〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)2
携帯情報端末が特別支援教育を変える

〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)2携帯情報端末が特別支援教育を変える

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タブレットPC・スマホを有効活用して子どもを支援

急速に普及が進み、誰にとっても便利な機器である携帯情報端末を、特別支援教育において有効に使うための活用の意義やコツを実践とともに紹介しています。入門書として、広くAT(アシスティブテクノロジー)を紹介した第1集に続く第2集となります。


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PDF
ISBN:
978-4-18-057625-8
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

CONTENTS

もくじの詳細表示

刊行にあたって /金森 克浩
支援機器・教材について:iボイスルーラー /苅田 知則
特集について /金森 克浩
特集 携帯情報端末が特別支援教育を変える
1 携帯情報端末の活用を考える
(1) タブレットPCやスマートフォンで変える特別支援教育 /岡 耕平
(2) 「魔法のプロジェクト」とは? /佐藤 里美
(3) タブレット端末とは? /高松 崇
(4) スマートフォンでできること /坂井 聡
2 携帯情報端末*活用のコツ
(1) 【知的障害のある子どもへの活用1】好きなアプリをこころゆくまで /佐原 恒一郎
(2) 【知的障害のある子どもへの活用2】携帯情報端末を使って苦手を克服 /知念 元喜
(3) 【視覚障害のある子どもへの活用】全盲・弱視の子どもたちへのタッチパネル型情報端末の活用 /宮里 修
(4) 【肢体不自由児への活用1】子どもが「わかって,できる」タブレットPC活用術 /西村 健一
(5) 【肢体不自由児への活用2】児童生徒の意欲を引き出すiPad /魚坂 隆・内田 俊行
(6) 【病弱児への活用】つながること,今できること /和田 博
(7) 【障害の重い子どもへのタブレットPCの活用】一緒にワクワクしてみよう! /木澤 健司
(8) 【自閉症・情緒障害特別支援学級でのタブレットPCの活用】読み書きに困難がある子どもたちの学びやすさを目指して /井上 賞子
(9) 【小学校でのタブレットPCの活用】タブレットPCで「思考のステージ」へ /山内 秀則
TOPICS
ソフト開発者に聞く
(1) YumYumかたちパズル /三宮 直也
(2) たすくスケジュール /齊藤 宇開
(3) 「ねぇ、きいて。」 /鳥居 一平
(4) 知的障害と肢体不自由を併せ有する児童のための数概念学習アプリ /野口 智徳
情報コーナー
Webサイト 「ぽっしゅん」bo-yaのページ /本田 祐介
研究会案内 北海道特別支援教育ICT活用PJ /新谷 洋介
海外情報 タブレット型端末の教育利用が進む米国事例の紹介 /近藤 武夫
教材製作コーナー
iPadに外部スイッチを付ける /山本 一寿
知っておきたいAT用語
いまさら聞けないAT用語をピックアップ2 /大森 直也
携帯情報端末の活用
明日から使える実践の情報 /金森 克浩
編集後記

刊行にあたって

 〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第2集


 『鉄腕アトム』と言えば,半世紀も前に作られた不朽の名作です。しかし,未来のロボットであるはずの『鉄腕アトム』が生まれたのは2003年だったそうなので,今からもう10年ほど前という設定です。子どもだった頃の私は,未来にはこんなロボットが作られるのだろうとワクワクしてテレビを見たことを思い出します。さて,そのアトムが博士に連絡をとるためにと,一般家庭に入って黒電話を借りるシーンがあります。これだけ高度なロボットがあるにもかかわらず通信手段が固定電話だということは,手恷。虫でも今のような携帯電話の普及は予想できなかったようです。

 そんな半世紀前の時代からは想像できないぐらいに,今は一人ひとりが携帯情報端末を持ち,気軽に情報を得ることができるようになってきました。

 「テレビで見た気になる言葉を調べる」「ちょっとした暇つぶしにゲームをする」など,さまざまなことをスマートフォンなどで気軽に行えるようになりました。自分の記憶に頼る,本や辞書で調べる,紙やノートを使うといったことと同じことが,手軽にできてしまいます。

 「自分で考えることをしなくなってきた」という人もいるでしょう。しかし,「本当に大切なことに頭を使う」ようになったとも言えます。東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍氏はハイブリディアン時代だと言い,さまざまな記憶を外在化させる時代になっていると述べています。そして,今の子どもたちはデジタルネイティブ(デジタルが当たり前の社会に育った子どもたち)であり,そういった時代にどのような学びがあるかを考える必要があるとも言っています。

 障害のある子どもたちにとっては,携帯情報端末が普及したことで彼らが学ぶための困難を克服するさまざまな可能性が出てきました。「板書をカメラで撮影して後で見返す」「紙の教科書が読めなくても,電子化し音声で読み上げるアプリケーションソフトを入れて内容を理解する」「自分の気持ちをシンボルや音声で表現する」「紙のノートでは学習が進められなかった子どもが,タブレットPCのアプリケーションソフトで文字を書く学習をする」「コミュニケーションできる仲間が限られている入院した子どもたちが,いろいろな人たちとスカイプをする」などなど。こういったさまざまな可能性を携帯情報端末が実現しようとしています。

 誰にとっても便利な機器になってきていますが,特別支援教育にこそ携帯情報端末は有効な道具となります。ぜひ,その特性を理解して子どもたちの学びを高めていってください。


  2012年12月   編集代表 /金森 克浩

著者紹介

金森 克浩(かなもり かつひろ)著書を検索»

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      2016/1/230代・男性

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