ICT活用から思考ツールまで 中学校国語の板書づくり アイデアブック

ICT活用から思考ツールまで 中学校国語の板書づくり アイデアブック

新刊

板書の引き出しがぐんと増える!

教科書の定番教材の板書モデルに基づいて、領域別に中学校国語の様々な板書アイデアを紹介する1冊。デジタルツールを使った活動モデルの提示の仕方から、思考ツールを使った内容の整理の仕方まで、授業や板書の幅が広がる工夫が満載です。


紙版価格: 2,090円(税込)

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ISBN:
978-4-18-320334-2
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2021年11月30日
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もくじ

もくじの詳細表示

第1章 毎日の国語授業の板書について考える
1 板書の基本構成に必要な5つの要素
2 領域による板書内容の違い
3 デジタルツールと手書きのよさを板書に生かす
第2章 ICT活用から思考ツールまで板書づくりのアイデア45
話すこと・聞くこと
「How」を使って,5つの言語意識を共有する
「話の構成を工夫しよう」(光村図書1年)
階層化して,スピーチの材料をすっきり整理する
「話の構成を工夫しよう」(光村図書1年)
ポイントを絞り込んで,相互評価を効果的に行う
「話の構成を工夫しよう」(光村図書1年)
モデルスライドの分析を,プレゼンづくりに生かす
「説得力のある提案をしよう」(東京書籍2年)
立場の違いの見える化で,多面的な見方を育てる
「立場を尊重して話し合おう」(光村図書2年)
マッピングで,相手・目的に応じたスピーチを組み立てる
「場面に応じて話そう」(東京書籍3年)
タブレットで撮影した姿を,視点を決めて評価する
「話し合いで意見をまとめよう」(東京書籍3年)
書くこと
どんな観点で課題をもったかを意識させる
「根拠を示して説明しよう」(光村図書1年)
モデル文で,ゴールイメージをはっきりと示す
「心に残る出来事を表現しよう」(東京書籍1年)
イメージマップで題材を広げ,段階的な提示で見通しをもたせる
「小さな発見を詩にしよう」(東京書籍2年)
垂直線1本で,課題を分析する
「根拠の適切さを考えて書こう」(光村図書2年)
ルートマップで,論の筋道をしっかり示す
「根拠の適切さを考えて書こう」(光村図書2年)
1ステップごとに板書し,具体例で活動のイメージをはっきりさせる
「短歌のリズムで表現しよう」(東京書籍1年)
付箋を電子黒板に映し,グループごとの分析結果を共有する
「観察・分析して論じよう」(東京書籍3年)
読むこと
カードをつなげて,事実と考えをはっきり分ける
「私のタンポポ研究」(東京書籍1年)
根拠―理由―主張マップで,事実と意見を整理する
「ちょっと立ち止まって」(光村図書1年)
思考ツールで,3つの思考様式を図式化する
「オオカミを見る目」(東京書籍1年)
各自の考えのポイントを電子黒板に映し,共有する
「ニュースの見方を考えよう」(東京書籍1年)
過去―現在―未来ピラミッドで,内容を整理する
「モアイは語る」(光村図書2年)
主張と根拠の関係を図式化し,観点を決めて説明文を比較する
「黄金の扇風機」「サハラ砂漠の茶会」(東京書籍2年)
観点ごとに,説得力のある文章の条件を整理する
「絶滅の意味」(東京書籍3年)
観点を決めて内容を整理し,論説文を比較,評価する
「人工知能との未来」「人間と人工知能と創造性」(光村図書3年)
表をアップデートしながら,小説の展開をつかむ
「少年の日の思い出」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書1年)
登場人物のキャラの違いを,比較マップで分析する
「少年の日の思い出」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書1年)
一語の有無を比較することで,解釈を広げる
「少年の日の思い出」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書1年)
パターン,モデル,場面を提示し,物語を編み直す
「少年の日の思い出」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書1年)
5点セットで,登場人物に対する考えを示す
「少年の日の思い出」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書1年)
「足取り地図」をかいて,物語の展開を押さえる
「走れメロス」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書2年)
「比較チャート」で,登場人物の変容を捉える
「走れメロス」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書2年)
マトリックスで,登場人物を分析する
「走れメロス」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書2年)
2つの教材を比較提示し,表現の特徴を探る
「走れメロス」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書2年)
心情曲線で,登場人物の心情変化とその原因をまとめる
「故郷」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書3年)
観点を決めて人物のビフォーアフターを示し,原因を探る
「故郷」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書3年)
叙述をたくさん取り出し,分類,ラベルづけする
「故郷」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書3年)
反論―再反論をして,登場人物の考え方を批評する
「故郷」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書3年)
詩の形式を使って,期待感を表現する
「見えないだけ」(光村図書2年)
叙述を取り出し,対比と比喩で読み解く
「わたしを束ねないで」(光村図書3年)
5W1Hで,短歌を物語にする
「短歌を楽しむ」(東京書籍2年)
五感で,俳句の世界をくっきり描く
「俳句の読み方,味わい方」(東京書籍3年)
俳句の[  ]に入る言葉を考える
「俳句を味わう」(光村図書3年)
観点を決めて,古典二大随筆の個性を比べる
読むこと/「枕草子」「徒然草」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書2年)
登場人物の心情を入れて,古典作品を書き換える
「おくのほそ道」(教育出版,三省堂,東京書籍,光村図書3年)
言葉の特徴や使い方
小説の助詞・助動詞を変身させて,意味の違いを考える
文法「助詞・助動詞」(2年)
情報の扱い方
観点を決めて,情報を分類する
「比較・分類」(1年)
我が国の言語文化
イメージ&トレースで,美しい字の感覚をつかむ
書写「点画の変化」(1年)

