- まえがき
- 第1章 アドラー心理学―基本の「キ」
- 1 アドラー心理学とは?
- 2 民主的な教育観をもとにした視点
- 3 過去の原因探しをしない心理学
- 4 勇気づけの心理学
- 5 共同体感覚の育成を目指す心理学
- 第2章 アドラー心理学による学級づくりの4段階
- 1 適切な行動,あたりまえな行動を認める(第1段階)
- 2 子どもと対等な横の関係をつくる(第2段階)
- 3 競争よりも協力を大切にする(第3段階)
- 4 自律した学級をつくる(第4段階)
- 第3章 365日の学級経営にアドラー心理学を生かす
- 1 アドラー心理学はどんな場面で活用できるか
- 2 学級開きにアドラー心理学を生かす
- 3 友達関係づくりにアドラー心理学を生かす
- 4 学級のルールづくりにアドラー心理学を生かす
- 5 授業づくりにアドラー心理学を生かす
- 6 行事指導にアドラー心理学を生かす
- 第4章 「ほめる」→「勇気づけ」で教室を変える
- 1 「ほめる」と「勇気づけ」の違い
- 2 自律的な行動につなげる「勇気づけ」
- 3 勇気づけトレーニング―勇気づけがうまくなる秘訣
- 4 日常場面の勇気づけ
- 5 授業中の勇気づけ
- 6 トラブル場面の勇気づけ
- 第5章 教室に共同体感覚をはぐくむポイント
- 1 共同体感覚とは何か
- 2 子どもの社会性を育てるアプローチ
- 3 クラス会議で共同体感覚をはぐくむ
- 4 授業中に共同体感覚をはぐくむ
- 5 トラブル場面で共同体感覚をはぐくむ
- 第6章 アドラー心理学を生かした問題場面への対応術
- 1 過度の注目をひく行動への対応術
- 2 教師に対する反抗的行動への対応術
- 3 迷惑行動・無気力,無関心への対応術
- 4 いじめ問題への対応術
- 5 不登校問題への対応術
- あとがき
まえがき
この『勇気づけの教室をつくる!アドラー心理学入門』という本はアドラー心理学をベースにした学級づくり,学校づくりについて,一小学校教師が提案する方法についてまとめた本です。
精神科医アルフレッド・アドラー(1870〜1937)は「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と述べ,心のありかを,人と人との間に置きました。個人をこれ以上分割できない全体としてとらえ,ある目的に向かって生きる目的的な存在だと考えました。
「なぜあのときあの子どもは掃除をさぼっていたのだろう」
「なぜあのときあの子どもは騒いでいたのだろう」
「なぜあのときあの子どもは教室を飛び出していったのだろう」
「なぜあのときあの子どもは切れてバケツの水をぶちまけたのだろう」
「なぜあのときからあの子どもは学校に来なくなってしまったのだろう」
アドラー心理学を学ぶことで,今までもっていた解と違うものが出てくるかもしれません(きっと出てくるでしょう)。それは,今までの解やそれに応じた方略を否定するものではなく,あなたが手にする解と方略の幅が何倍にも広がるということです。
アドラー心理学を学ぶことで,今までやっていたあたりまえのことがあたりまえでなくなり,今までの自分とは違った指導方法をとることを迫られるかもしれません。
アドラー心理学を学ぶには,勇気が必要です。アドラー心理学はあなたがあなたの課題に向き合うことを迫り,あなたが変わる決断をすることを応援し,あなたがあなたらしく生きることを支えます。
まずは,この本を手に取っていただけたことに感謝し,ページを開き,勇気づけの学級をつくる仲間になっていただくことを心から願います。
コメント一覧へ