよく見る」
- 47 所属校の定番をつかむ「書く前相談・書きぶり確認」
- 48 所見の幅を広げる「通知表の共有」
- 49 指導をいただける「80%段階でまず一度提出」
- 50 時短と効率を追求できる「検閲は早め,印刷は遅め」
- 「自己研鑽」だって時短・働き方スキル
- 51 生活の質が高まる「上靴選び」
- 52 着替えに手間取らない「タートルネック」
- 53 隙間時間で体力向上できる「プチ・スクワット」
- 54 本から学び続ける「読書の時間は学校で確保」
- 55 プライベートを充実させる「平日夜の趣味時間」
- 56 インプットの時間を確保できる「ながら勉強」
- 57 成長を積み重ねられる「とりあえず1つ実践」
- 58 毎週1回,自己研鑽できる「週案アウトプット」
- 59 手軽に授業改善できる「録音で授業振り返り」
- 60 授業改善できる「自分の授業を動画で振り返り」
- おわりに
はじめに
「トモ先生っていつ仕事しているんですか?」
最近,このような声をかけられることが多くなりました。
私が若手の頃は朝早くに学校に行き,夜遅くまで学校に残って仕事をしていました。勤務時間もプライベートも仕事で埋め尽くされていて,いくら働いても仕事の終わりは見えませんでした。ある日,「そんなにたくさん何の仕事をしているの?」と聞かれました。しかし,(何の仕事をしているんだろう?)と,仕事の内容を答えることはできませんでした。一方で,働けば働くほどに「よく頑張っている」とほめられる時代でもあり,そこに誇りを感じている自分もいました。
それから数年が経ち,私は本やセミナーで学ぶようになりました。多忙な中,学ぶことはとても大変でしたが,少しずつ学級経営で成果を出せるようになりました。少しずつ成果を出せるようになると,不思議なもので仕事にかける時間が少しずつ短くなっていったのです。
今では,朝は出勤時間より少し早めに出勤し,放課後は定時近い時間に帰宅しています。家に帰ってからは夕食を食べ,子どもと遊び,夕食の片付けをします。妻が子どもをお風呂に入れている間に洗濯機を動かし,リビングの片付けをします。妻が子どもを寝室に見送った後は洗濯物を干し,お風呂に入ってお風呂掃除をします。お風呂掃除が終わると21時でそのまま眠りにつきます。朝は4時に起きるので睡眠時間はバッチリ7時間。起きてからは雑誌や本の執筆活動,SNSの更新をしたり,読書や動画による学びをしたりしています。朝の6時より流行りのアニメや動画を見ながら朝ご飯を作り,身支度やごみ出しをして7時過ぎに家を出ます。家での時間は,家族と過ごしたり,自分のしたいことのために使ったりしているので,学校の仕事をすることはほとんどありません。しかし,学ばずにたくさんの時間をかけていた若手の頃よりも,短い時間で大きな成果をあげられるようになりました。
この経験により,成果のあがる仕事をするためには,ただ時間をかければいいものではないと考えるようになりました。勤務時間内に仕事のできる時間を見つけ,かける時間に軽重をつけることが成果のあがる仕事につながります。そして,短い時間で成果をあげる意識は教師力の向上にもつながると考えるようになりました。
本書では,私と古舘の学びの成果から時短や働き方の改善につながったことや,時短や働き方の改善をすることで仕事の成果につながるアイディアを紹介しています。中にはすぐに成果の出ない実践もあるかもしれません。しかし,日々積み重ねて実践することで時短を実現させながら教師力を向上させられるものだと考えています。読者のみなさんのお役に立てるよう,私たちの学びや経験を全てお話ししようと思い,書き上げました。
しばし,お付き合いください。
著者 /橋 朋彦
また、児童に力をつけることで、結果時短になるという、児童の成長の促し方もよく分かりました。経験年数にかかわらず、どなたにもおすすめの本です。
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