- まえがき
- 第1章 新学習指導要領が示す新しい時代へのアプローチ
- 1 特別支援教育の10年を振り返る
- 2 新学習指導要領を読む
- 3 インクルーシブ教育に向けて歩む
- 4 学校現場の今を見直す
- 5 合理的配慮と基礎的環境整備を考える
- 6 共に学び、共に過ごす教室を作る
- 第2章 学びに向かえない子供へのアプローチ
- 1 まずは授業に参加させる
- 2 授業のゴールを示す
- 3 見通しをもたせる
- 4 環境を整える
- 5 時間や量を調節する
- 6 多様な方法を用意する
- 7 読むことをサポートする
- 8 書くことをサポートする
- 9 聞くことをサポートする
- 10 話すことをサポートする
- 第3章 特別支援教育の視点で教科指導へのアプローチ
- 1 各教科でのつまずきに配慮する
- 2 国語でのつまずきに配慮する
- 3 社会でのつまずきに配慮する
- 4 算数でのつまずきに配慮する
- 5 理科でのつまずきに配慮する
- 6 生活でのつまずきに配慮する
- 7 音楽でのつまずきに配慮する
- 8 図工でのつまずきに配慮する
- 9 家庭でのつまずきに配慮する
- 10 体育でのつまずきに配慮する
- 11 道徳でのつまずきに配慮する
- 12 外国語及び外国語活動でのつまずきに配慮する
- 13 総合的な学習の時間でのつまずきに配慮する
- 14 特別活動でのつまずきに配慮する
- 第4章 特別支援教育の視点で授業改善へのアプローチ
- 1 個別の指導計画を作る
- 2 個と集団のバランスをとる
- 3 学習内容を視覚化する
- 4 みんなをそろえる
- 5 授業を焦点化する
- 第5章 これからの学びへのアプローチ
- 1 主体的学びを支援する
- 2 対話的学びを支援する
- 3 深い学びを支援する
- 4 自分で学べる力を育てる
- 5 振り返る力を育てる
- 6 援助要求スキルを育てる
- 7 選ぶ力を育てる
- 第6章 つながりへのアプローチ
- 1 特別支援教育コーディネーターと共にかかわる
- 2 助言や援助を上手に受ける
- 3 子供とつながる
- 4 専門性とつながる
- 5 保護者とつながる
- あとがき
まえがき
「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」など、今回の学習指導要領の改訂は、これまで以上に大きな動きのあるものです。
こうしたキーワードと共に、この改訂で注目しておきたいことがあります。
「特別支援教育の充実」です。
本書は、新学習指導要領における特別支援教育の視点に注目した本です。
■第1章 新学習指導要領が示す新しい時代へのアプローチ
まず第1章では、今回の学習指導要領で、特別支援教育の充実が図られた社会背景に目を向けます。障害者に関する法整備や、インクルーシブ教育に向けての考え方など、特別支援教育を取り巻く昨今の社会背景を読み解くことで、新学習指導要領が示す新しい時代の姿にアプローチします。
■第2章 学びに向かえない子供へのアプローチ
第2章では、新学習指導要領に示された三つの資質・能力の中から、「学びに向かう力」に焦点をあてます。
みんなと同じようにできない子。
みんながわかっていることがわからない子。
できない・わからないを積み重ねて、自信ややる気をなくしてしまった子。
そんな子どもたちを、学びに向かわせるための手立てにアプローチします。
■第3章 特別支援教育の視点で教科指導へのアプローチ
第3章では、教科ごとの指導・支援を整理し、各教科における手立てへのアプローチを試みます。
今回の学習指導要領では、総則だけでなく、各教科の中に障害のある児童などへの対応が明記されていることが、大きな改訂のポイントです。それらを教科ごとに整理しました。
どの教科の頁も前半でまず、学習指導要領の解説等に載せられている指導例をまとめました。後半は、筆者の経験をもとに、実際の教室現場から見えてくる子供の姿を紹介しました。
尚、この章で取り上げる指導事例は、文部科学省のサイトにある「学習指導要領」「学習指導要領解説編」、および「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(答申)(中教審第197号)の別紙7「特別支援教育の充実を図るための取組の方向性」を参考にしました。
■第4章 特別支援教育の視点で授業改善へのアプローチ
第4章では、教科の枠を越えた、どの子もわかる・できる授業のポイントに迫ります。どの教科の授業においても意識しておきたい授業改善の視点です。
日本の多くの学校では、子供がたくさんいる教室の中で、たった一人の先生が授業をしています。そんな教室で、どの子もわかる・できるようになるためのアプローチです。
■第5章 これからの学びへのアプローチ
第5章は、新しい学びへのアプローチです。
新習指導要領では、二十一世紀を生きる子供のために、新しい学びの在り方が示されています。「何を学ぶか」だけでなく、「どう学ぶか」「何ができるようになるか」「学んだことをどう生かすか」という視点です。こうした学びの在り方は、インクルーシブ教育とのつながりも深いです。支援が必要な子供のための新しい学びについて考えていきます。
■第6章 つながりへのアプローチ
第6章では、連携について取り上げます。
学習指導要領総則には、障害のある児童などへの指導について、「障害のある児童などについては、特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ、個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものする」と書かれています。
特別支援教育は、担任一人で行うものではありません。担任の先生が、どのようにまわりとつながることができるかということについて、最後にアプローチしていきます。
新学習指導要領で学ぶ教室の子供や先生方が、毎日笑顔で安心して過ごすために、本書が少しでも役に立つことができれば幸いです。
二〇一八年四月 /田中 博司
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