- はじめに
- 第1章 実録:向山洋一驚愕の赤ペン指導
- 〜野沢さんへの赤ペンを分析する
- 1 偽物を許さない教師の目 ―向山野沢日記・1冊目の日記―
- 2 一匹狼のたくましさと野武士の如き集団を知る ―向山野沢日記・1冊目終了の日記―
- 3 野沢さんの弱音に対する向山氏の本音 ―向山野沢日記・2冊目の日記―
- 4 ボロ班をめぐっての差別とのたたかい ―向山野沢日記・3冊目の日記―
- 5 自己否定・自己変革の繰り返し ―向山野沢日記・3冊目の日記―
- 6 向山氏の最後のメッセージ ―向山野沢日記・4冊目の日記―
- 第2章 仲良しごっこを乗り越える
- 〜厳しさと優しさのせめぎ合い
- 1 目指すのは独断と偏見の文
- 2 子どもの世界を映し出す
- 3 今週の最優秀作
- 4 くだらない日記
- 5 百人一首やのど自慢で子どもを鍛える
- 6 暴言オンパレード
- 7 担任批判は遠慮なく 〜向山と違った主張をする子ども
- 8 名文を載せないことへの抗議
- 9 人間そのものの弱さへの挑戦
- 第3章 前頭前野を鍛える向山学級の知性
- 1 一つ一つのことがらを詳しく書く
- 2 日記のネタ誰か知りませんか?
- (1)「テーマ日記」を書かせる
- (2)向山氏の刺激的な返事
- (3)学級通信で,上手な子の日記を紹介する
- 3 呑川河原落書をめぐる親との書簡
- 4 邪馬台国に夢を馳せて
- (1)子どもの日記が変化する邪馬台国の授業
- (2)邪馬台国の授業で子どもを鍛える向山氏の指導のポイント3
- 5 パーティーの準備はまだまだ続く
- (1)1カ月遅れたパーティー
- (2)2度目のパーティーは,前回を否定することから始まる
- 6 「我思う故に我あり」岡部覚の日記
- 7 夢にまで出るほど熱中した暗唱
- (1)学級通信で家庭にも連絡・協力
- (2)詩文を言うことを常に投げかける
- (3)努力の方向性・努力目標を示す
- 第4章 向山学級の日記指導ステップ
- 1 向山洋一が述べた日記指導の段階
- (1)日記の発達段階(初級編)
- (2)雪谷小学校 2学期開始の日記指導
- ○なるほどコラム
- 2 日記を書かせる目的
- 日記を書かせる4つの目的
- ○なるほどコラム
- 3 ユーモアとたくましさ
- (1)一点の輝きを見つけ出し,取り上げる
- (2)人としてのいやらしさを否定する
- ○なるほどコラム
- 4 大人が書けない子どもの感性
- (1)向山氏の「子どもの個性を引き出す極意」
- (2)鈴木元君の日記(※6年生9月の日記)
- ○なるほどコラム
- 5 2年間の日記から最優秀向山賞に輝く
- (1)向山氏の「2年間の日記に対する評価」
- (2)最優秀向山賞 外川君の日記(※5年生春休みの日記)
- ○なるほどコラム
- 6 ザ・ニッキ これぞ日記
- (1)向山氏の「日記に対する評価」
- (2)ザ・ニッキ これぞ日記 萩谷さんの日記(※4年生9月の日記)
- ○なるほどコラム
- 7 子ども達のロマンの世界
- (1)跳び箱が跳べるようになった子どもへの「賞賛」
- (2)父の背を超えようとする子どもの姿
- ○なるほどコラム
- 第5章 向山洋一の日記指導へのQ&A
- Q(1)どんなノートに書かせるのですか?
- Q(2)毎日書かせるのですか?
- Q(3)いつ日記を見るのですか?
- Q(4)コメントは毎日するのですか?
- Q(5)コメントの量はどのくらいですか?
- Q(6)コメントは赤ペンで入れるのですか?
- Q(7)誤字は直さないのですか?
- Q(8)毎日書かせたら文は上手になるのですか?
- Q(9)学級通信に載せる日記には何か基準があるのでしょうか?
- Q(10)日記を出しているかのチェックはしていますか?
- Q(11)書くテーマは決めていたのですか?
- Q(12)日記を書くフォーマットはありますか?
- 第6章 教え子が振り返る日記指導
- 1 戸田 貴久 〜強烈な返事になるまでのキャッチボール〜
- 2 五十嵐 光司 〜日記で相談できる頼もしさ〜
- 3 遠藤 友紀雄 〜人生に影響を与えたコメント〜
- 4 吉田 悦子 〜鋭く“まとめて書いただろう!”〜
- 5 岡部 覚 〜二条河原落書・向山版〜
- 6 名取 伸子 〜独断と偏見に満ちた文を書くこと〜
- 第7章 名取さんの日記に見た向山氏の赤ペン指導
- 1 濃厚な文章を書かせるための日記指導
- 〜段階を追った日記指導で子ども達を成長させている〜
- 2 「独断と偏見に満ちた文を書くこと」という赤ペン
- 〜「自己主張せよ」そして「自己否定できる強さを持て」という強烈なメッセージだ〜
- 3 向山学級のたくましさが生まれた理由
- 〜一匹狼のたくましさが生まれた背景が日記から読み取れる〜
- 4 生き方の指導に成功した日本初の実践!
- 〜向山氏の日記指導は,名取氏を24時間緊張状態に置いた。生き方を考え抜かせた2年間だった〜
- おわりに〜いじめが起きない向山学級のひみつ〜
はじめに
今から40年以上前の,新卒時代の教え子の日記が発見された。大森第四小学校での初代の教え子である。
自分で今読み返してみても,若いエネルギーが迸り出ている文章からは,全力で教育実践にあたっていた青年教師の清々しさが感じられる。一つ一つのページに刻まれた子どもと私とのやり取りは,本物の教育実践を求めて情熱を傾けていた日々の証しである。
この日記をTOSSの先生方に見せた。一様に驚愕していた。
例えば,福島の根本直樹氏。
野沢さんの日記を見た。これがほんとに前代未聞。
「興奮」という言葉では言い表せない。
「感動」でもあわない。
「驚嘆」これは相当近い。
「驚愕」「卒倒」「呆然」「唖然」……
実物を見ていただく以外にこの気持ちを伝えることはできない。
私の日記指導,赤ペンをご覧になった先生方は衝撃を受けたようなのだ。
それほど,「普通ではない」赤ペンだったのだろう。そうした指導が,学級経営や子ども達の成長にどのような影響を与えていたのか。
本書では徹底的に分析していただいた。お役に立てば幸いである。
2013年4月 /向山 洋一
-
- 明治図書
- テーマが面白い2018/1/2530代・小学校教員
- 何気なく書かせていることが多い中、様々な工夫が学べて、とても役に立った。2015/4/16