- はじめに
- 第0章 若手教師を卒業したら向き合いたい学級経営にかかわる5つの問い
- 何のために学級経営をしているのか?
- 「自立する」とはどういうことなのか?
- 「相手意識」はなぜ必要なのか?
- 「やるべきことをやる」のはなぜか?
- 「他者を認める」とはどういうことなのか?
- 第1章 子ども対応 OVER35
- 価値観を子どもに押しつけるな! でも、確固たる判断基準はもて!
- 「優しい」と「甘い」の違いを認識せよ!
- 一見もっともらしい「理想の教師像」から逃れよ!
- モテようとするな!
- (おじさんでも)女子力は高めに保て!
- 子どもの内面を知るツールをもて!
- 子どもにさせるなら、自分もやれ!
- 第2章 生活指導 OVER35
- 大事なことの「後出し」をするな!
- 「掃除はつまらないものだ」と心得よ!
- 給食を完食するべき理由を問え!
- 「できるようにする」ことにこだわれ!
- 子どもが「これは逃げられないな」と思うところまでやれ!
- ものがなくなるのは担任を含む学級全員の責任と心得よ!
- 子どもがいない教室に子どもの姿を見いだせ!
- 自身の言行不一致に敏感になれ!
- 個別対応に埋没するな!
- 「できなかったらペナルティ」は卒業せよ!
- 代案のない「つまらない」を見逃すな!
- あえての「理由攻め」で追い込め!
- 「朝の会・帰りの会」の役割を問い直せ!
- 第3章 授業づくり OVER35
- 「授業は学級経営の根幹」と心に刻め!
- 無意味なルールに疑いの目を向けよ!
- ノートを取るより、発言させよ!
- ノートを取るのが効果的な3つの場面を意識せよ!
- 教室の「聞く状態」にこだわれ!
- 話し手ではなく、聞き手を注視せよ!
- 「自力解決」にこだわるな!
- 話すことで自信をつけさせよ!
- 「どうして勉強しないといけないの?」に対する答えをもて!
- 学級全員を同じスタートラインに立たせる術をもて!
- 「予想外」を楽しめる授業者になれ!
- 第4章 保護者対応 OVER35
- 気になる保護者のことで頭を一杯にするな!
- 「子どもファースト」を普遍の価値観と思うな!
- するかどうか迷ったら、しろ!
- トラブル対応は「細やかさ×スピード」と心得よ!
- 「人は見た目で判断される」と心得よ!
- 通知表は、辻褄合わせではなく、材料で勝負しろ!
- 失敗よりも、手抜きが招く結果を怖れよ!
はじめに
教師というのは、とても楽しい仕事です。
なぜなら、自分の個性を思いきり発揮してよいからです。
もしかすると、若手や中堅の先生の中には、
「今の時代、教師はなかなか個性が出せない」
と思っている方もいるかもしれません。
確かに、隣のクラスや学校全体でそろえなければならないこともあります。
しかし、そんなのはどんな仕事でも当たり前のことです。まわりとの調和を考えないで、自分勝手に振る舞うことはできません。
しかし、いざ子どもの前に立つと、臨機応変に対応しなければならないことの連続です。臨機応変に対応するということは、そこでは、自分の個性を存分に発揮してよいということです。
さて、この本を手に取ってくださった先生は、ある程度教師の経験を積んできたものの、多かれ少なかれ、今の自分の学級経営に不安を感じている方が多いのではないかと思います。
でも、安心してください。
それは私も同じです。
というか、学級担任を何十年経験しても、自分の学級経営に絶対の自信をもっている先生などいないと思います(もしいるとしたら、そんな人は信用してはいけません!)。
学級経営というのは、最終的には、自分でよりよいと思う方法を選択し、覚悟を決めて実践し続けていくしかないと思います。
しかし、ただ年齢を重ね、教師生活を続けているだけでは、自分で考え、自分の責任で行動できるようにはなりません。
本書では、そういった自立した教師≠ニして学級経営を行っていくために、教職を10年程度経験した「ポスト若手世代」が心得ておくべきだと私が考えることをまとめました。
(本書で紹介していることも含め)その方法がよいか悪いか、そんなことは実際にやってみないとわかりません。
成功するとか失敗するとか、そんなことは二の次で、自分が今「やるべきだ」と思うことを覚悟を決めてやりきることこそが、自立した教師になるための第一歩ではないかと思います。
学級経営は、愛です。
子どもと保護者への、愛です。
いつも、自分の精一杯の愛を学級に注いでください。
精いっぱいの愛は、個性と覚悟がないと注げません。
愛は、「あなたでなければいけないの!」というものですからね。
(私は何を言っているんでしょうか…)
ということで、みなさんで一緒に楽しく学級経営に悩みましょう!
2020年2月 /加固 希支男
自分の年齢に応じた、教師としての在り方についての示唆に富んだ一冊かと思う。
読者層の幅は少ないかもしれませんが、自分にとっては読んで良かった一冊となりました。