21世紀型授業づくり14国語科で育てる相互交流能力 小学校編

好評9刷

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相互交流能力を育てる学習の方向を明らかにし、話し合い学習、スピーチ学習、トピック学習などの実践例を豊富に収録。表現力から伝え合う力を育てる筋道を示した共同労作。


紙版価格: 2,060円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-325928-2
ジャンル:
国語
刊行:
9刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年11月12日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
T 生きる力を育てる国語科の相互交流能力
1 「表現力」から「伝え合う力」へ
2 「コミュニケーション」とは
3 対話能力をどうとらえるか
4 対話能力をどう育てるか
U 相互交流能力を育てる国語科の学習方向
V 相互交流能力を育てる話し合い系列学習の実際
1 幼稚園での芽生え
2 低学年の話し合い「続き話作り――きりかぶの赤ちゃん」(一年)
3 低学年の対話「つくって楽しむ劇遊び」――創作劇「チルルと森の仲間たち」(二年)
4 中学年の話し合い「劇作りの過程に話し合いを生かす」――絵本「どろぼうがっこう」(三年)
5 中学年のパネルディスカッション――物語「白いぼうし」を読み深める(四年)
6 中学年の話し合い「ごんぎつね」裁判――話し合いを通して状況や心情を理解する(四年)
7 高学年の話し合い「読書会を開こう」(五年)
8 高学年の公開討論会「守る、みんなの尾瀬を」(六年)
W 相互交流能力を育てるスピーチ系列学習の実際
1 低学年のスピーチ「わたしの大切なもの」
2 低学年のスピーチ「○○の作り方教えます」――順序よく話して伝える
3 中学年のスピーチ「町たんけん」――伝えたいことを決めて話そう
4 中学年のスピーチ「失敗したこと・はずかしかったこと」
5 高学年のスピーチ「わたしの自まん」
6 高学年のスピーチ「大切にしているもの」
X 相互交流能力を育てるためのトピック学習
1 「発音発声」―口形―
2 「群読」を楽しむ(低学年)
3 総合学習で説明する力をつける
4 いろいろなメディアの活用の仕方
あとがき

はじめに

 話す、ということは一人ではできない。必ず、そこには聞く人間がいなければならない。今さら言うまでもないことである。しかし、たったこれだけのことから、話すとは「話しかける」ことに他ならず、話しかけられれば何らかの応答があるはずで、結局「話し合う」ことだという結論がただちに導き出される。

 ところが、この当たり前のことが、長く忘れられてきたように思えてならない。私たちは、話すことを「伝える」こととしてのみとらえてこなかっただろうか。自分の考えをしっかり持って、それを、筋道立てて、きちんとした表現で聞き手に届けることに重点を置き過ぎていなかったか。それはそれで大事なことだが、そこには、コミュニケーションに不可避の、話し手の意図と聞き手の理解のずれをどのように調節していくか、あるいは、Aの意見とBの考えの交流から、新たなCという発見を生み出す可能性などをみる視点が抜け落ちがちである。ことばの教育の本来の姿からいっても、異なる価値観との共生が要請される社会状況から考えても、いま私たちが力を傾けるべきは、伝える力ではなく「伝え合う」力であることは明白である。そして、そのような力は、発達段階に応じた適切なカリキュラムの下で継続的に経験され学習されなければ決して「生きる力」として身につけることはできないであろう。このような課題は、幼稚園から大学までが同じキャンパスにあり、組織的にも交流を図りやすい附属学校がまず取り組むべきではないか。そう考えた私たちは、一九九五年、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学の国語・日本語教師が集まってお茶の水女子大学音声言語学習会を立ち上げた。以来五年余、私たちは、音声言語教育の目標を「ことば(非言語を含む)による相互交流能力の育成」という一点に定め、多忙を極める校務の傍ら、相集っては、それぞれの実践活動を交流し、授業を参観し合い、議論を続けてきた。また、二年前からは、大学の教育改善推進費の援助を受け、幼稚園児から大学生(留学生を含む)までが同じテーマ(「わたしが大切にしているものやこと」)でスピーチを行い、感想を交流する研究的実践に取り組み、相互交流能力の発達を調査、研究している1 。本書はそうした歩みの中から生み出された幼稚園、小学校における実践事例と、それぞれの教師が授業を通してつかんだ相互交流活動へのアイデアやヒントを収めた。お茶の水女子大学附属小学校の公開研究会では「ふだんの学習を見ていただく」が伝統になっている。本書もまた例外ではない。その意味では、誰もがどこででもすぐ参考にしていただけるものばかりと信じる。願わくは、本書の刊行が、志を同じくする読者諸姉兄との新たな相互交流のきっかけにならんことを。


  二〇〇〇(平成十二)年九月

   お茶の水女子大学音声言語学習会 編著者 /村松 賢一 /花田 修一 /若林 富男


 [注]

1 平成十年度 お茶の水女子大学学長裁量研究費補助金研究 研究成果報告書『スピーチの産出・理解・相互交流能力の発達(その1)実態研究編――幼児・児童・生徒・学生及び日本語学習者に関する横断的研究――』(研究代表者 村松賢一)一九九九年三月

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