- はじめに
- 第1章 子どもを伸ばす教師の見方
- 見ているつもりは、何も見ていないということ
- よさ50・課題50と心得る
- 「〇〇な××くん」 〇〇に何が入る?
- 同じクラスになっただけでは子どもに居場所はできない
- 子どもの成長を促す教師の見方
- 一人では限界。複数で多面的・多角的に見る
- 一人一人感情ゾーンの広さが違う
- 第2章 教師の「見方」感性の鍛え方
- 会う前から鍛える
- 名前を唱える
- 個人写真を集める
- 学級通信で鍛える
- 出会いの様子を実況中継する覚悟を持つ
- 書こうと思うから見えてくる
- 保護者が教師の「みかた」になる
- 日々の授業・学級経営で鍛える
- とにかくメモする
- 指示内容は短く、褒めるしかけをつくる
- はがきで褒める
- デキる教師は三度○○する?
- 休み時間何している?
- 学習者になってみる
- 第3章 場面別 こんな時、こんな教師の見方
- 学習指導場面
- 宿題提出を「約束を守る練習」と見る
- 一人一役、仕事を与え責任感を見る
- 授業開始の号令で全員の姿勢を見る
- 子どもたちを動かして仲間関係を見る
- 専科の授業に子どもたちの本物の力を見る
- 誰もいない教室では机を見る
- 注意したら、成長したかを見る
- 率先して掃除を行い子どものバツが悪そうな表情を見る
- 授業場面
- 体育のゲーム後は子どもたちの表情を見る
- 授業中は子どもの目線で集中度を見る
- 手悪さ・動きがあったら、その子の苦しさを見る
- 簡単な発問で授業への参加度を見る
- 誤答の後は子どものチャレンジを見る
- 友達との日常生活場面
- 朝のあいさつでは子どものテンションを見る
- グループ学習では時間終了時の守れなさを見る
- 暴言・反抗があったら、その子の悲しさを見る
- 転校生へのかかわりを見る
- 「保護者のクレーム」は内容よりそこに至る過程を見る
- 誕生日を通して思いやりの心を見る
- 問題行動があったら、その子なりの理由を見る
- 参考文献
- *本書にエピソードとして登場する子どもは、個人が特定されないように事実をゆがめない形で一部改変し、仮名にしてあります。
はじめに
ある時、「どのようなことを言うか」より、「誰が言うか」に、子どもたちは従っていることに気付きました。
いくら教師が高等な知識を持っていても、教えるための技術を高めても、子どもたちが「この先生は、自分たちのことをわかってくれていない」と思っていたら、何の意味もありません。
一方で、多少教え方がうまくなくても、「自分たちのことをわかってくれている」と思っている教師の話は、聞こうとします。
この差は、何からきているか。それは、
自分のことを認めてくれていると感じているか、そうではないかです。
「どのような叱り方をしたら……」「どう褒めたら……」という、見えやすく・わかりやすいハウツーを考える前に、するべきことがあります。
目の前の子どもたちのありのままを受け入れることが大切です。
条件付きの「〇〇してくれていたから褒める」ではなく、よさも課題も含めて受け入れることです。
つまり、「I love you. Because, you are you.」、「よさも課題も含めて、あなたの全てが大好き」 というメッセージを子どもたちに伝えていくことで、きっと子どもたちは伸びていってくれると確信しています。
本書が、子どもたちの成長につながる教師の「見方」を形成するうえで、お役に立てれば倖いです。
いつもいつも自分の仕事を支えてくれている妻と子どもたちにも感謝します。
/友田 真
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