小学校国語科 「活用型」学習の授業モデル

小学校国語科 「活用型」学習の授業モデル

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確かな授業実践に裏付けられた「活用型」学習の授業モデル集

「活用型」学習の授業の創り方がこの一冊でよくわかる! 小学校の「活用型」学習を3タイプに分け、「0次→導入→展開→まとめ→活用」という学習指導過程に位置付けた。「活用型」のギモンに答え、低・中・高学年・各領域を網羅した子どもが熱中する授業モデル集。


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ISBN:
978-4-18-339719-5
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T 国語科「活用型」学習の授業づくり
一 揺れる「活用」の概念
1 新教育課程のキーワード
2 コラム「どうする活用型の学習」
3 道具教科としての一面をもつ国語科なりの「活用」
4 国語科における「活用型」学習
二 習得した知識・技能等を実生活に「活用」する「活用型」学習
1 新教育課程の基本理念は「生きる力」の育成
2 学校知と生活知との総合化
3 総合的な学習の時間の究極のねらい
4 中教審『審議経過報告』
三 思考力・判断力・表現力等をはぐくむ「活用型」学習
1 思考力・判断力・表現力等
2 新「学校教育法」における「習得」「活用」
3 中教審答申における「活用」の概念の変容
4 新教育課程における「習得」「活用」「探究」の関わり
5 国語科の授業における「習得」「活用」「探究」の関わり
U これでわかる「活用型」学習の授業モデル
低学年
@「活用型」学習の授業づくり三つのポイント
[ポイント1] 言語活動例の工夫
[ポイント2] 単元の展開の工夫
[ポイント3] 活用段階の場の工夫
A話すこと・聞くこと(第二学年) 「おもちゃの教室」
1 単元名・教材名・配当時間数
2 「活用型」学習で身に付けさせたい力とは
3 「活用型」学習の授業づくり
4 単元の構想
5 本時の展開
6 授業の実際
B書くこと(第二学年) 「順序を考えて文章を書かせるための取り組み」
C読むこと〔文学〕(第一学年) 「ビデオレターをとどけよう―おおきなかぶ―」
D読むこと〔説明文〕(第二学年) 「国語科の表現活動と関連させた読むことの学習」
中学年
@中学生・「活用型」学習の授業づくり三つのポイント
[ポイント1] 他教科の学習に活きる「話す・聞く」の学習
[ポイント2] 書いたものが活用される場を工夫する学習
[ポイント3] 気付きや思考の深化を引き出す「読み」の学習
A話すこと・聞くこと(第四学年) 「聞き手の活動を引き出すスピーチ学習」
B書くこと(第四学年) 「読み手意識が高まり、書く意欲が持続する『活用型』学習指導」
C読むこと〔文学〕(第三学年) 「自分の読みをつくりだす活用型学習」
D読むこと〔説明文〕(第四学年) 「提案文を書くために説明文を読む」
高学年
@「活用型」学習の授業づくり四つのポイント
[ポイント1] プロデュース感覚をみがく
[ポイント2] 鳥の目と蟻の目をもつ
[ポイント3] 指導と活動を見極める
[ポイント4] 言葉を生活に活かす
A話すこと・聞くこと(第六学年) 「敬語を使った会話を楽しむ」
B書くこと(第五学年) 「生活を見つめ直し、書くことを通して生活に活かす学習」
C読むこと〔文学〕(第六学年) 「読み比べて考えたことを表現する」
D読むこと〔説明文〕(第六学年) 「本当の豊かさとは何か」
V 「活用型」学習への疑問に答えるQ&A
Q1・なぜ「活用」が求められるのですか
Q2・「活用」によって、どのような学力観の変化があるのですか
Q3・「習得」「探究」との関係を国語科でどう捉えればよいのですか
Q4・「習得」するべき内容は変わりますか
Q5・「活用」する学習活動とはこれまでとどう違うのですか
おわりに

はじめに

 教育基本法が改正され、それに伴い教育三法も直ちに改正され、平成二〇年、中央教育審議会の答申を経て小学校及び中学校の学習指導要領が改訂された。教育界ばかりかマスコミ界や世論までをも巻き込んでの激しい学力低下論争もやや下火になってきた感がある。

 今、教育界の関心事は、新教育課程をいかに実現するかという点に集中している。基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成、学習意欲の向上や学習習慣の確立等々、その課題も多岐にわたっている。とりわけ、新教育課程のキーワードである「習得」「活用」「探究」の関係性が明確ではない。そのため、「活用」とは何なのか、「活用型」学習をいかに進めればいいのかが最大の課題となっている。

 そもそも「習得」「活用」「探究」なる文言が教育界で注目を集めたのは、平成一八年に中央教育審議会教育課程部会が公表した『審議経過報告』からである。そこでは、「習得と探究との間に、知識・技能を活用するという過程を位置付け重視していくことで、知識・技能の習得と活用、活用型の思考や活動と探究型の思考や活動との関係を明確にし」と提言されている。しかし、学校教育法改正後の中教審の審議で、「習得」「活用」「探究」の関係性は揺れていく。『日本教育新聞』では、平成二〇年三月三日号から平成二一年二月二三日号まで、実に四五回にわたってコラム記事「どうする活用型の学習」を連載した程である。

 本書は、小学校国語科の「活用型」学習について論及するものである。

 第T章は、いわば理論編である。

 まず、小学校国語科における「活用型」学習を三タイプにまとめて整理した。

 次に、なぜ、習得した知識・技能等を実生活に「活用」する「活用型」学習が大切なのかについて論及し、さらに、思考力・判断力・表現力等をはぐくむ「活用型」学習が形成されてきた背景について論及した。

 第U章は、実践事例編である。

 小学校低学年、中学年、高学年ごとに、「活用型」学習の授業づくりのポイントを三点に絞って示し、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと(文学)」「読むこと(説明文)」の領域ごとに、「活用型」学習の授業モデルを計一二本紹介した。いずれも授業実践に定評のあるベテランの実践者が自ら実践し、自らまとめたものである。単なる授業モデルではなく、確かな授業実践に裏付けられたモデルである。

 第V章は、「活用型」学習Q&A編である。「活用型」学習に関する様々な疑問に答えたものである。


 なお、本書の企画・編集においては、明治図書編集部の佐保文章氏に、また校正では、同編集部の井草正孝氏に多大なご尽力を賜りました。ここに記し、感謝申し上げます。


  平成二一年七月   /大熊 徹

著者紹介

大熊 徹(おおくま とおる)著書を検索»

1948年,千葉県市川市生まれ。

東京学芸大学教授,全国大学国語教育学会全国区理事,日本国語教育学会常任理事・編集部長,元市川市教育委員長など。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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