- まえがき
- 第1章 日々の暮らしから再発見 日本のよさを伝えるお話
- 日本を代表する衣服 美しい着物
- 正座 しびれるのに正しい座り方?
- 和室は日本人の知恵の宝庫
- お辞儀と握手が大切な理由
- 世界へ進出する日本の醤油
- 切っても切れない「日本人」と「お茶」
- 季節と節目を彩る和菓子
- 世界に羽ばたく折紙
- 賢さを鍛えるそろばん
- 文化としてのランドセル
- 外国人が驚くトイレの技術
- 昔話・伝説・神話で楽しむ不思議な世界
- 日本語が「外国語」になる?!
- 歌い継がれてきた民謡・わらべ歌・子守唄
- 「道」が示す修行の文化
- 世界に広まる日本の武道
- 守り継がれる世界遺産・世界無形文化遺産
- 物作りの心―発明国日本
- 驚くべき長寿国―長生き日本人
- 第2章 四季を大切にする子を育てる 年中行事にまつわるお話
- [一月]おせち料理に込められた願い
- [一月]今年の干支はなあに?
- [一月]伝えていきたい お正月にまつわる伝統行事
- [一月]昔ながらのお正月遊びに興じる
- [二月]節分で邪気を追い払え
- [三月]ひな祭りで女の子の成長と幸せを願う
- [三月〜五月]お花見は笑顔と共に
- [六月]衣替えはなんのため?
- [七月]七夕飾りに願いを込めて
- [七月・八月]世界に誇る日本の花火
- [八月]ご先祖様を供養するお盆
- [九月]桜と双璧を成す「菊」のお話
- [九月]お供えでお月見を楽しむ
- [九月〜十二月]紅葉前線を知って紅葉狩りを楽しむ
- [十一月]子どもの健やかな成長を願う七五三
- [十二月]風邪を吹き飛ばす冬至の行事
- [十二月]願いが込められた大みそかのならわし
- 第3章 明日は何の日? 祝日の由来を知るお話
- [一月一日]元日・元旦―お年玉はお餅?
- [一月第二月曜日]成人の日―おとなになるお祝い
- [二月十一日]建国記念の日―古代を知るきっかけに
- [三月下旬]春分の日―年によって日にちが変わる
- [四月二十九日]昭和の日―変化の大きかった昭和時代
- [五月三日]憲法記念日―憲法とくらしの関係
- [五月四日]みどりの日―緑化について考える
- [五月五日]こどもの日―端午の節句と共に
- [七月第三月曜日]海の日―島国・日本が誇る海の恵み
- [八月十一日]山の日―最も新しい祝日
- [九月第三月曜日]敬老の日―漢字からわかるお祝いの歳
- [九月下旬]秋分の日―彼岸花のイメージをふくらませながら
- [十月第二月曜日]体育の日―外遊びに誘うきっかけに
- [十一月三日]文化の日―博物館の楽しさを伝える
- [十一月二十三日]勤労感謝の日―勤労と生産に感謝して
- [十二月二十三日]天皇誕生日―天皇=日本国の象徴
- 第4章 子どもの心に留める 記憶に残したい日のお話
- [一月八日]平成が始まった日―「平成」ではなかったかも?
