- 目標
- 自分のものの見方や考え方を深め、目的や場面に応じて的確に話したり聞いたりする能力を身に付けさせるとともに、話し言葉を豊かにしようとする態度を育てる。
- 『話すこと聞くことマスターカード』活用の手引き
- 話すこと
- 1 話すのにふさわしい素材を考えよう
- 2 広い範囲から話題を求め、自分の考え方を深めるために話そう
- 3 話の中心の部分をはっきり考えて話そう
- 4 意見にふさわしい事実を挙げよう/適切な事実を基にして意見を話そう
- 5 組み立てを考えて説得力のある話をしよう
- 6 説得力のある表現に注意して話そう
- 7 目的や方向に沿って効果的に話そう
- 8 「説明」や「発表」に挑戦しよう
- 9 「討論」(ディベート)に挑戦してみよう
- 聞くこと
- 10 自分のものの見方や考え方を広めるために聞こう
- 11 自分のものの見方や考え方を深めるために聞こう
- 12 話の中心の部分をはっきり考えて聞こう/話の中心の部分をはっきり考えて話そう
- 13 事実と意見とを明確に区別しよう/事実と意見とを区別して聞き取ろう
- 14 話の構成や展開を考えて話を聞き取ろう
- 15 説得力のある表現に注意して聞き取ろう
- 16 相手の意図を考えながら聞こう
- 話し合うこと
- 17 相手の立場や考えを尊重して話し合いをしてみよう
- 18 目的に沿って効果的に展開するように話し合おう
- 19 自分の考えを深めるために話し合いをしてみよう
- その他
- 20 音声のはたらきやしくみについて関心をもとう
- 21 相手や目的に応じた効果的な語順を考えよう
- 22 共通語と方言の果たす役割について考えよう
- 23 敬語についての理解を深めよう
- 解説
『話すこと聞くことマスターカード』活用の手引き
この度は、『話すこと聞くことマスターカード』に御縁を戴き有難うございます。この教材集の必要項目をコピーして活用すれば、子どもたちに目指す音声言語の力が確かに形成されるに違いありません。本書の適切な活用を戴くためにまず編集意図や活用の留意点を御理解下さい。
1 本書編集発行の意図
国語科教育の 世紀は、新しい学習指導要領とともにスタートを切ることになりました。新指導要領の最大の特色は、音声言語の指導が筆頭領域として位置付けられたことです。全ての言語生活の基礎となる音声言語の指導はこれまでも重視され続けてはきたのですが、全般的に具体的な成果を見るまでには至りませんでした。このような事態を打開して、最も日常的で基礎的な言語生活の質的向上を図ろうということが今回の改訂の大きな狙いであります。
さてそのためにはまず何から手掛けなければならないでしょうか。それは、音声言語の優れた教材を開発することです。従来の音声言語教育が具体的な成果を上げ得なかった最大の原因は、教室や授業で使える適切な教材が開発されてこなかった点にあります。教科書教材でも音声言語教材はコラムという形で登場するのが一般的でした。本格的な教材は開発されずじまいだったと言えましょう。
このような現状に対し、有力な教材開発によって打開を図ろうと考え、私たち同志はいろいろと研究と検討を重ねて参りました。『話すこと聞くことマスターカード』はその成果の一端であります。本書は子どもたちの音声言語能力を具体的に向上させるに違いないと私たちは確信しています。
2 「マスターカード」開発の狙い
「マスターカード」という言葉にはまだ馴染みが薄いことでしょう。これは野口の造語です。
これまで出回っているドリル、スキル、ワーク、テスト等々の用語のいずれともややニュアンスの異なるもので、次のような五つの狙いを重視しています。
(1)基礎的・基本的な厳選事項のみを網羅する。(基礎学力重視)
(2)それらを完全に習得できる「マスター」に最大の力点を置く。(完全習得重視)
(3)必ず具体的な自分の作業を通じて、体験的な理解を得させる。(体得原理重視)
(4)作業結果の適否を対象化して自己診断でき、学び方を学べる。(自力学習重視)
(5)実践行動化による技術の体得を最終目標とする。(実践行動重視)
これらの狙いが本当に具現できるようにと、私たちは必ず教室での実践を潜らせ、効果を実証してこのカードを作り上げました。しかし、それはあくまでも作り上げる時点までの努力です。全国の心有る実践者の厳しい検討によって、この「マスターカード」が一層質的に磨かれ、向上していくことを私たちは切望しています。本教材の一層の進展を図るために、諸賢の積極的な活用を通じての率直な御批判を心よりお願い致します。
3 「マスターカード」の活用の仕方、及び注意事項
本書は次のいずれの方法によっても活用可能です。様々な場面での積極的な活用を期待致します。
(1)日常観察で気付いた問題点の該当事項を都度取り上げて活用する。(随時的活用法)
(2)目次を参照し、学級の実態に合わせて計画的、統計的に活用する。(計画的活用法)
(3)自習時間、宿題等の課題として活用する。(課題的活用法)
(4)児童の自己診断による自発的な活用を奨励する。(自発的活用法)
(5)当面する行事に備えて事前学習として活用する。(予習的活用法)
なお、この「マスターカード」の真価は、このカードによって学んだことを実際の行動に具現するという実践行動を通じて初めて発揮されるものであります。実践とカードで学んだこととが一致しなければ「マスター」とは言えません。実践化に当たっては教師による積極的な指導、助言をお願い致します。(以 上)
編集責任者 /野口 芳宏 記す
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