特別支援教育サポートBOOKS
発達障害のある子への音楽療法あそび
特性に合わせてメロディやリズム・テンポで発達支援

特別支援教育サポートBOOKS発達障害のある子への音楽療法あそび特性に合わせてメロディやリズム・テンポで発達支援

近日刊行予定

メロディやリズム・テンポ♪音楽の力で子どもの育ちを引き出そう

「音楽療法」の楽しいあそびを通して、子どもの発達を支える活動を紹介します。音楽の力で、身体の使い方を高め、情緒を安定させ、対人関係・社会性を育てていきます。子どもの特性や課題に応じて指導のねらいを明確にしたすぐにできる実践的アプローチをお届けします。


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ISBN:
978-4-18-116729-5
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
幼・小
仕様:
A5判 160頁
状態:
近日刊行
出荷:
2026年7月17日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 音楽療法で発達障害のある子をのばす
発達障害のある子どもへのアプローチ
01 発達障害の子どもたち
02 発達障害の特性と課題
03 音楽療法的アプローチ
子どもの特性を考えたあそびづくり
04 音の使い方を大事にしよう
05 人数や配置を考えよう
06 特性に配慮した活動を行おう
07 楽器の提示を丁寧に行おう
08 こだわりへの対応を行おう
第2章 音楽療法の活動アイデア
身体の使い方が上手になるあそび
解説 「身体の使い方」が育つためには
01 体のあちこちを触ってみよう
02 ジャンピング台を楽しもう
03 振る楽器であそぼう
04 叩く楽器であそぼう
05 金属楽器であそぼう
06 こする楽器であそぼう
07 手をすべらす楽器であそぼう
08 振る音階楽器であそぼう
模倣や協調運動を高めるあそび
解説 「模倣や協調運動の力」の育ち
09 机を使ってあそぼう
10 手あそびであそぼう
11 ハンドドラムを楽しもう
12 模倣あそびをしよう
13 リズム模倣を楽しもう
14 リコーダーに挑戦しよう
視覚イメージや聴覚イメージを育てるあそび
解説 「イメージの力」が育つためには
15 だんだん絵が見えてくる
16 楽器の音当てクイズ
17 ジェスチャーゲーム
18 曲当てクイズ
19 絵描き歌であそぼう
20 文字を抜いて歌おう
情緒の安定につながるあそび
解説 「情緒の安定」が育つためには
21 小さい音を楽しもう
22 演奏がだんだん速くなる・遅くなる
23 歌のリクエスト
24 プログラムを工夫しよう
25 パニックの対応を考えよう
26 不安への対応を考えよう
対人関係・社会性が育つあそび
解説 「対人関係・社会性」の育ち
27 楽器の交換を楽しもう
28 楽器をどんどん増やしていこう
29 音楽に合わせて歩こう,走ろう
30 合奏を楽しもう
31 ボールを回してあそぼう
参考文献

はじめに

 今や発達障害の子どもは,ボーダーを含めると,全体の2割近くはいるともいわれています。発達支援といえば,特別支援学級や特別支援学校だけでやるもの,と考えられていたのは,だいぶ前の話です。どの教師にとっても,特別支援教育は他人ごとではなくなっているのです。しかも発達障害の子どもは,一般的な教育がなかなか通用しないといわれています。熱意や叱咤激励は,逆効果になることがよくあります。それまで積み上げてきた指導法が見事に崩れ去ってしまうことは,教師にとって衝撃的な出来事です。

 ところで,発達障害と音楽療法はとても相性がよいと考えられます。なぜなら,音楽療法は指導的な側面がほとんどありません。音楽の授業に対して苦手意識を持っている子どもでも,知らず知らずに参加できてしまうのが音楽療法です。人から指導を受けることが苦手な発達障害の子にとっても,スムーズに受け入れられるという面があるのです。

 私は,発達支援教室で数多くの発達障害のお子さんと接してきました。全般的な発達支援がメインですが,どの授業にも必ず,音楽療法的な活動を取り入れています。それは,音楽活動が他の活動では,なかなか行うことが難しいことを,かなりの部分実現できるからです。例えば,発達障害の子どもの多くは情緒的な課題を抱えています。すぐにイライラしたり,キレたり,落ち込んだり,不安になったりすることがあります。そのようなとき,音楽療法では,積極的な介入が可能です。すなわち,情緒的に不安定になる前に,いろいろな手立てを取ることができるのです。

 具体的には,子どもの気持ちがハイのときは,歌や合奏,身体表現で思う存分,発散的な音楽活動を行います。また,不安傾向が見られるときは,その気持ちに寄り添った音楽,すなわち,心拍数に近い,ゆったりとしたテンポや安定したリズム,穏やかで馴染みのあるメロディ,心地よい揺らぎ,音色などを提供します。このように,ある程度不安定な状態に寄り添ったあと,子どもはだんだんと気持ちを立て直せるようになってきます。音楽には子どものそのときの状態に寄り添い,徐々に気持ちを解放させたり,リラックスさせたりする効果があるのです。

 以上のことから,本書では,発達障害の特性をおおまかに捉え,その上で,音楽の有効性を最大限に生かせるような活動やサポート法を紹介しています。内容的には,通常の学級の朝の会や音楽の時間の最初に,簡単に行えるような活動を並べています。それらを定期的に行うことで,子どもたちは情緒的に安定し,人とかかわることへの抵抗が減少するなど,学校生活が過ごしやすくなるものと思われます。また,本書では,単なるハウツー的なもの,あるいは「はじめに活動ありき」にならないよう,どの活動も「ねらい」をきちんと押さえるようにしています。子どもの特性と「ねらい」を照らし合わせれば,おのずと,その子に合った活動を見出すことができるでしょう。

 発達障害の子どもは,そんなに問題なく,ある程度やっているから何もしなくても大丈夫,と思われがちです。しかし,実際には最低限の専門的なアプローチを行わなければ,将来,二次障害が生じたり,社会参加が難しくなったりするといわれています。そうならないこと,つまり,二次障害を防ぎ,少しでも生きやすくなることが音楽療法の最大の目標です。だからこそ,カリキュラムの隙間時間に,彼らに合った活動を,やんわりと提供していく必要があるのです。

 最後に,執筆にあたり発達や音楽の面で,さまざまなアドバイスをいただいた発達支援教室ビリーブの副代表・藤江美香さんに心より感謝申し上げます。


   著者 /加藤 博之

著者紹介

加藤 博之(かとう ひろゆき)著書を検索»

筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了。埼玉県の小学校,特別支援学校,昭和音楽大学の教員を経て,現在,発達支援教室ビリーブ代表。文教大学非常勤講師。立正大学非常勤講師。学校心理士。ガイダンスカウンセラー。日本音楽療法学会認定音楽療法士。リハビリテーション修士。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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