- [一月十七日]阪神・淡路大震災が起きた日―ボランティア元年
- [二月七日]北方領土の日―教師自身が理解を深めて
- [三月十一日]東日本大震災が起きた日―未来に生きる教訓
- [五月十五日]沖縄が本土復帰―今も続く基地問題
- [六月十日]時の記念日―時間を守る日本人
- [八月六日・九日]広島・長崎に原爆投下―平和を願う日
- [八月十五日]終戦記念日―忘れてはいけない平和国家の原点
- [九月一日]防災の日―避難訓練で備える
- [十月十日]東京オリンピック開催―アジア初開催
- [十月十四日]鉄道の日―世界に誇る高い技術力
- [十二月十日]湯川秀樹博士・日本人初のノーベル賞受賞
- 第5章 ここぞというときに伝えたい 名言・格言で心を育むお話
- 小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道。(イチロー)
- 電池はすぐにとりかえられるけど命はそう簡単にはとりかえられない(宮越由貴奈)
- しつけの三原則
- (一)朝のあいさつをする子に。
- (二)「ハイ」とはっきり返事のできる子に。
- (三)席を立ったら必ずイスを入れ、ハキモノを脱いだら必ずそろえる子に。(森 信三)
- 人に好かれたいなら 人を好きになる事だ やさしくされたいなら やさしくしよう 自分を信じてほしいなら 人を信じよう(『ROOKIES』)
- 胸の中の〈思い〉は見えない けれど〈思いやり〉はだれにでも見える(宮澤章二)
- ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。(やなせたかし)
- 成功の反対は失敗ではなく、本当の失敗は何もしないこと。(栗城史多)
- 「ありがとう」と言う方は何気なくても、言われる方はうれしい。 「ありがとう」これをもっと素直に言い合おう。(松下幸之助)
- ならぬことはならぬものです。(会津藩・什の掟)
- 走った距離は裏切らない。(野口みずき)
- 想定にとらわれるな。(片田敏孝)
まえがき
日本には、昔からある伝統行事、豊かな文化、誇るべき技術等、多くのよさがあります。私は、それらについて、子どもたちにもっと伝えるべきであると考えます。
自国の先人が、どのようにして伝統と文化をつくり、発展させてきたかを知ることは、子どもたちの教育にとって大切なことです。そこで得た知識が、子どもたちのものの見方や考え方の基盤になるからです。
今後さらに国際化する社会で、子どもたちは生きていきます。他国の人々と交流する中で、自国についての知識や、それを説明できる力を身に付けることが不可欠となってきます。
この本は、このような視点から子どもたちに伝えたいお話を、75本選んだものです。
「日本のよさを伝えるお話」「年中行事にまつわるお話」「祝日の由来を知るお話」「記憶に残したい日のお話」「名言・格言で心を育むお話」の五つの内容について記しました。私たちが子どもたちに伝えたい内容ばかりです。
たとえばお正月や節分といった年中行事や祝日の趣旨、日常生活での日本の特色等について、学校で教える機会はそれほど多くはありません。そのことを伝えるだけで、教育的な意義は大きいと思われます。
そして、その中で、「ああ、日本にはこんなにすばらしい点があるんだ」「すごいなあ。先人の知恵は」といったことを感じさせたいものです。
本書にある一つ一つの項目は、二〜三分程度で子どもたちに読み聞かせできるものです。朝の会や帰りの会はもちろん、関連する授業や給食時間等で短時間に話すことが可能です。決して多くの時間を割く必要はありません。教室に常備して、ちょっとした時間に活用していただければと思います。また、学級通信等に「ちょっとしたエピソード」として、この本の内容を紹介することもできます。
タイムリーな話題に子どもたちは、興味を示すと思います。
なお、書かれている内容については正確さを期しましたが、内容によっては言い伝えが推測の場合がありますし、風習等は地方によって異なる場合もあります。その点を考慮して、読み聞かせていただければと思います。
この本を通じて全国各地の教室で多くのお話が伝えられていくのなら、著者として望外の喜びです。
本書の発刊に際しては、明治図書教育書編集部の林知里さんに大変お世話になりました。企画や具体的な編集のみならず、転載許諾や内容の事実確認等、細かな部分までご支援いただきました。
心より感謝申し上げます。
平成二十八年三月 /佐藤 正寿
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- 明治図書
- 日々の教育活動に活かせる内容が多く、とても参考になりました。2020/2/2930代・小学校教員
- なるほど!と思う内容が多かった。子供たちに話して聞かせていきたい。2016/10/1220代・小学校教員