- はじめに
- 学級の土台をつくる
- 1 出会いの日にも子どもたちのよさを輝かせる
- 「どうぞ」と「ありがとう」
- 2 新学期,教室環境を整える
- 物がそろうから心がそろう
- 3 授業開きで学びあう意義を確認する
- 教室とは奇跡を起こす場所だ
- 4 授業開きで聴く態度を身につける
- 話は耳だけで聴くのではない
- 5 教えあう素晴らしさを教える
- 友達がいるから賢くなれる
- 6 保護者に国語を学ぶ意味を伝える
- 自分の心を伝える力をつける〜国語授業編〜
- 7 保護者に算数を学ぶ意味を伝える
- 人類最先端の英知を学ぶ〜算数授業編〜
- 8 保護者に社会を学ぶ意味を伝える
- これから生きていく世界を学ぶ〜社会授業編〜
- 9 保護者に理科を学ぶ意味を伝える
- 怪しい話にだまされない力を身につける〜理科授業編〜
- 10 子どもたちの言葉遣いを注意する
- 言葉は人の人生を変える
- 11 自ら進んで仕事を見つけるよう促す
- ルールは必要。でももっと必要なものは?
- 12 ほめて成長を促す
- 2か月でこんなに成長しました!
- 13 友達関係のトラブルを鎮める
- 三角関係は将来の「恋愛」お稽古?
- 14 「気づき力」を高める
- 落ちているゴミに気づかない人間に人を幸せにすることはできない
- 15 時間を守る態度を養う
- 時間を大切にすることは命を大切にすること
- 16 規則正しい生活の大切さを指導する〜連休前に〜
- 生活習慣が人生を決める
- 17 感謝の気持ちを育てる
- 大事なものは見えない
- 18 感謝の気持ちを育てる
- 「ありがとう」の意味とは?
- 19 積極的に掃除をする意欲を育てる
- 掃除で磨くのは自分の心
- 20 自ら進んで行動する態度を養う
- チームになろう
- 21 保護者への感謝の気持ちを育てる〜母の日を前に〜
- 世界一過酷な職業とは?
- 22 話を聞く態度を養う
- 友達を大切にする3つの「く」
- 23 他の人のために行動する力を育む
- 気づき,考え,そして行動できる人が「賢い」
- 24 辞書を引く習慣を身につけさせる
- 辞書を引くと人に優しくなれる
- 25 失敗にへこたれない「強さ」を身につけさせる
- 自分にダメ出しできる人は伸びる
- 26 進んで後片づけできる行動力をつける
- 体育館を使った後,何をすべきか?〜気づき力があるか?〜
- 27 夢や希望をもたせる
- 流れ星に願いを
- 28 学習へのモチベーションを高める
- 勉強するのは人を幸せにするため
- 29 夏休み前に生活指導する
- 人生は生活習慣の連続体
- 子どもの成長を促す
- 30 運動会の練習に励ませる
- 準備とは言い訳をしないこと
- 31 ほめてクラスに覇気を取り戻す〜夏休み明け〜
- 夏休みでもボケていない子どもたちの素敵な姿
- 32 運動会や学習発表会など行事に向けて努力する
- 長期間積み重ねてきた努力は一瞬のうちに結実する
- 33 子どもたちの偏見をなくす
- バナナは黄色いか?
- 34 いじめをなくす
- いじめに負けるな,まずは自分が強くなれ!
- 35 いじめをなくす
- 全力投球するクラスにいじめは起きにくい
- 36 いじめをなくす
- 一番最初に動く勇気をもて!
- 37 いじめをなくす
- 学校へは成長するために来る
- 38 感謝の気持ちを育てる
- あなたには何が見えるか?
- 39 宿題をいいかげんにさせない
- 宿題から見える様々な力
- 40 他人への気遣いを教える
- 忙しい時にこそ人間の心は行動に表れる
- 41 見返りを求めぬ態度を養う
- 「してあげる」のではなく「いただく」のだ
- 42 運動会に向けて士気を高める
- 奇跡などない,あるのは必然だけ
- 43 学習を振り返り自信を築く
- 運動会を終えて身についた力は?
- 44 感謝の気持ちを養う〜お家の人へ〜
- お弁当の日に思ってほしいこと
- 45 友達の発言に耳を傾けさせる
- 自分が発言しない時は聞いて賢くなる時
- 46 ルールを守る大切さを説く
- 規律を守るチームは強くなる
- 47 コミュニケーションの大切さを伝える
- 仲間の絆とリーダーシップは命を救う
- 48 学習へのモチベーションを高める
- 心が変われば,勉強は楽しい
- 49 困難を克服する快感を教える
- しんどい時こそ力は伸びる
- 50 好きな者同士のグループ分けをやめる
- 学校は「公的な場所」,勝手は許されない
- 51 スピーチのレベルアップをねらう
- 言葉だけでは相手に気持ちは伝わらない
- 52 修学旅行への心構えをつくる
- 修学旅行の「修学」とは?
- 53 楽しみを学びに変える〜修学旅行〜
- 修学旅行の終わりがスタート
- 54 叱られるありがたさを教える
- 叱られるのは愛されている証拠
- 55 トラブルを感謝に変える
- 「当たり前」のありがたさに感謝する
- 56 手抜きをたしなめる
- 細かいところにこそ私たちの力が表れる
- 57 自分を律することを学ばせる〜専科の授業トラブル〜
- 悪い習慣こそ断ち切ろう
- 58 悪口の蔓延を止める
- 自信がないから悪口を言うのだ
- 59 宿題をいいかげんにさせない
- プラスαの努力を習慣化する
- 子どもたちをさらに高めまとめる
- 60 受験勉強以外も蔑ろにさせない
- 技だけでなく心も磨く
- 61 ほめて学校生活を軌道に乗せる
- みんなのために動ける力がある!
