- まえがき
- 第一章 学校支援ボランティア活動の実際
- 1 学校支援ボランティア活動推進事業とは
- 2 小・中学校における実践事例
- 東清小、祇園小、金田小、畑沢小、八幡台小、太田中、波岡中、清川中
- 3 学校支援ボランティア活動推進Q&A
- 第二章 学校支援ボランティアをどう受けとめるか
- 1 花壇づくりが学校を変えた(教頭として・中学校)
- 2 学校に入って見えたもの(ボランティアとして・中学校)
- 3 いただいた「知恵」と「汗」は百人力(校長として・小学校)
- 4 子どものよさを再発見(ボランティアとして・小学校)
- 5 学校支援ボランティアを学級経営に生かす(学級担任として・小学校)
- 6 学校支援活動の難しさ(ボランティアとして・小学校)
- 7 学校を活性化させるには(前校長会会長として)
- 第三章 新しい教育課題にこたえる学校支援ボランティア
- 1 インターネットで学校支援ボランティア
- 2 総合的な学習の時間と学校支援ボランティア
- 第四章 いま、なぜ学校支援ボランティアなのか
- あとがき
まえがき
「開かれた学校」の必要性、重要性が言われて久しい。昭和六十一年四月に出された臨時教育審議会の第二次答申の中にも「学校教育活動への地域住民参加の推進」とか「学校の閉鎖性という壁」などの指摘が見られる。この答申からもう十年以上が経過していることになる。
「開かれた学校」の必要性、重要性は、学校教育関係者を始め、多くの父母・地域住民にもよく分かっていたが、さて、その具体的な方策が、なかなか見つからなかったのではないか。確かに、個々の学校では、生活科や学校行事などで、地域住民の協力をお願いしてきて、成果は上げてきているが、あくまで学校個々の対応であり、施策として整備されたものではなかった。
木更津市教育委員会が平成十年度から始めた「学校支援ボランティア活動推進事業」は、「開かれた学校」実現のための一方策として教育委員会が制度的に位置付けて、財政面の措置を講じながら市内の全ての学校でこれを推進しようとする試みである。活動内容等は学校によってさまざまだが、教育委員会がバックアップして、「開かれた学校」づくりを進めようとするところに特色がある。
そのねらいとするところは、「地域の人々の力を学校の教育活動に積極的に生かして、地域社会、家庭、学校が一体となって子どもたちを育てていく」ということである。
このことによって、次のような効果が期待できる。
1 いろいろな知識や技術を持った地域の人々が教育活動に協力してくださることによって、多様な教育活動の展開が期待できる。
2 地域の人々が教育環境整備に汗を流している様子を子どもたちが見ることによって、ボランティア活動についての理解を深め、また、感謝の念を持ち、無言の道徳教育となる。
3 教職員にしてみれば、地域の人々に学ぶことも多くなり、また、学校の実情に ついてよく知ってもらうことができ、良き理解者・協力者を得ることになる。これは、将来「学校評議員制度」が創設される場合、その礎となるであろう。
4 地域の人々にしてみれば、自分の知識・技術等が生かされ、ある種の効力感、達成感が得られる。特にお年寄りにとっては、子どもたちとの交流は大切な時間となるに違いない。また、ボランティア同士の交流により新たなネットワークづくりともなるであろう。
このような期待をこめてスタートした事業であるが、まだまだスタートしたばかりで解決しなければならない課題が山積している。多くの皆様から御指導・御助言をいただき、さらに充実した事業としたいと願って、本書を刊行するものである。
平成十一年九月 木更津市教育委員会教育長 /西村 堯
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