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電子書籍とは？もくじ
- まえがき
- 第１章 教室の環境整備
- １ 教室環境の整備原則は？
- 背景要因１ 想定外のことでパニックになる
- 背景要因２ 文字情報だけではイメージがもてない
- ２ 座席位置決定の配慮ポイントは？
- 背景要因１ 長時間集中することが苦手
- 背景要因２ 関わり（スキンシップ）を求める
- ３ 当番活動・係活動の配慮ポイントは？
- 背景要因１ やり方がわからない
- 背景要因２ 集中力が続かない
- COLUMN インクルーシブな教育
- 第２章 コミュニケーション
- １ 子ども同士の関係づくりのための指導ポイントは？
- 背景要因１ 触れられることに対しての感覚過敏
- 背景要因２ 思いを言葉にすることに難しさがある
- ２ 思ったことを直ぐに口に出して表現する子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 衝動性
- 背景要因２ 他者の気持ちを読むことの苦手さ
- ３ 困っても人に頼れない子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 頼り方がわからないから頼れない
- 背景要因２ 完璧主義だから頼れない
- ４ ものすごく理屈っぽく，過度の論理的な物言いをする子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 勝ち負けにこだわる
- 背景要因２ 相手の感情が類推しづらい
- COLUMN 通級による指導
- 第３章 生活指導
- １ 特定の子どもや教師への攻撃がある子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ お試し行動
- 背景要因２ フラッシュバック
- ２ 絶対に謝罪しない子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 「ごめんね＝悪い子」
- 背景要因２ 「だって＝自己防衛」
- ３ 次の見通しがもてない場面での不安が大きい子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 見通しをもつ困難さ
- 背景要因２ マイナス体験
- ４ 忘れ物が多かったり，指示等をすぐに忘れてしまう子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 記憶をとどめておくことができない
- 背景要因２ 注意力を持続させることができない
- ５ モノの整理ができずに持ち物等が混乱している子どもへの指導ポイントは？
- 背景要因１ 片付け方のイメージがもてない
- 背景要因２ 不注意・注意集中の困難さ
- COLUMN ワーキングメモリ
- 第４章 授業
- ○指導の基礎技術
- １ じっとしておくことが苦手な子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 脳の前頭葉の働きが弱い
- 背景要因２ 話の内容理解・注意を向けることができない
- ２ おしゃべりが止められない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 行動のコントロールが難しい
- 背景要因２ こだわりが強い
- ３ 固まってしまい，動けない，話せない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 場面緘黙
- 背景要因２ 知的障害など心理的緊張で固まる
- COLUMN 吃音
- ○学習内容
- １ 九九，漢字，公式などが覚えられない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 記憶しているのに，うまく思い出せない
- 背景要因２ 不器用さや筆記技能によって，書き表せない
- ２ ノート等に写すことが難しい子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 記憶に困難がある
- 背景要因２ 手先が不器用である
- ３ 教科書を読めない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 音韻認識や見る力が弱い
- 背景要因２ 語彙や文法知識が少なく，推論する力が弱い
- ４ 宿題をしてこない，こられない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 読み書きに困難がある
- 背景要因２ 物の整理・整頓，管理が苦手である
- ５ 入退院を繰り返すなど，学習の積み重ねが難しい子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 長期欠席による学習空白
- 背景要因２ 経験や体験の不足による自信の喪失
- ６ 見ることが難しく，周囲の情報が認知できない子どもへの対応ポイントは？
- 背景要因１ 座学の場面で，手元や黒板の細かい部分が見えない
- 背景要因２ 体育や全校行事の場面で，全体の様子を把握できない
- COLUMN 英語教育とディスレクシア
- 第５章 連携・接続
- １ 教育支援員等，支援に入る教職員との日常的な連携ポイントは？
- 背景要因１ 担任をキーパーソンとする教師の指導体制が整っていない
- 背景要因２ 情報共有するための時間確保が難しい
- ２ 特別支援学級の交流及び共同学習における日常的な連携ポイントは？
- 背景要因１ ねらいが共有できない
- 背景要因２ 子ども同士の関係の弱さ
- ３ 通級による指導を受けている子どもについての通級指導担当者との連携ポイントは？
- 背景要因１ 「通級指導」に関する知識不足
- 背景要因２ 「困り感」の把握不足
- COLUMN 院内学級での関わり
- あとがき
まえがき
こんにちは。青山新吾と申します。
このたび，堀裕嗣さんと一緒に「特別支援教育すきまスキル」シリーズを編集させていただきました。小学校下学年版と小学校上学年・中学校版の２冊が同時に刊行されました。お手にとっていただきありがとうございます。
平成19（2007）年に学校教育法の一部改正があり，特別支援教育は法律に位置づけられて本格的に始まりました。それから10余年が過ぎ，時代はインクルーシブ教育システムを構築し，共生社会の形成に向けての教育を進めていこうと動いています。しかし，実際には，学校現場の中で特別支援教育が十分に機能しているとは言えないように思うのです。多くの学びにくさ，生活しにくさのある子どもたちが安心して学べているとは言い難い状況が散見されるように思えます。
その理由は多岐にわたっています。中でも，その大きな理由として，小・中学校の教員が，学校現場の実態に応じた特別支援にかかわる基礎的なスキルを持ち得ていないことがあげられるでしょう。ここで言っている基礎的スキルとは，普通の教師が普通に行えるレベルのものを指しています。特別支援教育を専門的に深く学んでいる一部教師だけが行えるものを指してはいません。
本書は，学校現場で日常的に目にする光景に対して，誰が行ってもこれだけはやりたいという基礎的スキルを整理し，提供することを目的としています。
しかし，本書は単なるスキル紹介の書籍ではありません。学校現場でよく聞かれる「困っているのですが，どうしたらよいですか？」という問いに，直ぐに応えるものではありません。そうではなくて，スキルを導き出した思考の仕方も合わせて示していくものになっています。
先ず本書では，学校現場の日常の中で生じそうな状況をピックアップしました。そして，それぞれに応じて
・その状況の背景要因の分析
＝なぜその状況が生じているのかを読み解くこと
・そのために知っておくべき知識
・その状況に対しての
①集団に対する指導スキル ②個別の支援スキル
をパッケージにして示しています。これは，いかなる状況に対しても，教師が思考する手順を示しているのです。
困った状況に対して，直ぐに指導や支援を行うのではなくて，先ずは背景を読み解いていきます。また，何でも個別に支援するのではなく，その状況が生じている集団全体にアプローチを試みます。同時に，個別の支援も検討していくのです。特別支援においては「集団の中の個」という見方が重要です。本書で私たちは，集団と個のバランスを意識して，スキルを学んでいくことを提案しています。この提案が，多くの支援を要する子どもたちだけでなく，その周りの全ての子どもたち，そして多くの大人にとって少しでも役立つものになれば幸せです。
／青山 新吾
また、明日からやってみよう。と思えるような内容のものもあり、大変参考になった。
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