向山洋一は日記指導にどう取り組んだか
子どもの日記実物/教師・向山の返信と解説

向山洋一は日記指導にどう取り組んだか子どもの日記実物/教師・向山の返信と解説

好評4刷

オレが悪かった!担任が子供に謝る―濃密な日記指導の極意

向山洋一はどんな日記指導を行ったのか?@誤字は直さない―なぜ?A毎日書かせたのはなぜ?B教師コメントは毎日、沢山?Cでもいつ日記を見ていたの?Dひとつのことがらを詳しく書かせる目的は?Eなぜ独断と偏見の文をめざしたの?Fラク印「くだらない日記」とは


紙版価格: 2,486円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
978-4-18-091714-3
ジャンル:
学級経営
刊行:
4刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 216頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年4月22日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 実録:向山洋一驚愕の赤ペン指導
〜野沢さんへの赤ペンを分析する
1 偽物を許さない教師の目 ―向山野沢日記・1冊目の日記―
2 一匹狼のたくましさと野武士の如き集団を知る ―向山野沢日記・1冊目終了の日記―
3 野沢さんの弱音に対する向山氏の本音 ―向山野沢日記・2冊目の日記―
4 ボロ班をめぐっての差別とのたたかい ―向山野沢日記・3冊目の日記―
5 自己否定・自己変革の繰り返し ―向山野沢日記・3冊目の日記―
6 向山氏の最後のメッセージ ―向山野沢日記・4冊目の日記―
第2章 仲良しごっこを乗り越える
〜厳しさと優しさのせめぎ合い
1 目指すのは独断と偏見の文
2 子どもの世界を映し出す
3 今週の最優秀作
4 くだらない日記
5 百人一首やのど自慢で子どもを鍛える
6 暴言オンパレード
7 担任批判は遠慮なく 〜向山と違った主張をする子ども
8 名文を載せないことへの抗議
9 人間そのものの弱さへの挑戦
第3章 前頭前野を鍛える向山学級の知性
1 一つ一つのことがらを詳しく書く
2 日記のネタ誰か知りませんか?
(1)「テーマ日記」を書かせる
(2)向山氏の刺激的な返事
(3)学級通信で,上手な子の日記を紹介する
3 呑川河原落書をめぐる親との書簡
4 邪馬台国に夢を馳せて
(1)子どもの日記が変化する邪馬台国の授業
(2)邪馬台国の授業で子どもを鍛える向山氏の指導のポイント3
5 パーティーの準備はまだまだ続く
(1)1カ月遅れたパーティー
(2)2度目のパーティーは,前回を否定することから始まる
6 「我思う故に我あり」岡部覚の日記
7 夢にまで出るほど熱中した暗唱
(1)学級通信で家庭にも連絡・協力
(2)詩文を言うことを常に投げかける
(3)努力の方向性・努力目標を示す
第4章 向山学級の日記指導ステップ
1 向山洋一が述べた日記指導の段階
(1)日記の発達段階(初級編)
(2)雪谷小学校 2学期開始の日記指導
○なるほどコラム
2 日記を書かせる目的
日記を書かせる4つの目的
○なるほどコラム
3 ユーモアとたくましさ
(1)一点の輝きを見つけ出し,取り上げる
(2)人としてのいやらしさを否定する
○なるほどコラム
4 大人が書けない子どもの感性
(1)向山氏の「子どもの個性を引き出す極意」
(2)鈴木元君の日記(※6年生9月の日記)
○なるほどコラム
5 2年間の日記から最優秀向山賞に輝く
(1)向山氏の「2年間の日記に対する評価」
(2)最優秀向山賞 外川君の日記(※5年生春休みの日記)
○なるほどコラム
6 ザ・ニッキ これぞ日記
(1)向山氏の「日記に対する評価」
(2)ザ・ニッキ これぞ日記 萩谷さんの日記(※4年生9月の日記)
○なるほどコラム
7 子ども達のロマンの世界
(1)跳び箱が跳べるようになった子どもへの「賞賛」
(2)父の背を超えようとする子どもの姿
○なるほどコラム
第5章 向山洋一の日記指導へのQ&A
Q(1)どんなノートに書かせるのですか?
Q(2)毎日書かせるのですか?
Q(3)いつ日記を見るのですか?
Q(4)コメントは毎日するのですか?
Q(5)コメントの量はどのくらいですか?
Q(6)コメントは赤ペンで入れるのですか?
Q(7)誤字は直さないのですか?
Q(8)毎日書かせたら文は上手になるのですか?
Q(9)学級通信に載せる日記には何か基準があるのでしょうか?
Q(10)日記を出しているかのチェックはしていますか?
Q(11)書くテーマは決めていたのですか?
Q(12)日記を書くフォーマットはありますか?
第6章 教え子が振り返る日記指導
1 戸田 貴久 〜強烈な返事になるまでのキャッチボール〜
2 五十嵐 光司 〜日記で相談できる頼もしさ〜
3 遠藤 友紀雄 〜人生に影響を与えたコメント〜
4 吉田 悦子 〜鋭く“まとめて書いただろう!”〜
5 岡部 覚 〜二条河原落書・向山版〜
6 名取 伸子 〜独断と偏見に満ちた文を書くこと〜
第7章 名取さんの日記に見た向山氏の赤ペン指導
1 濃厚な文章を書かせるための日記指導
〜段階を追った日記指導で子ども達を成長させている〜
2 「独断と偏見に満ちた文を書くこと」という赤ペン
〜「自己主張せよ」そして「自己否定できる強さを持て」という強烈なメッセージだ〜
3 向山学級のたくましさが生まれた理由
〜一匹狼のたくましさが生まれた背景が日記から読み取れる〜
4 生き方の指導に成功した日本初の実践!
〜向山氏の日記指導は,名取氏を24時間緊張状態に置いた。生き方を考え抜かせた2年間だった〜
おわりに〜いじめが起きない向山学級のひみつ〜

