- はじめに
- 1章 教師の仕事の特徴を知ろう
- 教師の仕事の多様さを知る
- 教師の仕事には3つの特徴がある
- 苦しくならない仕組みをもつ
- 人と関わり合う仕事であることを意識する
- 失敗を生かし人に愛される仕事の仕方をしよう
- 体調管理も重要な仕事だと考える
- 仕事に終わりをもつ
- 成功より成長を意識する
- 初心に立ち戻ろう
- 一年を通して続けられることを
- ○学びを深めるために
- 2章 4月を乗り越える仕事の仕方を身につけよう
- 春休みの過ごし方
- リストアップでやるべきことを明らかに
- 優先順位をつける
- 整理整頓アイテムをそろえる
- 4月最初の取り組み方
- 学びながら仕事をする
- 新しい実践の始め方
- まずは一点豪華主義
- 時間を管理してしっかり休む
- ○学びを深めるために
- 3章 日常の仕事を効率よく効果的にしよう
- 前倒しのクセをつける
- ToDoリスト活用法
- 強みをもとに仕事の軽重をつける
- 授業づくり・授業研究の手法を身につける
- 子どもがいる時間に勝負をかける
- 時間的な「終わり」を決めよう
- 脳のパフォーマンスを高める
- 仕事術をまねぶ
- システム化によりコストを下げる
- コストパフォーマンスを考える
- 仕事の質を高める
- ○学びを深めるために
- 4章 人との関わりの中で成長する仕事をしよう
- 職場での人間関係を築こう
- 報・連・相を活かして学年の先生と関わろう
- 保護者の方との信頼・協力関係を築こう
- 名刺を持って学びに出かけよう
- 学ぶ姿勢を大切にしよう
- 学校外で同世代の仲間と学び合おう
- 全国の教師仲間とつながろう
- 家族との時間を大切にしよう
- 感謝の気持ちを伝えよう
- 頼まれた仕事は快く引き受けよう
- ○学びを深めるために
- 5章 苦しい時の乗り越え方を知っておこう
- 3つのコツで学級を立て直す
- 静の授業と動の授業で授業改革を
- ギブ&テイクで保護者とつながる
- たて・よこ・まんなかで職場を楽しく
- 本屋は教師にとっての世界最高の学校
- 「はい」か「YES」か「喜んで」
- 仕事時間で自分自身を追い込まない
- 完璧を目指し、80点を求める
- 人生プラン+夢プランで日々の生活に充実を
- 人とのご縁を大切に
- ○学びを深めるために
- 6章 教師の仕事が楽しくなる工夫をしよう
- 「やりがい」で仕事を楽しくする
- 優れた先生の普段の姿に出会う工夫
- 教師×子ども×保護者が楽しむ学級通信作り
- タブレット端末で授業を省察しよう
- ICT活用は常にアンテナを張って
- 時短&見通しで子どもと関わる時間をつくる
- ノート点検で子どもとつながる
- 「いいところメモ」で子どものよさを共有する
- 教師力アップのためにサークル活動を
- つらい時こそチャンスと考えよう
- ○学びを深めるために
- おわりに
- 引用および参考文献
はじめに
教師になって一年目、私は、春休みに何をしていいのかよく分かりませんでした。あっという間に過ぎていったことを今でも覚えています。
そして、始業式から怒濤の日々でした。
やっても、やっても終わらない仕事。
様々な子ども達のトラブル。
プリントやノートの山。
途方に暮れるという言葉がぴったりの4月でした。
そんなことを毎年繰り返しながら、試行錯誤をして今の私がいます。本書は、そんな私と仲間の失敗や苦労から生まれた一冊です。
さて、学校の先生の多くは、学級担任を務めます。
春休みや4月のはじめには、要録の点検、整備や出席簿作成、テスト教材の選定など、実に多くの担任業務があります。同時に、職員会議などで4月以降の方針や目標を確認したり立てたり、学年で話し合ったりと、しなければいけない仕事も数多くあります。
毎日の授業の準備をするだけでも多くの時間を費やすのに、それ以外の仕事をしなくてはならないのです。その上、子ども達との生活が本格的にスタートすると次から次へと様々な仕事が増えていきます。国際的な調査でも教師の勤務時間の長さが指摘されています。
その大変さは、若手もベテランも同じです。甲子園でチームを優勝に導いたある監督がインタビューで「担任の仕事をまだ何もしていないので、これからが大変です」と答えたのを見たことがあります。
しかし、教師の仕事の仕方は大学ではなかなか教えてもらえません。
教師の仕事にどんなものがあるのかについて、ある程度は学ぶことはできます。
しかし、
・教師の仕事の構造や特徴はどのようなものか
・どのように仕事をしていけばよいか
については、これから学校現場に入ってくる人や若い先生にとって、深く学び、考えをもつことはなかなか難しいのが現状です。それは、教育実習でほとんどの時間が授業づくりに充てられているといった課題もあるかもしれません。まさに、教師の仕事の仕方は料理人の見習いのようにやってみないと分からない世界なのです。
そこで、今回は、そんな教師の仕事の仕方をゼロから学んでみたいと考えています。若い先生やこれから先生になる方を意識して書いています。しかし、ぜひベテランの先生にも読んでいただき、ご自身の仕事を振り返ってみていただければ幸いです。
1章は、長瀬が「教師の仕事の特徴を知ろう」というテーマで書きました。教師の仕事の特徴を知り、仕事をより効果的にするための取り組みや仕組みづくりを考えたいと思います。
2章・3章は、山田将由先生に「4月を乗り越える仕事の仕方を身につけよう」「日常の仕事を効率よく効果的にしよう」というテーマで書いていただきました。春休みや4月に焦点をあて、どんな仕事の仕方をしていけばよいか具体的に提案しています。さらに、そうした「4月の仕事術」を踏まえて、5月以降どのように仕事を効率よく効果的にしていけばよいか提案します。
4章は、鍋田宏祐先生に「人との関わりの中で成長する仕事をしよう」というテーマで書いていただきました。保護者との関わりや、職場の中でなかなかうまく打ち解けられず困っている先生も多くいます。いかに先輩や仲間の先生たちと協力しながら楽しく仕事ができるか、その方法について提案します。
5章は小野領一先生に「苦しい時の乗り越え方を知っておこう」というテーマで書いていただきました。若い先生は必ず苦しい時や「壁」にぶつかる時があります。そうした中で、ピンチをチャンスにするアイデアを提案します。
6章は木下幸夫先生、久保田健祐先生、若林耕平先生、永井伸行先生に、「教師の仕事が楽しくなる工夫をしよう」というテーマで書いていただきました。教育サークル「わっしょい」で活躍されている皆さんです。ぜひ、お読みいただき仕事が楽しくなる工夫を実践してもらいたいと考えています。
本書を通して、若い先生をはじめ、多くの先生に仕事が楽しいと思えるような考え方や実践を提案したいと思います。ぜひ、一緒にゼロから教師の仕事について考えてみましょう。
執筆者代表 /長瀬 拓也
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- 明治図書
- 仕事術だけでなく、仕事への心構えを学べた。2015/9/2320代社会科教諭