目次
- はじめに
- Ⅰ 国語科「活用型」学習の授業づくり
- 一 揺れる「活用」の概念
- １ 新教育課程のキーワード
- ２ コラム「どうする活用型の学習」
- ３ 道具教科としての一面をもつ国語科なりの「活用」
- ４ 国語科における「活用型」学習
- 二 習得した知識・技能等を実生活に「活用」する「活用型」学習
- １ 新教育課程の基本理念は「生きる力」の育成
- ２ 学校知と生活知との総合化
- ３ 総合的な学習の時間の究極のねらい
- ４ 中教審『審議経過報告』
- 三 思考力・判断力・表現力等をはぐくむ「活用型」学習
- １ 思考力・判断力・表現力等
- ２ 新「学校教育法」における「習得」「活用」
- ３ 中教審答申における「活用」の概念の変容
- ４ 新教育課程における「習得」「活用」「探究」の関わり
- ５ 国語科の授業における「習得」「活用」「探究」の関わり
- Ⅱ これでわかる「活用型」学習の授業モデル
- 第一学年
- ①話すこと・聞くこと 「指導の系統、積み重ねを考えて」
- １ 既習事項の活用といった系統立った指導の積み重ねを考えて
- ２ 単元名・教材名・配当時間数
- ３ 本単元に至るまでの指導の系統
- ４ 本単元の意図
- ５ 授業の実際
- ②書くこと 「日常で使える案内文を書こう」
- ③読むこと〔文学〕 「宮沢賢治の世界」―シナリオ作りを通して―
- ④読むこと〔説明文ほか〕 「動物の睡眠と暮らし」
- 第二学年
- ①話すこと・聞くこと 「凝縮ポートフォリオを用いて思いを伝え合う」
- ②書くこと 「意見文を書く手順を身に付ける」
- ③読むこと〔文学〕 「伝達重視の授業」から「自己を見つめる授業」へ
- ④読むこと〔説明文ほか〕 「様々な資料から言葉を集めて考える」
- 第三学年
- ①話すこと・聞くこと 「話合いで小説を深く読む」
- ②書くこと 「情報を新たな視点から批判的に読み、伝える文章を書く」
- ③読むこと〔文学〕 「自ら進んで文学作品を読む学習活動の工夫―書くことを通して―」
- ④読むこと〔説明文ほか〕 「二つの文章を読み比べて自分の考えをもつ」
- Ⅲ 「活用型」学習への疑問に答えるＱ＆Ａ
- Ｑ１・「習得」「活用」の関係はどのようになっているのですか
- Ｑ２・「探究」については、教科の中で考えなくていいのですか
- Ｑ３・「習得」「活用」の学習についてどのように考えたらいいのですか
- Ｑ４・「活用」や「探究」の学習は、基礎的な知識や技能を「習得」できていないと行うことはできないのですか
- Ｑ５・「活用」の授業を構想する際のポイントは何ですか
- Ｑ６・「習得」「活用」は、新しい国語科の学習指導要領ではどのように示されていますか
- Ｑ７・言語活動例は「活用」ですか
- おわりに
はじめに
教育基本法が改正され、それに伴い教育三法も直ちに改正され、平成二〇年、中央教育審議会の答申を経て小学校及び中学校の学習指導要領が改訂された。教育界ばかりかマスコミ界や世論までをも巻き込んでの激しい学力低下論争もやや下火になってきた感がある。
今、教育界の関心事は、新教育課程のキーワードである「習得」「活用」「探究」の関係性をいかに捉えればいいのか、とりわけ、「活用型」学習をいかに進めればいいのかである。
本書は、中学校の国語科に「活用型」学習を導入するための手引き書である。
第Ⅰ章が理論編。第Ⅱ章が実践事例編で、中学校の各学年ごとに、また、各領域ごとに一二本の授業モデルを紹介する。いずれもベテランの実践家が実践したものである。そして、第Ⅲ章が「活用型」学習Ｑ＆Ａである。
なお、本書の企画・編集においては、明治図書編集部の佐保文章氏に、また校正では、同編集部の井草正孝氏に多大なご尽力を賜りました。ここに記し、感謝申し上げます。
平成二一年七月 ／大熊 徹
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明治図書