はじめに

 今から40年以上前の,新卒時代の教え子の日記が発見された。大森第四小学校での初代の教え子である。

 自分で今読み返してみても,若いエネルギーが迸り出ている文章からは,全力で教育実践にあたっていた青年教師の清々しさが感じられる。一つ一つのページに刻まれた子どもと私とのやり取りは,本物の教育実践を求めて情熱を傾けていた日々の証しである。

 この日記をTOSSの先生方に見せた。一様に驚愕していた。

 例えば,福島の根本直樹氏。


  野沢さんの日記を見た。これがほんとに前代未聞。

  「興奮」という言葉では言い表せない。

  「感動」でもあわない。

  「驚嘆」これは相当近い。

  「驚愕」「卒倒」「呆然」「唖然」……

  実物を見ていただく以外にこの気持ちを伝えることはできない。


 私の日記指導,赤ペンをご覧になった先生方は衝撃を受けたようなのだ。

 それほど,「普通ではない」赤ペンだったのだろう。そうした指導が,学級経営や子ども達の成長にどのような影響を与えていたのか。

 本書では徹底的に分析していただいた。お役に立てば幸いである。


  2013年4月   /向山 洋一

著者紹介

向山 洋一(むこうやま よういち)著書を検索»

TOSS(教育技術法則化運動)代表

1943年(昭和18年)東京生まれ。1968年東京学芸大卒業。長年,小学校の教員を勤め,2000年3月東京都大田区多摩川小学校を退職。全国の小・中学校の教室から成功した授業の具体的事例や優れた教育技術・方法を集め,それを修正し,教師相互の「財産」として利用していく「教育技術法則化運動」(TOSS)の代表を務める。現在,運動サークル600,会員数1万名。日本教育技術学会会長,上海師範大学客員教授。1億アクセス突破の教育界トップクラスの教育コンテンツサイト「TOSSランド」主宰。『教育トークライン』『ジュニア・ボランティア教育』『教室ツーウェイ』『向山型国語』など8誌の編集長。

谷 和樹(たに かずき)著書を検索»

小学校教諭として22年間勤務。現在,玉川大学教職大学院教授。

TOSS中央事務局/TOSS授業技量検定担当。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • テーマが面白い
      2018/1/2530代・小学校教員
    • 何気なく書かせていることが多い中、様々な工夫が学べて、とても役に立った。
      2015/4/16
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