- まえがき
- 第1章 「言葉がけ」の基礎基本
- 1.『学び合い』
- 2.手品
- 3.無駄
- 4.誰をターゲットとするか
- 5.全員の前で
- 6.ぶれない
- 7.優れた教師
- 8.なぜ学校で勉強するのか?
- 9.情けない私
- 10.生きる力
- 11.語り例
- 12.ノウハウ
- 13.対症療法と根治療法
- 14.見取り
- 第2章 子どもたちを信じる 会話形式でわかる『学び合い』テクニック
- 1 手を挙げなくなった,多様な発想が出にくくなった
- 2 任せる
- 3 安全確保
- 4 挨拶運動の徹底
- 5 丁寧な指示をすると
- コラム
- 第3章 気になる子を忘れる 会話形式でわかる『学び合い』テクニック
- 1 遊んでいる子がいた場合
- 2 分からないままの子がいた場合
- 3 丸写しの子がいた場合
- 4 子どもとの間合い
- 5 班が崩壊する
- 6 学級崩壊
- 7 縦割り活動
- コラム
- 第4章 学校で学ぶ意味を語る 会話形式でわかる『学び合い』テクニック
- 1 知的な障がいのある子がかわいそう
- 2 部活のレギュラー争い
- 3 民主国家における規律
- 4 守破離
- 5 ゴールデンルール
- 6 次
- コラム
- あとがき
まえがき
本書を手にとっていただき,ありがとうございます。そしておめでとうございます。本書を手に取ったのは偶然ではなく,必然です。
なぜですって? それは本書を手に取るということは,あなたが気になる子に悩んでいる人だからです。そして色々な本を読み,研修も参加するような熱意のある方だからです。そのあなたが色々なことを試しても,上手くいかなかったり,上手くいったと思ってもいつの間にか元に戻ってしまったりしている,そんな苦労をしている方だと思います。だから今まで読んでいた本とはおもむきの違う本書を手に取っているのだと思います。
その直感は正解です。本書は今までの類書では書いてなかった,とても簡単だけど強力な「たった三つのノウハウ」が書いてあります。それさえ分かれば,今までは無理だと諦めていた「あの子」を変えることが出来ます。
第一は,子どもたちを信じるというノウハウです。今まで一人で悩んで,努力していたのではないでしょうか? 肩の力を抜いて,子どもといっしょにやろうと考えることが大事なのです。子どもたちの顔を思い浮かべれば,頼りになりそうな子ども「も」いますよね。一人で悩みを抱え込むよりは希望が持てると思います。
第二は,気になる子を忘れるというノウハウです。今まで気になるあの子にどのように言葉がけしたらいいのか悩んでいたと思います。結論から言いましょう。それは無理です。ではどうしたらいいのでしょうか? あなたの言葉に従う子どもに言葉をかけて,その子たちに気になる子を説得させるのです。
第三は,学校で学ぶ意味を語るというノウハウです。「そんな建前論で…」と思われるかもしれません。でも,みなさんは山ほどの本を読み,子どもをタイプ分けして,それに対応した言葉がけをしていませんでしたか? それで成功しましたか? 実は,学校の学ぶ意味を子どもに納得させなければ,どんな言葉がけも無駄なのです。しかし,「あの子にそんなことを言っても耳を貸さない」と思われるのではないでしょうか? 大丈夫です。あなたが語っても耳を貸さなくても,同級生が語れば耳を貸します。
おそらく,皆さんの頭の中には「?」が浮かんでいると思います。つまり,今まで読まれた数多くの本とは,だいぶ違うことを書いてあるのです。でも,ご安心下さい。難しくありません。本書で書いてあることは,全部,分かってしまえば「な〜んだ」ということです。
さて,選択しましょう。今までに似た本をもう1冊読みますか? それとも今までとは違う三つのノウハウを学びますか? 皆さんの答えは決まっていますよね。さあ,始めましょう!
/西川 純
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- 明治図書
- 清掃活動に実際に活用している2015/10/430代・中学校教員