国語教育選書
小学校国語科 〈問い〉づくりと読みの交流の学習デザイン
物語を主体的に読む力を育てる理論と実践

国語教育選書小学校国語科 〈問い〉づくりと読みの交流の学習デザイン物語を主体的に読む力を育てる理論と実践

自ら〈問い〉をもち、更新し続ける主体的な読み手を育てる!

学習者自身が〈問い〉をもち、交流を通して〈問い〉を更新しながら物語を主体的に読み進めていく「〈問い〉づくりと読みの交流」。オーセンティックな学習を成立させるための理論から、学習の進め方や板書例、交流や単元構成のポイント、定番教材での実践例までを紹介。


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ISBN:
978-4-18-313544-5
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2020年9月30日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 読みの学習における〈問い〉と読みの交流
1 読みの学習と子どもの主体性
2 読みの学習と読みの交流
3 読みの学習と〈問い〉
第2章 〈問い〉づくりと交流のある読みの学習
〈問い〉づくりのねらい
1 〈問い〉づくりという言語活動
2 〈問い〉によって課題意識を生む
3 〈問い〉を通して物語の特徴に気付く
4 〈問い〉づくりで読みの力をつける
交流のねらい
5 〈問い〉を話題として交流する
6 目指したい交流@ 解釈・読解方略が表れる発話
7 目指したい交流A 〈問い〉を価値付ける発話
〈問い〉づくりの前提
8 「価値ある〈問い〉」を位置付ける
9 〈問い〉づくりの前提条件
10 〈問い〉づくりの前提条件から広がる学び
11 学習者が考える「価値ある〈問い〉」の要件
12 学習者の〈問い〉と教師の〈問い〉
〈問い〉づくりと交流の進め方
13 「解決→課題設定」の流れで展開する
14 学習の流れ@ 基本的な展開
15 学習の流れA 〈問い〉の検討に特化した展開
16 教師の役割@ 〈問い〉づくりを念頭に教材分析をする
17 教師の役割A 学習者の〈問い〉を提示する
18 教師の役割B 次時に扱う〈問い〉を検討する
19 3つのルートで〈問い〉づくりを始める
20 学年・学級に応じた単元構成を考える
第3章 〈問い〉づくりと読みの交流の学習デザイン
単元の流れと全時間の指導のポイント
【4年】白いぼうし
定番教材の実践例
【3年】モチモチの木
【4年】ごんぎつね
【5年】大造じいさんとガン
【6年】海の命
おわりに

はじめに

 平成31年3月29日文部科学省通知の「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」では,評価の観点が,「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」とされました。この「主体的に学習に取り組む態度」は,学習指導要領における「学びに向かう力・人間性等」に対応するものですし,学校教育法でも,学力は「基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うこと」と表現されているのですから,仕方がないのかもしれませんが,それでも違和感は残ります。学校教育法における「態度を養う」ことと「態度」そのものは違うし,そもそもの「学びに向かう力・人間性」には,もっと自ら学びをデザインするとか,自らの学びをモニターするとか,学習の過程を自らマネジメントするとか,そういうニュアンスがあったものがかき消されてしまう印象が残ります。

 通知では,知識・技能や思考力・判断力等を身に付ける学習において「粘り強い取組の中で,自らの学習を調整しようとしているかどうか」をポイントに挙げています。そして,この観点の評価は,これだけ独立して行われるのではなく,「粘り強い取組」「自らの学習を調整」の2つの点を含めることとしています。「自らの学習を調整」の概念は,「主体的に学習に取り組む態度」の評価方法および評価場面などを具体化する際のための鍵になるはずです。「自己調整」の内容としてよく指摘されるのが,次の3つです。


 @学習の計画段階で,目当てを考えたり,学習の見通し(方略)を考えたりする

 A学習の進行場面で,自らの学習自体をモニターし調整する

 B学習の結果としての目標の達成状況を自己評価する


 しかし,現状でも,形式的に授業の目当てを考えさせる場面が設定されたり,これまた形式的に学習の振り返りと成果の確認が行われたりしている実態があります。それが評価に直結するようなことになると,学習の空洞化を促すのではないかとおそれます。


 「読みの交流」という学習は,それを促す〈問い〉が大きな意味をもっています。そのことに即して問いの要件,〈問い〉づくりの研究が進められてきたわけですが,この本は,学習者自身が〈問い〉のもつ意味を自覚しつつ,〈問い〉づくりそのものも協同的な学習として成立させようという意図をもっています。

 これは,まさに「読みの交流」を自己調整のプロセスとして見ることにつながり,考えてみると,先の3つの内容を含んでいるものです。

 読みの交流の学習は,個の読みの見直しと他者の読みの理解を同時に達成することで成立します。そのことの評価は,○×式の知識確認テストでは行えるものでなく,「わたしは『ごんぎつね』をどう読んだか書けている」というような批評的達成で行うしかないとしてきました。しかし,同時にその学習の過程は自己調整を含む「学びの主体性」を評価できるプロセスになっています。何回挙手をしたとか,何回発言したとかいう外形的・形式的なものではない,本当の評価ができる学習としてデザインされているものです。第3章に見る実践編での学習者の学びの実態は,そのことをよく示しているはずです。

 〈問い〉づくりによる読みの交流の学習は,いわゆるオーセンティックな学習(実の場における学習)を成立させることで,まさに主体的な学びを実現するものだと確信します。


  2020年1月   /松本 修

著者紹介

松本 修(まつもと おさむ)著書を検索»

玉川大学教職大学院教授。

栃木県宇都宮市生まれ。筑波大学人間学類を卒業後,栃木県立高等学校国語科教諭として13年あまり勤務。かたわら、宇都宮大学大学院修士課程,筑波大学大学院教育学研究科研究生として学ぶ。上越教育大学国語コース,学習臨床コース,教職大学院を経て現職。

西田 太郎(にしだ たろう)著書を検索»

東京福祉大学短期大学講師。

広島県呉市生まれ。東京学芸大学教育学部を卒業後,公立小学校(東京都)に15年あまり勤務し,現職へ。その間に玉川大学教職大学院を修了し,現在,日本体育大学大学院教育学研究科博士後期課程で研鑽を積んでいる。国語科学習デザイン学会理事。玉川国語教育研究会代表。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 読みにおいて自然に問いがわいてくる場合はもちろんあるが、それと問いづくりをしながら読み進めることとの必然性がよくわからない。やや理屈っぽい。
      2020/3/150代・小学校管理職
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