シェアド・リーダーシップで学級経営改革

シェアド・リーダーシップで学級経営改革

新刊

総合49位

「シェアド・リーダーシップ」で誰もが活躍できる学級に!

「シェアド・リーダーシップ」は、それぞれの得意分野に応じて必要なときにリーダーシップを発揮する考え方です。能力に凸凹のある子ども達が、それぞれの強みを生かしてリーダーシップを発揮していける「全員がリーダーになり活躍できる」学級経営の秘訣が満載です。


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ISBN:
978-4-18-420924-4
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 216頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月5日

Contents

もくじの詳細表示

「答えのない時代」の学級経営を楽しむ ―「まえがき」に代えて―
1章 学級づくりのリアルとロマン
@ 学級経営の充実とは
1 Society5.0の学級経営を
2 広がらない学級経営研究,拡散する学級経営実践
3 21世紀におけるクラスルームのあり方
A ダイバーシティ化する学級文化
1 マスク世代の子どもたちが直面している問題
2 コミュニケーションの迷路で彷徨う
3 受け継がれる「スクールカースト」
B 秩序なき学級集団に起こりうる問題
1 止まらない衰退,多様化する学級の荒れ
2 学校現場にカリスマ教師はもういらない
3 「自由」と「責任」は表裏一体
C あなたにとっていい学級とは?
1 学級が荒れると,教師の心も荒れる
2 コンビニ化する学校,店員化する教師
D ワンランク上の学級集団づくり
1 教育的成果をあげている「自治的集団」
2 「成熟したコミュニティ」のもつ力
3 目指すは「サッカーチーム」のような学級集団
2章 全員がリーダーになれる学級経営
@ シェアド・リーダーシップとは?
1 個々の欠けたピースが学級を揺るがす
2 「リーダー」と「リーダーシップ」の違いは?
3 「リーダーシップ」を「シェア」するという考え方
4 コラボレーションの発揮に寄与するシェアド・リーダーシップ
A 学級リノベーション ―個を生かし,子を育てる―
1 組織が成り立つ「3つの条件」
2 シェアド・リーダーシップが秘める力
B 学級づくりとシェアド・リーダーシップの関係性
1 学級目標を豪華な掲示物で終えることなかれ
2 知識のDX化! 新たな知見で思考の枠を超える
3 「みんながリーダーである」という当事者意識の育成
4 よさを生かし合う学級づくりを
C 自治的集団とシェアド・リーダーシップ
3章 子どもたちのシェアド・リーダーシップを育むために
@ 「成果を出す」より大切なこと
1 アンラーニングの視点から柔軟な発想を取り入れる
2 教師が本気で願う
3 教師は「船長」,子どもたちは「船員」
4 学級集団の発達段階
A 全員リーダーの学級への成長段階
1 シェアド・リーダーシップ形成期の子どもたちの姿
2 シェアド・リーダーシップ混乱期の子どもたちの姿
3 シェアド・リーダーシップ統一期の子どもたちの姿
4 シェアド・リーダーシップ成熟期の子どもたちの姿
5 ゴール像からの逆算で考える ―バックキャスティング―
B シェアド・リーダーシップ体得までのプロセス
1 シェアド・リーダーシップ成熟期の学級の実態
2 シェアド・リーダーシップ形成期の学級の実態
3 シェアド・リーダーシップ混乱期の学級の実態
4 シェアド・リーダーシップ統一期の学級の実態
5 20%へのアプローチで学級の可能性を最大限に引き出す
4章 シェアド・リーダーシップを引き出す学級経営と授業経営
@ シェアド・リーダーシップの状態にするために必要な要因
1 トリセツの落とし穴
2 「分化」と「統合」の一体的な充実
3 組織の「分化」を促進する3要因
4 組織の「統合」を促進する2要因
5 「分化」と「統合」を実現するために必要な「たった一つのこと」
A 信念に裏づけられた教師の指導行動
1 「ゼロ」から「イチ」を目指す
2 安全基地からはじめの一歩を踏み出す勇気を
3 成長に合わせてマネジメントスタイルを変えていく
B 成長型のクラス目標
1 クラスの全員で目的地やルートを共有する意義と方法
2 子ども・保護者・教師の願いを共有する
3 目標達成に向けた話し合い活動
4 学級のあゆみを保護者にも伝える
C 問題解決能力向上に寄与するクラス会議
1 シェアド・リーダーシップとクラス会議の親和性
2 人がつなぐ,人をつなぐ ―クラスを共同体にする―
3 クラス会議の進め方
4 クラス会議の一歩先へ ―マニュアルからの脱却を―
D 協力原理に立つ協同学習
1 協同の学びが生まれる条件
2 協同学習が秘める力
3 協同学習の原理・原則と授業の実際
4 シェアド・リーダーシップと協同学習の親和性
5章 学級経営は永遠の未完成
@ 学級集団のゴールは?
1 全員リーダーの学級は“ゴール像”であり“最終ゴール”ではない
2 どんなに学級が成熟しても,終わりの日はやってくる
3 未来へのエネルギーを高める「ビーイング」
4 互いのよさを認め合い「仲良し」から「いい仲へ」 ―ハッピー・メダル―
5 子どもたちと辿り着いた場所から見える景色は
A 学校教育で目指すべきゴールとは?
1 新時代の教育に求められているもの
2 あなたの学級・学校はどこに向かっていますか?
3 社会や企業がこれからの学校教育に求めていること
4 社会に向かう子を育てる
B 2030年を見据えた教室 ―子どもの幸せを願う―
1 幸福感を引き出す原理・原則
2 最後は子どもたちに手柄を
3 学級集団づくりを通して子どもたちの幸福感を保障する
4 主体性が発揮されている学級集団とは
5 学校が子どもたちに与えられる幸福感とは
6 リーダーをシェアしてシェアわせ(幸せ)な学級を
あとがき

