実践ナビ!言語活動のススメ 教科書授業Wプラン 中学年編

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言語活動を位置付けた授業づくりをWプランで徹底サポート

“単元を貫く言語活動は教科書教材でこう展開しよう!”「モチモチの木」「ごんぎつね」「一つの花」などの中学年教材の良さを生かした言語活動プランを、教材ごとにA&Bの2つのモデルで提案。授業で使える資料やワーク・作品例も豊富に入れて授業を徹底サポート。


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ISBN:
978-4-18-190212-4
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
第1章 言語活動を通した「読むこと」の指導改善
1 学習者(読者)の自立と創造に主眼を置く「読むこと」の指導
2 「読むこと」の単元を構想する上で不可欠な視点
3 「読むこと」の単元を構想する上での10のステップ
4 単元における見通しと振り返りの充実
第2章 実践ナビ!言語活動 教科書授業Wプラン 中学年編
1 第3学年 〈文学〉 モチモチの木
T 教材の特性 ★5つのポイント
U 言語活動の設定 ★モデルA&B
V 単元構想
Model.A 斎藤隆介ワールドの仲間たちを紹介し合おう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
Model.B 紙芝居を用いて斎藤隆介の世界を紹介し合おう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
2 第3学年〈説明〉 すがたをかえる大豆
T 教材の特性 ★5つのポイント
U 言語活動の設定 ★モデルA&B
V 単元構想
Model.A 説明文を予想しながら読み,分かりやすい説明文を書こう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
Model.B 必要な情報を得るために,目次や索引を効果的に活用しよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
3 第4学年〈文学〉 ごんぎつね
T 教材の特性 ★5つのポイント
U 言語活動の設定 ★モデルA&B
V 単元構想
Model.A 「ごんぎつね」を読み,感想を書いて交流しよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
Model.B 「ごんぎつね」を読んで読書会をしよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
4 第4学年〈文学〉 一つの花
T 教材の特性 ★5つのポイント
U 言語活動の設定 ★モデルA&B
V 単元構想
Model.A テーマ読書をして,本の帯にまとめて紹介しよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
Model.B 戦争をテーマとした本を読んで,ブックトークをしよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
5 第4学年〈説明〉 ヤドカリとイソギンチャク
T 教材の特性 ★5つのポイント
U 言語活動の設定 ★モデルA&B
V 単元構想
Model.A 説明文を実験報告文の形に書き換えよう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
Model.B 生き物ふしぎQ&Aをつくろう
1 単元の目標
2 単元の評価規準
3 単元の指導のポイント
4 単元のゴールイメージ
5 指導と評価の計画
6 指導の実際
あとがき

まえがき

 既刊の拙著『実践ナビ!言語活動のススメ モデル30』では,国語科学習指導において言語活動を通して指導事項を指導することが求められている中,小学校学習指導要領国語「読むこと」の言語活動例を中心に取り上げ,その言語活動のもつ特徴やそれを遂行していく手順や方法,指導のポイントなどをモデルとして30事例にまとめました。

 前著は,教師自身が小学校学習指導要領国語に例示された言語活動そのものを実際に行った経験が少ないという現状を踏まえての刊行でありました。教師自身が言語活動のグッドモデルを十分にイメージできないために,単元を貫く言語活動を設定した授業を行っても,指導事項との関係付けが今ひとつしっくりいかないといった現場の悩みに応えることを意図しました。

 今回は,その続編です。続編の趣旨を簡潔に述べますと,「読むこと」の教科書教材における言語活動の設定の可能性を広げることにあります。前著で示したモデル30を実際に教科書教材を用いた場合,どのような授業展開になるかを具体化したのです。

 現在,言語活動を通して指導事項を指導することを眼目とする国語科学習指導において,新たな課題も散見されるようになりました。それは,「読むこと」の授業において,単元を貫く言語活動は設定されているものの,教材の特性や指導事項の系統性を十分に踏まえた言語活動になり得ていないという課題です。極端に言うと,どの学年でも,どの教材を取り扱っても,あまり変化のない,同じような言語活動の完成形に陥るということです。第三次に同じような表現活動を繰り返す,あるいは似たような表現物を作成するといったような事例が典型的です。

 例えば,定番の文学的な文章である「おおきなかぶ」の指導も,「お手紙」の指導も並行読書をし,第三次には読んだ本の中から好きな作品を選んで音読発表や本の紹介カードを作るといった言語活動です。説明的な文章の指導であれば,新聞やリーフレットに同じような割り付けで読んだ内容をまとめ,それを交流するような言語活動です。言語活動に何か出来合いの物を求め過ぎているような感が拭えません。

 言語活動を通した国語科学習指導が,「活動あって能力なし」「楽しさあって学びなし」と揶揄されないようにしなければなりません。単元を貫く言語活動を設定した国語科学習指導の質を向上させるには,教材の特性及び指導事項の系統を捉えるとともに,前著において主張したように言語活動そのものの特徴を十分に把握することが重要です。そして,それら三者(教材の特性・指導事項・言語活動)を有機的に関連付けながら,単元全体を構想することが必要です。

 教科書教材を中核教材として取り上げる,「読むこと」の学習指導においては,とりわけ,教材研究の重要性を再認識しています。既に選書され,使用義務を有する教科書教材の特性を十分に把握することによって,単元の設定に値する言語活動を構想することができるでしょう。また,教科書教材に補充する教材の開発も可能にするでしょう。

 「教材を教える」のではなく,「教材で教える」ことは周知のとおりですが,いずれも教材の特性をないがしろにしてはなりません。また,言語活動そのものは手段であるとされていますが,手段を軽視してはなりません。言語活動のもつ特徴を捉え,その言語活動を遂行する質的,能力的な面や,活動に要する時間等の量的な面などを総合的に判断することにより,単元を貫く言語活動を具体的にデザインすることができます。

 本書は,教科書教材の特性の確かな分析の上に立ち,身に付けようとする能力の到達や達成を図るために,柔軟な言語活動の設定が可能であることを主張するものであります。具体的には,一つの教科書教材において,複数の言語活動を設定した授業プランを示します。各学校や各学級においては,年間の見通しの中で,児童の実態に応じて様々にアレンジしていただき,授業の中で活用していただくことを願っています。


   /樺山 敏郎

著者紹介

樺山 敏郎(かばやま としろう)著書を検索»

公立小学校教諭,教頭,教育委員会指導主事を歴任後,2006年4月より9年間,文部科学省国立教育政策研究所学力調査官兼教育課程調査官として小学校国語を担当。

2015年4月より大妻女子大学家政学部児童学科准教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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