- はじめに
- 第1章 わかりやすい文章を書く10のポイント
- 1 教師に欠かせない「書く仕事」〜その重要さ〜
- 2 どのように文章を書くか〜10のポイント〜
- 3 書くことを重ねることで力をつける
- COLUMN いくつになっても文章修業
- 第2章 連絡帳・手紙で保護者との関係をつくる
- 1 はんこだけで終わらないひとまずの返事を
- 2 体調面での連絡があったら
- 3 忌引の連絡があったら
- 4 気になる質問や感想にどのように答える?
- 5 事務的な連絡こそ子どもに関する一言を
- 6 子ども同士のトラブルの訴えがあったら
- 7 指導法に対する指摘が出てきたら
- 8 感想の返信で保護者との交流を深める
- 9 子どものよさをどんどん発信しよう
- 10 ちょっとした出来事はこう伝える
- 11 連絡帳NG集
- COLUMN 壁に貼られた連絡帳
- 第3章 よくある連絡文・通信にはこう書く
- 1 確実に伝わる持ち物の連絡文書
- 2 有意義な家庭訪問にするための文例
- 3 参加率アップ!授業参観・懇談会の連絡
- 4 期待感を高める運動会・学習発表会の紹介
- 5 遠足は情報を一工夫して示す
- 6 きまりの徹底のためのお願いはこう書く
- 7 予定変更のお知らせは強調部分を明確に
- 8 子どもたちにも伝わる長期休業前の連絡
- 9 通信に書くときに気をつけること
- COLUMN 「いざ,緊急文書発行」に備える
- 第4章 実務文書は正確・簡潔に
- 1 校外学習計画書
- 2 見学学習依頼書
- 3 見学学習御礼
- 4 ゲストティーチャー・学習協力依頼書
- 5 物品借用願
- 6 学年・学級PTA活動案内
- 7 個人面談案内
- 8 不在連絡
- 9 出張復命書・出張報告書
- 10 事故報告書
- COLUMN 公文書はシンプルが一番
- 第5章 一社会人としての文章マナー
- 1 転勤挨拶状は早めに
- 2 退職・転勤の挨拶状をいただいたら
- 3 子どもたちから年賀状・暑中見舞状がきたら
- 4 お祝いごとに対して
- 5 お悔やみごとに対して
- 6 出欠席の返信に常識が表れる
- 7 絵葉書を有効に使おう
- 8 短時間で活用!一筆箋
- 9 FAXの作法
- 10 ビジネスメールの作法 その1
- 11 ビジネスメールの作法 その2
- COLUMN 転勤挨拶状に返信する
- 資料 学校で使う季節のあいさつ一覧
はじめに
「はんこだけではなく,一言書くだけで保護者は担任を信頼するようになるものだよ」。初任時代に同じ学年の先輩から言われた言葉です。連絡帳に書かれた家庭からの簡単な連絡には,はんこを押すだけで返却することが多かったのです。また,「先月の工場見学の御礼文書がまだのようだけど……」と管理職から指摘されたこともありました。子どもたちに工場見学の御礼の手紙を書かせたものの,私自身が書く御礼状の書き方の例を探しているうちに,発送が遅れていたのです。
共にもう30年以上前のことですが,私にとっては少し苦い思い出です。考えてみたら,「連絡帳の返信の仕方」「御礼状の書き方」は改めて時間を割いて指導されたことはありませんでした。自分で学んでいくしかありません。諸先輩に聞きながらその方法を覚えたり,書籍や雑誌等からサンプルを見て学んだりしてきました。経験を重ねるうちに,書き方のポイントもわかってきました。
本書は,これまでの自分の経験が,「どうやって書いたらいいんだろう」と迷う先生方の役に立てばいいと思い執筆しました。
第1章では,教師にとって書く仕事がいかに重要であるか,また,実際に文章を書く際のポイントを記しました。
第2章から第5章は実践編です。「保護者向けの連絡帳・手紙の書き方」,「学級通信や連絡文の書き方」,「実務文書の書き方」,「社会人としての文章マナー」について,それぞれ具体例をあげながら示しました。
また,自分の文章に関わる経験をコラムとして各章の最後に記しました。
どこから読んでもすぐに役立つ構成になっています。
この本が学校での実務や学級経営に役立つのなら,著者として望外の喜びです。自宅の本棚よりは,教室や職員室に置いて,活用してくだされば幸いです。
本書の発刊に際しては,明治図書教育書編集部の林知里さんに大変お世話になりました。執筆の取り組みが遅れたにもかかわらず,何度も温かい励ましをいただき,刊行することができました。心より感謝申し上げます。
2018年2月 /佐藤 正寿
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