鍛える国語教室シリーズ4野口流・国語学力形成法

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向上的変容を主張する著者の初めての学力形成をめざす提案事例集。何を教えるか、何を定着させるか、活動あって指導なしの状況を打破する提言。


復刊時予価: 2,430円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-322018-1
ジャンル:
国語
刊行:
8刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 176頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
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目次

もくじの詳細表示

一 学習規律・学習ルールの確立
1 一学期の学習規律づくり
2 大切な学習ルールの確立
自習監督の告白/ 自習時間の尊重と見直し/ 自習時間充実への二つの提案/ 大切な学習ルールの確立
ニ 「ノート技能」の伸ばし方
必要性の薄いノート/ 必要感を持たせる指導から/ 身につけたい四つの技能/ ノート技能を伸ばすネタ/ 高学年らしいノートの技術
三 期末・年度末の評価と点検
「一学期の実践」点検と反省/ 「一年間の実践」の点検/ テストに強くなる三つの鍵
四 教室音読の力を伸ばす
1 「教室音読」で鍛える
2 教科書教材をどう音読させるか
必ず音読させられている/ 音読の技術は低い/ 活動と学習活動とは別物だ/ 読み方の学習指導をしよう/ 技術としての読み方を教える/ 教科書をこのように音読させる
3 『お母さんの紙びな』の音読技法
教材の位置づけ/ 教材の概観/ 表現と作者名の読み方/ 「前書き」「前文」の音読/ 戦時下の回想部分の読み方/ トーンを上げていく、下げていく/ 「昇調」と「降調」と「平調」/ 「昇調」と「降調」の見分け/ 「間」をとることのむずかしさ
4 音読についてのクリニック
つかえ読みは、これで氷解/ 音読のスピードを上げるとっておきのトレーニング
五 漢字を身につけさせる指導法
1 漢字の習得力を鍛える
2 漢字習得、その効率化の難しさ ―未だにその決定打はなさそうだ
新卒時代の決心/ 秘策「これでもか作戦」/ これを継続すること一年/ 決定的な打撃・年度末標準テスト/ 漢字習得を阻む二つの壁/ 二つの壁を破る二つの指導原理/ 子どもによる漢字指導/ 輿水実先生の漢字習得への提言/ 石井方式の与えた影響/ 構成要素としての部首への着目/ 遊び、ゲームとしてのとり入れ
六 漢字指導のマスターカード これで万全!三年生の漢字の読み・書き一三九題
効果に乏しい「押しつけ型」指導法/ 繰り返しドリル法/ 宿題による家庭学習法/ 効果的な指導法アイディア/ 問題明示法/ 小出し法/ ピラミッド攻略法/ 読み書き分離学習法/ 構成・分解指導法/ 一年生で習った漢字との組み合わせ/ 二年生で習った漢字との組み合わせ/ 三年生で習う漢字だけでできたしゅく語/ 三年生で習った漢字を中心にした少しむずかしいことば
七 「学習欠点」診断のポイント
―どんな手だてで子供の学習の悪い癖・欠点を見るか―
まず「学習欠点」の発見を/ 学習欠点の諸相を捉える/ 現象の背後を探る心を/ 学習欠点支服への挑戦を
八 遅れた授業を取り戻すとっておき作戦
国語/ 算数/ 理科/ 社会
九 学級づくり・授業づくりのQ&Aとっておきの話・抄
1 学級づくり入門
学級の生活ルール/ 教室での第一声/ 雨の日の過ごし方/ 行動指示の技術/ 初心教師の三ポイント/ 伸びる教師への助言
2 担任の授業入門
新学力の授業観/ 是非やってみたい授業/ 授業のとっさの転換/ 授業のまとめ方/ 参観者をとらえる授業/ 苦手な音楽の授業/ 難しい絵の評価/ 体育の授業、私の場合
3 宿題・自学・評価
夏休みの宿題/ 宿題の計画性/ 自分から調べる課題/ 自習のさせ方/ 子どもの自己評価/ 通知表に書く言葉
十 授業の話法・教師の話術
1 よい話し方・上手な聞かせ方
はじめに/ 話法のコツは五つ/ 聞き手をひきつけるポイント/ 叱り方、たしなめ方、五つのポイント/ 表情豊かな話し方/ 声の出し方、喋り方のテクニック/ 上手な説明のしかた、分からせ方/ 話の組み立て、五つの類型/ 大ぜいの前での話し方/ 名まえの呼び方、返事のさせ方
2 話し方を支えるボディー・ランゲージ
話す能力とは話す技術のことである/ 上手に話す「目の技術」/ 上手に話す「口の技術」/ 上手に話す「耳の技術」/ 上手に話す「顔の技術」/ 上手に話す「手の技術」
あとがき