はじめに

 1つの教室に生徒が集い,同じ教材を使い,同じペースで授業を進めていくという現在の国語の授業スタイルを行っていく中で,板書は生徒の資質・能力向上にとって3つの大きな役割をもちます。


 1つは「学びの羅針盤」としての役割です。

 この授業がどこを目指しているのか,そして,目的地にどのようにして到達して行こうとしているのかを板書で示します。

 もちろん,授業の導入で教師が,

 「今日は,『少年の日の思い出』の主役の『僕』が,これまで苦労して集めたチョウをなぜつぶしてしまったのかについて考えよう」

と口頭で生徒に呼びかけても,生徒にとっては,今日の授業はどこを目指しているのかは十分に伝わります。

 けれども,それだけではやはり不十分でしょう。

 教室には,様々な個性をもった生徒がいます。今日の国語の授業を受ける気分も生徒により様々です。授業の導入で教師が伝えた言葉を集中して聞き取れた生徒もいれば,聞いていない生徒もいます。聞き取った学習課題を反芻したいと思う生徒もいます。授業の途中で,現在行っている活動に対して迷いをもち,本時の方向を確認したいと思う生徒もいます。従って,生徒にとっては,学習課題を筆頭に,本時の授業がどこに向かい,どうやって進むのかといったことが板書で明示されていることは,教師が思っている以上に大きな意味をもちます。

 一方,教師にとっても,授業の目的等を板書することは授業力向上にとって重要な意味をもちます。それは端的に言って,「学習の一貫性」を生徒に保障することです。国語でありがちなのは,教師と生徒の問答が繰り返され,どこまで行ったら本時のゴールにたどり着くのかわからない,ダラダラした授業です。こういった「迷走」に陥らないためには,授業の導入での学習課題の板書の内容を吟味することが第一歩です。教師は,学習課題を板書し,本時のゴールを生徒に言わば宣言するわけです。そうすることにより,教師自身の中でもゴールが明確になり,ゴールに向かう一貫性のある授業を行おうという意識が高まるのです。


 2つめは,「学びの共有の場」としての役割です。

 生徒個々の発言は,音声言語ですから,すぐに消えていってしまいますが,板書することにより,それぞれが伝えたいことを黒板上に位置づけることができます。

 例えば,「少年の日の思い出」の主役の「僕」が,これまで苦労して集めたチョウをなぜつぶしてしまったのかという問いに対しては,「自分にはチョウを集める資格がないと思ったから」「集めたチョウを見ているとつらい気持ちになるから」など,様々な考えが出されます。

 生徒は,自分には思いもつかなかった考えであったり,違和感をもつ考えであったり,多様な考えと出会うことができます。他者の考えの内容を知り,意見交換することで,学びは深まり,また広がっていきます。

 また,板書された考えは,どこに着目して,どのような考え方をしたのかについて教師が生徒に説明させたり,生徒の説明を意味づけたりすることで,課題解決の力の高まりにつながります。つまり,板書された互いの学びそのものからも,また,板書されたことをきっかけにした活動からも学びの共有がなされていくのです。


 最後に,3つめとして「学びの達成感」をもたせる役割です。

 このように述べると「まとめ」とか「振り返り」を板書することというように理解する方も多いと思います。もちろん,学習課題と対応した授業のまとめを板書することは,課題に対する答えを獲得することになり,また,課題解決の方法の自覚化をすることにもなるので,重要なことです。

 さらに,もっと大事なことは,学習課題から始まり,協働追究での自分の考えや仲間の考えが書き込まれた板書を見て,1時間の学習でのがんばりを確かめることでしょう。


 国語授業の板書は簡単ではありません。

 しかし,板書は生徒一人ひとりの追究のまなざしが輝き,仲間と刺激し合い,学びの満足感が広がる授業づくりの軸です。

 本書の提案が,読者の先生方の日々の授業の板書に,少しでも参考になれば幸いです。


  2021年11月   /小林 康宏

著者紹介

小林 康宏(こばやし やすひろ)著書を検索»

長野県生まれ。横浜国立大学大学院修了後,長野県内の公立小中学校に勤務し,長野県教育委員会指導主事を経て,現在,和歌山信愛大学教授。

日本国語教育学会理事。全国大学国語教育学会会員。東京書籍小学校国語教科書「新しい国語」編集委員。東京書籍中学校国語教科書「新しい国語」編集委員。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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