- まえがき
- CHAPTER1 上からの要求と下からの要求を調整する
- 01 調整役を買って出る
- 02 若者をメチャクチャ可愛がる
- 03 自らを発展途上人と意識する
- CHAPTER2 フォロワーとしての自覚をもつ
- 01 隙間仕事を意識する
- 02 〈成長〉より〈成熟〉を目指す
- 03 若者のウィークポイントを埋める
- CHAPTER3 メッタメタにメタ認知する
- 01 知識が思考に広がりと深まりをもたらす
- 02 ヒドゥン・カリキュラムを意識する
- 03 職員室カーストを意識する
- CHAPTER4 年下の論者から意識的に学ぶ
- 01 世代的バイアスを意識する
- 02 若手実践者のものの見方を学ぶ
- 03 若い世代こそが思考革命をもたらす
- CHAPTER5 遊ばないから老いるのだと心得る
- 01 時間に柔軟性をもつ
- 02 遊びのなかで他者を学びの対象とする
- 03 老いたから遊ばなくなるのではない 遊ばなくなるから老いるのだ
- CHAPTER6 ゆらゆらするのも人生の醍醐味だ
- 01 復路をどう生きるのかを決める
- 02 クラゲのように生きる
- 03 ただ受け止め、ただ引き受ける
- CHAPTER7 人の上に立つことの覚悟をもつ
- 01 コミュニケーション能力は配慮力である
- 02 女性教師に気持ち良く働いてもらう
- 03 人の人生に関わっているのだと自覚する
- CHAPTER8 時代をつくるときが来た
- 01 承認欲求を満たさなければならない
- 02 圧倒的なデータベースが欲しい
- 03 これからの二十年は四十代にかかっている
まえがき
こんにちは。堀裕嗣と申します。四十九歳と九ヵ月です。
苦しいですね、四十代。明日が不安ですね、四十代。責任に押しつぶされそうになりますね、四十代。上司の気まぐれで悔しさに涙こらえることも、あまりにも力のない若手にあきれ果てることもあります。帰り道。叫び出したくなることさえ少なくありません。自家用車通勤ならそれもできますが、電車・バス通勤ではそんなわけにもいかない。わかりますよ。僕も四十代ですから……(笑)。
自分が高校生や大学生の頃、父親がなぜ、あんなに不機嫌だったのか。二十代の頃、毎日電車で見かけるおじさんがなぜ、あんなにも疲れていたのか。でも、人を押しのけてまでギラギラするおじさんやおばさんにはなりたくない。「夢」とか「希望」とか、そんな言葉はもう過去のものになってしまった……そんな気がする。かつての自分はどこに行ってしまったのだろう。そんな思いを酒で紛らわすにも限界がある。こんな不景気な世の中で、子どもにもまだまだお金がかかる。両親も会う度に年老いていく。自分を無条件に慈しんでくれた両親が少しずつ死に近づいていく。それがはっきりと意識されてくる。自分の人生はいったい何のための人生だったのだろう。今日もそれなりに生きている。
でもね、僕らが時間と、労力と、頭を使って瞬時に判断しないと、心をすり減らして覚悟を決めて判断しないと、時には嘘・偽りと承知の上でその場をおさめないと、学校ってのはまわらないんです。校長を見てみましょう。きっと、あなたより大きな責任に押しつぶされそうになっているんですよ。教頭を見てみましょう。明らかにあなたより疲れているではありませんか。それでもみんな笑顔で、今日もそれなりに生きているんです。
あなたが学校を支えているのです。あなたが学校の一翼を担っているのです。あなたがいなければ学校はまわらないのです。あなたがフォローしなければ、その若者は人生に関わるような失敗をしてしまうかもしれません。若者に来たクレームに、下げたくない頭を下げるくらい良いではありませんか。
だって、あなただって十年前、二十年前はそうやって支えてもらい、そうやってフォローしてもらっていたのです。物事は順番なんです。今度は僕らの番なんです。上司が少しでも良い学校運営ができるように、若者たちが十年後に更に若い人たちをフォローできるように、いま僕らが頑張らなくてはならないのです。
やるっきゃないではありませんか。それなりに、自分なりに頑張りましょう(笑)。
いつの間にか,中堅と呼ばれるようになって,学ぶことを忘れていた気がする。
それは,「あこがれの先輩教師」の数が,どんどん減ってきているから。
当然先輩は退職したり,管理職に就いたりして,どんどんいなくなる。
一方で,若者はどんどん現場に入ってくる。
若手でも優れた実践家がいる。それを直視し,そこから学んでいこうとしなければ
成長はないと感じた。
「40代の勤務時間は,自分のために半分,他人のために半分ある」
「復路をどう生きるか決める」
自分の立ち位置を理解し,どう生きていくかということに向き合える一冊。
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