まえがき

 私達は、毎日のように子どもに「授業」をしています。一体、何のために毎日毎日、毎時間毎時間授業をしているのでしようか。改めてこういう問いを発してみると、的確にずばりとこの問いに答えられる人は意外に少ないことに気がつきます。「知識を教え、人間をつくるため」とか、「よりよい人間にするため」とかという答が返ってきますが、どうもどなたも自信ありげとは言えません。それらの答はむろん誤りではありませんが、かと言ってずばりと的を射たものとも言えないようです。

 改めて「授業」は何のためにするのでしょう。ずばりとその解を示せば「学力を形成するため」という一点になると思います。学力形成こそが授業の眼目であり、目的であり、内容であります。では「学力形成」はどのようにして可能なのでしょうか。いつも考えていることですが、音楽や体育の授業は、明らかに所期の学力を形成しているのに、国語の学力は形成されたのかされないのかどうもよくわからないのです。音楽では、上手に歌えなかった歌、うまく演奏できなかった曲が、授業を受けることによって、それぞれ上手に歌えるようになり、巧みに演奏できるようになります。体育では跳べなかった跳び箱が跳べるようになり、泳げなかったクロールが授業によって何とか泳げるようになります。このように「学力の形成」「授業の効果」が明瞭です。そこでは、学力の中核となる教科としての「知識」も「技術」もきちんと身につけられていきます。これを私は「見える学力・使える技術」というキーワードで示しています。国語の授業の姿も、何とかして、「見える学力・使える技術」を身につけるものにしていかなくてはいけないと考えています。

 さて、本書はこのような考えに立っての私の国語教室での実践をまとめたものです。「鍛える国語教室」というのも、私の授業観を表すキーワードの一つです。学力の形成に当たって大切なことは、「子どもまかせ」にしないで、教えるべきこと、身につけるべきことは、きちんと教師の責任において子どもに保障してやることです。

 この当然の原理を、私はずっと実践し続け、主張し続けてきました。「新しい学力観」は、様々の授業観の改革を迫りましたが、その真意が伝わらず、「子どもべったり」「教師の黒衣化」「教えの衰退」「放任的活動の傍観」こそがこれからの理想だという誤った風潮を広めたことも事実です。むろん、すべての授業がそうだなどと言うつもりはありません。しかし、そういう心得違いをしている教師の授業が、非難されるどころか、賞揚されるという事態も生じています。これは、とんでもない事態であり、本当に残念なことです。

 授業とは何か。改めてその原点に戻りましょう。授業は「学力形成」をこそ目指すべきなのです。そして、そのためには、子どもを「鍛える」という硬派の考え方も絶対に必要なのです。そういう場面もなくてはいけません。そもそも小・中学校の教育は一言で言えば、生涯学習の「基礎」を身につけるところです。小・中学校で行うのは、専門教育でも、高等教育でもなく、「基礎教育」なのです。「基礎」を身につける大切な時期には、本人の好き嫌いや気分を尊重するのではなく、長い人生行路を歩むこれからを見通し、本当に大切なことがらをきっちりと学力として身につけさせることこそが大切なのです。

 私は、これまでの見えにくかった国語学力を、努めて「見える学力・使える技術」として身につけさせるために、基本的に「鍛えていく」という硬派の立場をとりながら授業を作り上げてきました。そうしてやることこそが長い人生を生きていく子ども達を真に愛することになるのだという信念によるものです。本書に書かれていることがらは、すべて私の「実践をくぐらせた理論」であります。お役立て戴ければ本当に嬉しいことです。


  一九九八年四月二十六日 桜花爛漫の函館にて記す   /野口 芳宏

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