- 62 ゲストティーチャーに感謝する
- こうあるべき自分をイメージする
- 63 「気づき力」を高める
- おもてなしに感謝する
- 64 学習へのモチベーションを高める
- 勉強は苦痛か?
- 65 メディアの見方を育てる
- プライバシーは人に見せない
- 66 命の大切さを教える
- 真剣に「死」について話そう
- 67 メディアの見方を育てる
- 一部の情報だけを信じるのは危険
- 68 学習へのモチベーションを高める
- 勉強するのは相手の気持ちを理解し行動するため
- 69 子どもの心を鼓舞する
- 人は限界を作る生き物
- 70 恋愛のそわそわを鎮める〜バレンタイン直前〜
- 人を好きになるということは相手を大切にしたいと願うこと
- 71 喧嘩を見守る
- 自分たちで仲直りができるのは素敵
- 72 命の大切さを教える
- 何があっても死ぬな!
- 73 下学年のお世話から学ばせる
- 「やりがい」をいただく
- 74 学級の解散を告げる
- きみたちは成長した!
はじめに
学級通信,出していますか? 毎日欠かさずに発行し,年間に300号を超えるという先生もおられる一方,最初は張り切って出すものの,忙しさのため段々出せなくなってしまった……という先生もおられるでしょう。
学級通信は公文書ではないため,法的に出す必要はどこにもありません。けれど,うまく用いれば学級通信は学級経営上のとても有効な「武器」となり得ます!学級通信には次のような3つの効能があります。
学級通信の効能1 保護者との信頼関係が構築できる
学級通信を出すことで,保護者が「先生!協力するわ!」と言ってくれるような信頼関係を構築することができます。指導の前後に学級通信で指導内容や意義を伝えることで,多くの保護者は学級での担任教師の指導を知ることができます。特に,高学年にもなると多くの子どもは学校での出来事を家で話さなくなります。ですから多くの保護者から「学級通信があるので,日々の子どもの様子が分かって助かります。」と好評を頂けるのです。また,細やかな連絡は,「わが子のために労力を惜しまない先生」という印象を保護者に与えます。
また,年間を通じて出し続けることによって,学級懇談会の雰囲気が和やかになります。学級通信で知らせたことが話題にあがることもあります。ぜひ,やってみてください。学級通信を出さずにきたクラスの懇談会で出会う保護者の表情と毎日のように学級通信を出してきたクラスの保護者の表情は大きく異なります! 考えてみれば当たり前かもしれませんが……毎日学級通信という「メール」をやりとりしていた相手と,年間に数回しかつながりがない相手との違いです。
つながりができれば,保護者の協力も得やすくなります。お願いごとを聞き入れてもらえやすくなるのです。
学級通信の効能2 子どものモチベーションが上がる
学級通信を配布するだけではダメです。子どもにしっかり読み聞かせます。そしてもし文面でほめた子どもたちがいるのなら,そこで話を止めて「この素晴らしい行いをしたのは誰か分かる?」と聞いてみるのです。
また,一通り読み聞かせた後で「今日の学級通信から何か思った人はいますか?」と聞いてみるのもいいでしょう。書いてあった教師の意図が伝わります。
私は,朝の会,学級活動,道徳,帰りの会に至るまで,あらゆる場面で子どもの心に響くお話を学級通信に掲載するようにしています。本書でもそんなお話を掲載しています。子どもの心に響くお話,子どもたちの成長した姿を書くことで,子どもたち自身に成長を気づかせ,フィードバックすることができます。学級通信で伝えることで,子どもは家庭で保護者にも褒められるでしょう。子どものモチベーションをあげるこんないい手はありません。
学級通信の効能3 教師自身が学びの振り返りができる
教職人生は長いものです。大学を出て教職に就き,60歳定年まで勤めるとするなら,教職30年を超えることになります。その間,教師としての力量を高めていくのなら,自分の力の伸びを意識していることはとても重要な要素となります。「伸び」は当然少なくとも2つの時期を比較した時に実感できます。そのために便利なのが学級通信なのです。
私も新卒時代の学級通信を残していますが,まあ,なんと未熟なことをしていたのかと赤面の至りです。(でも若いなりにがむしゃらに頑張っていた自身が可愛くもあります。)
同様に,授業における子どもたちとの関わりや教師自身の考えも残しておくとよいでしょう。これは数年後に必ず自分の立ち位置を確認するための指標となります。自分自身の力量形成のために学級通信を書きましょう。教師もまた子どもたちと同様に成長します。学級通信はその「証拠」になります。
実は今の自分にとって,この「効能」が学級通信を出す一番大きな理由なのだと感じています。
本書では,「学級の土台をつくる」は主に学級開きから1学期の間,学級の土台を築く時期におすすめのお話を掲載しました。「子どもの成長を促す」では学級が充実してくる2学期の頃を想定しています。そして「子どもたちをさらに高めまとめる」はクラスづくりの最終段階3学期です。時系列に沿ってタイムリーな学級通信ネタを紹介していますが,その時期に限らず用いていただくこともできます。学級通信にどんなお話をのせていったらよいか悩まれる先生のご参考にしていただけたらと思います。
4月から3月まで,子どもたちはこんな風に成長していく……と子ども像をイメージしながら学級通信にまとめました。実際のクラスの子どもたちの様子を観察しながらどうぞご活用ください。
また,それぞれのお話は子どもたちの心に響く内容を精選しました。朝の会,学級活動,道徳,帰りの会に至るまで,あらゆる場面で子どもたちの耳に入れていただけたら幸いです。
平成29年7月10日 著者 /土作 彰
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