- まえがき
- 第1章 これからの「伝統的な言語文化」の学習指導をどのように創出するか
- 第1節 これからの「伝統的な言語文化」の学習指導のあり方
- 一 伝統的な言語文化の学習が強調されている背景
- 二 これからの伝統的な言語文化の学習の方向
- 三 これからの伝統的な言語文化の学習教材の開発
- 第2節 ことわざ・故事成語・慣用句を中心とした学習指導のあり方
- 一 どんな「ことわざ・故事成語・慣用句」が授業で扱われるべきか
- 二 「ことわざ・故事成語・慣用句」は、どのような言葉だと説明されているか
- 三 どのような単元構成で「ことわざ・故事成語・慣用句」を授業するか
- 四 どのように学習活動を設定し「ことわざ・故事成語・慣用句」を授業するか
- 五 「ことわざ・故事成語・慣用句」の学習をどのように自己評価させるか
- 第3節 「伝統的な言語文化」の継承と学校教育への期待
- 一 はじめに─今なぜ「伝統的な言語文化」教育なのか
- 二 伝統的な言語文化の継承─能・謡曲のすすめ
- 三 日本の語り音楽の歴史と魅力の活用
- 四 終わりに─学校教育への期待
- 第2章 「伝統的な言語文化」の学習指導の実際
- 第1節 「ことわざ」を中心とした学習指導
- 1 「石の上にも三年」など
- 2 「河童の川流れ」など
- 3 「情けは人のためならず」など
- 第2節 「故事成語」を中心とした学習指導
- 1 「朝三暮四」など
- 2 「五十歩百歩」など
- 3 「塞翁が馬」など
- 第3節 「慣用句」を中心とした学習指導
- 1 「頭が上がらない」など
- 2 「水に流す」など
- 3 「えりを正す」など
- 4 「ひのき舞台」など
- 第3章 資料編
- 一 学習指導要領の「伝統的な言語文化」に関する事項
- 二 参考文献
- あとがき
まえがき
二〇〇六(平成一八)年一二月二二日「教育基本法」が約六〇年ぶりに改正された。また、二〇〇七(平成一九)年六月二七日「学校教育法」が一部改正された。それらの法律に伴って、二〇〇八(平成二〇)年一月には中央教育審議会の答申がなされ、それを踏まえて同年三月に「学習指導要領」が改訂された。
本書『伝統的な言語文化の学習指導事例集』(全四巻)を編んだのは、右の法律や答申などの中に新しく「伝統的な言語文化」という内容が強調されているからである。例えば次のような文言である。教育基本法では、「伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育」「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」。学校教育法では、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」。中央教育審議会の答申(国語科に関する文言)では、「我が国の言語文化を享受し継承・発展させる態度を育てる」「我が国の言語文化に触れて感性や情緒をはぐくむことを重視する」「[言語文化と国語の特質に関する事項]を設け、我が国の言語文化に親しむ態度を育てたり」「古典の指導については、我が国の言語文化を享受し継承・発展させるため、生涯にわたって古典に親しむ態度を育成する指導を重視する」。学習指導要領では、「低学年では昔話や神話・伝承など、中学年では易しい文語調の短歌や俳句、慣用句や故事成語、高学年では古文・漢文など」と解説されている。
このような時代の要請に応えるために、本書は次のような四巻で編集した。
第1巻 昔話・神話・伝承を中心とした学習指導事例集
第2巻 ことわざ・故事成語・慣用句を中心とした学習指導事例集
第3巻 古文・漢文を中心とした学習指導事例集
第4巻 詩歌・唱歌・芸能を中心とした学習指導事例集
また、第2巻の内容は次のような構成になっている。
第1章 これからの「伝統的な言語文化」の学習指導をどのように創出するか
第1節 これからの「伝統的な言語文化」の学習指導のあり方
第2節 ことわざ・故事成語・慣用句を中心とした学習指導のあり方
第3節 「伝統的な言語文化」の継承と学校教育への期待
第2章 「伝統的な言語文化」の学習指導の実際
第3章 資料編(学習指導要領の「伝統的な言語文化」に関する事項及び参考文献)
本書の四巻シリーズが、これからの「伝統的な言語文化の学習指導」に少しでもお役に立ち、一人ひとりの児童生徒が生涯にわたって「伝統的な言語文化に親しむ」契機になることを願ってやまない。読者のみなさまから四巻シリーズへのご意見・ご批評をいただければ幸いである。
本書の刊行に温かい激励をいただいた、江部満編集長と佐保文章編集者に心からお礼を申し上げます。
監修・編著者 /花田 修一
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- 明治図書