「まえがきに代えて」より

シェアド・リーダーシップを志向する学級経営


 これからの学級経営は,これまで以上に,子どもたちの「これから」を考えることが求められます。「正解がわからないことを探索的かつ実験的に行う時代」に生きるために必要な力を意識して教育活動をデザインすることが求められます。人生の成功モデルがあり,それを正解とする時代なら,なんとなく周りと同じようなことをして世の中の流れにのっていっても大きなリスクを背負うことはないでしょう。しかし今は,どんな仕事に就こうが,誰と一緒に居ようが,また,学校に行くことすら,ほとんど強制されない時代になりました。自分の選択に任されるということは,とても自由である反面,その選択の責任は自分で負わなくてはならない厳しさもあります。

 世の中は,どんどん一人一人が,自ら行動すること,自分で決めること,つまり主体性や自己決定力を求めるようになっているのです。自由になったということは,「選べるようになった」と同時に「誰も守ってくれなくなった」ということなのです。そのリスクは,機能不全家族や貧困など,社会的にリソースが薄い子どもほど高くなります。読者の皆さんの子どもの頃よりも,変化のスピードは加速しているといっていいでしょう。自分の子どもの頃をモデルにして教育をしていると,たちまち子どもたちを路頭に迷わせることになるかもしれません。

 答えのない時代に必要な力は,問題解決能力であり,問題に対する最適解を得る力です。最適解を得るには,より多くの選択肢を得ることと,それ以上に,その中から有効だと思われるものを選ぶことが必要です。解の妥当性を高めるのが,「つながり」です。問題解決に一人で取り組むと,少ない選択肢から思い込みの解答を選んでしまったり,そもそも解決策が見つけられなかったりします。最適解を見つけるには,ある程度の解の量が確保され,そして,多様な見方からそれを検討する営みが必要です。そのときの課題に応じてイニシアチブをとる者を随時変更した方が,誤る可能性が下がります。イニシアチブをとる者が固定されていると,その者のバイアスがかかり,選択が偏る可能性があります。質のよい問題解決のためには,自らが判断して,リーダーをしたりフォロワーに回ったりして,自在に役割を変更できる力が必要なのです。

 シェアド・リーダーシップに立った学級経営は,子どもたちの「これから」を考えるならば,かなり有効な選択肢となることでしょう。この後の本編(1章以降)を執筆した水流卓哉氏は,執筆時20代でありながら,複数の教育論文賞を授かりました。また,教職大学院在学時にはその研究成果を学会で発表し,査読付き論文にする一方で,教員研修で講師を務めている気鋭の実践家です。それはそれで輝かしい業績ですが,しかし,私が注目するのは,そうした教室外の姿ではなく,これまで積み重ねてきた子どもたちと創り上げてきた実践の質の高さであり,さらにそこに加えて,彼の軽やかさと明るさです。早くから,自治的集団づくりの必要性に気づき,機能が低下した学級の立て直しにも数多く関わってきました。しかし,それを「楽しかった」といい切るのです。数々の論文賞を受賞し,学術論文まで執筆しながら,彼の関心は常に子どもにあり,教室にあり,子どもと共に創る事実にあるのです。

 今の学校教育は,「忙しい」「ブラック」「息苦しい」などのイメージが先行し,「楽しむ」という最も大切な部分が見えなくなっているように思います。教職を軽やかに楽しむ水流氏のような実践家が新しい時代の扉を開けてくれるのではないでしょうか。

 若い感性から生み出される時代のニーズを捉えた主張は,きっと多くの読者のみなさんの明日の教室を創るヒントとなることでしょう。


  2024年2月   /赤坂 真二

著者紹介

赤坂 真二(あかさか しんじ)著書を検索»

1965年新潟県生まれ。上越教育大学教職大学院教授。学校心理士。19年間の小学校勤務では,アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み,子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた。2008年4月から,これから現場に立つ若手教師の育成,主に小中学校現職教師の再教育に関わりながら,講演や執筆を行う。

水流 卓哉(つる たくや)著書を検索»

1994年長野県生まれ。愛知県公立小学校勤務。上越教育大学大学院在学中(2024年修了予定)。子どもたちの社会的自立能力育成に向けて自治的集団について実証的な研究を進め,校内研修や講座等では学級づくりに関する講師を務める。日本学級経営学会,日本特別活動学会所属。「第9回全国『授業の鉄人』コンクール・鉄人賞」「第21回ちゅうでん教育大賞・教育優秀賞」「第58回『実践!わたしの教育記録』・入選」など,ほか多数。学術論文に「自治的集団に関する研究動向と今後の展望に関する一考察」「学級内の友人関係に対する自律的動機づけに関する事例研究」などがある。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 目指すべき学級集団のあり方について考えさせられました。本書で書かれているような質の高い学級を目指そうと思える一冊でした。
      2024/3/320代・小学校教諭
    • 学級経営を理論をもとにわかりやすく語られていて参考になった。
      2024/3/330代・小学校教諭
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